【番外編】福岡 北九州・小倉 オーディオビギン 18/11

北九州・小倉にあるオーディオ・ビギンさんは、ジャズ喫茶を併設していないのが不思議なくらいのオーディオ屋さん。

北九州 黒崎・Jazz Spot 風土さんの常連の方にススメられたので行ってきましたが、ともかくマスターのお話が興味深く、いつまで聞いていても飽きない。。。ということで、失礼な話ですが、冒頭の言葉となりました。笑

この写真中央でとても存在感を放っているスピーカーは、自分の聴きたい音を出すスピーカーが既成品になくなったからとご自身で開発されたJULIAですが、そこから流れるジャズはまさにジャズ喫茶ならではの音!お店に入った瞬間にこの音を浴び、単純に嬉しくなってしまいました。

マスターのご持論の1つは「楽しく聴けるスピーカーがないから、みんな自分の好きな音楽を聴かなくなる」ですが、論より証拠。この鳴らしていただいたエリック・ドルフィー・アット・ザ・ファイブ・スポットが何と楽しく響いたことか。

またこれもそのご持論の1つで、特徴的なご意見ですが、「1つのスピーカーで全てのジャンルの音楽が鳴らせるはずがない」。。。ということで、マスターが考えられたのが「ネットワークを外付けBOXとして取り替えること」で、ジャズ用、クラシック用、ポピュラー用を製作。

それぞれを比べながら聴かせていただき、その音楽に合った雰囲気を醸し出したことにも感心しましたが、ネットワークだけでこんなに音が変わること自体、私にとっては衝撃的でした。(注1:オーディオ・マニアの方へ)

その後開発されたという3機種、フラッグシップのROSE(写真奥のゴツいスピーカー)、「ユニットが入手出来なくなって生産出来なくなった、代わりのユニットが見当たらない」と嘆いておられたPIANO2(写真真ん中の小さなフルレンジ・スピーカー)、その上級機種に当たるPLUTO(写真PIANO2の下にあるエレクトロ・ボイスの同軸2ウェイ・スピーカー)とそれぞれ聴かせていただきましたが、その音の雰囲気や傾向が全く同じであったことにはビックリ!

もちろん値段の差は音の余裕、広がり等の差となってきっちり現れるのですが、この統一感はスゴい!と驚嘆していたら、「そんなの同じ人間が作っているんだから、自然とそうなるよ」と事も無げにおっしゃるマスター。

ただそうは言っても、元々ジャズやブルースがお好きなマスターにとって、クラシック用の音作りにはご苦労されたのだとか。

そこでクラシックと言えば、ということで、英国タンノイのスピーカーのネットワークをご研究。初めは「学術的には音を悪くする方向なのであり得ない回路」としか思えず理解出来なかったものの、ある日わかったそうです。全ては音のためだ!

それ以来、タンノイの創業者G.R.ファウンテンを尊敬されておられるとのことですが、タンノイ党の私にとっては嬉しい話。

かと言って、クラシック用ネットワークをつないだJULIAからタンノイの音がするかと言えばそうではありませんが、タンノイでは聴こえにくい音がちゃんと聴こえるのは悩ましい話。。。後ろに置いてあるタンノイの銘スピーカーG.R.F.メモリーとの聴き比べですので、間違いありません。笑

その他にも「入力系はアナログがダントツいいが、デジタルではCDがいい」「ブルーレイ・オーディオとかSACDは音をイジっておかしくなっている」等々、そのご持論の是非はさておき、これまで培われてきたバックボーンに基づく一刀両断ぶりはお聞きしていて痛快そのもの。

本当に楽しかった!


マスター、お忙しいところを長い時間お相手いただき、ありがとうございました。。。当方、タンノイ党を離れられず、かと言って、これ以上スピーカーを置くスペースがないため、図々しいお願いとなってしまいますが、また伺っていいですか?

【駐車場:無(近隣にコインパーキング有)】

<追記>この4ヶ月程、オーディオ道を突き進む方々のシステムを集中的に聴かせていただく機会に恵まれたことから、その道にどんどん惹かれ、色々考えさせていただいた結果、その世界が自分なりに何となく見えてきました。

入力系から出力系、その響かせる箱(部屋)に至るまで様々な要因が絡み合う複雑なオーディオの世界。その変化ポイントがあまりにも多くてキリもないことから、自分の聴きたい音のイメージがしっかりしていればどんどんそこに向かって昇りつめていける魅惑的な世界でもある一方、客観的な判断がないといつの間にか深い沼に飲み込まれている可能性も高いキケンな世界。。。それでもやっている人間にとっては楽しいのですが。笑

お陰様で、この九州ジャズ・ロード巡りを始めた目的の一つである「色んなシステムを聴きたい」という欲求についても現時点でお腹いっぱいになり、自分自身の位置づけもオーディオ・マニアの端くれではなく、オーディオ愛好家と晴れて認識出来ました。

ということで、少し路線を切り替えて、ジャズの奥深さを追求する道に戻ります。。。とは言え、ジャズ・オーディオとは切っても切り離せない関係なので、そこでいい音が欲しくなってくる気もしますが、その時はまたその時ということで。


(注1:オーディオ・マニアの方へ)1つのスピーカーで全てのジャンルの音楽が鳴らせるはずがない。。。という考え方をどう思われますか?

これは完全に肯定派と否定派に分かれる考え方ですが、原音再生が出来ると考えるか否かという根本的な問いに戻るような気がします。

元々、タンノイというメーカーが志向していた音作りは、原音再生を諦めた所から出発し、それらしい音を追求していたと思うので、タンノイ党である私にとってはとても自然に受け入れられたこのお店のマスターの持論。

これまで最先端のハイエンド・オーディオの音も数々聴かせていただいたので、その可能性は否定しませんが、そこに至るまでの困難さ(注2)を思うと、このスピーカーが魅せてくれた世界はとても誘惑的でした。

もし気になられるようでしたら、恐らくご参考になると思いますので、是非一度このお店でご試聴下さいませ。(注3)

(注2)オーディオ機器から部屋(家)等を購入するお金の工面、そこに費やす労力・根気。。。皆様、ご存知のとおり。

(注3)やはりお店の手を離れると鳴らし方はその方のもの。このお店でマスターの音を聴かれる方が無難です。笑


<2018.12.19追記>このお店から車で約20分南下した所にあるマスターおススメのイタリアの家庭料理のお店B&Wさん

そのメイン・スピーカーは、マスターがこのお店の空間に合わせて調整されたJULIA。

料理が美味しく雰囲気もいいのでかなりの人気店なのも納得出来るこのお店ですが、やはり縁の巡り合わせはあるようで、1時間程度でしたが、たまたま貸し切り状態に。

「JULIAはこのお店一番の働き者」とおっしゃるこのお店のオーナーとお話させていただいている内に話が盛り上がり、私の持っていたコルトレーンの「クレッセント」をボリュームを上げてかけていただいたのですが。。。上質なジャズ・バーでいただく本格的なイタリアン。とても贅沢な時間を過ごさせていただきました。

ちなみに、この個性派オーナーのお話はとても興味深く魅力的で、そのお人柄に惹かれて集まったスタッフの皆さんも温かく、そして、おしゃべり好き。

「さっきのすごく良かったですね!うちの親父、コルトレーンが好きで~」等々、ピザ職人のスタッフもわざわざ奥から出て来られてお声掛けいただいた程。笑

この家庭的な雰囲気に地元の方々も魅了されておられるのだと思いますが、一次会上がりのお客さんがバラバラと集まり出し、いつの間にかほぼ満席。

慌ててボリュームを落としていただき、元のイタリアン・バーに戻ったのですが、確かに控えめながらも心地好い音楽を奏でるJULIAがあってのこの空間、と思えたから不思議です。

【駐車場:有、喫煙:可(時間帯制限有)】


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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