【紹介:コアな趣味人の店】大分 竹田・自家焙煎珈琲 喫茶二はぜ(ニハゼ) 20/11+22/09

ご開業されて5年目を迎えられた大分・竹田の久住にある自家焙煎珈琲 喫茶二はぜ(ニハゼ)さん(注1)。

久住高原の近くにあることから、山登り・ドライブ・散策等の帰りにふらっと寄られるお客さんが多いそうですが、確かにその用途で寄ると気分良く時間を過ごせ、満足出来るお店だと思います。

それは、隅々に至るまでマスターの心尽くしが感じられるおもてなし。

山里の隠れ家的風情の立地とこじんまりときれいな小屋。本格的なシステムで鳴らされるジャズ。少し工夫が凝らされたメニュー。素直に美味しい自家焙煎珈琲、食事(注2)、ケーキ等。更に手頃な値段。

開業するに当たって必要な機材のほとんどを持っていたという恐るべき趣味人であるマスターが、その能力をフル稼働させ、「密かに」お客さんを喜ばせたいと願って色んなものを仕込んでいるから。。。わかりにくい表現になってしまいましたが、要するに、少しシャイで職人気質ながらも、サービス精神が旺盛なマスターのお店ということです。

その一方、情報誌等に紹介されるのはこんな感じの写真。

木を多用したこじんまりした室内に高めの三角天井、ドンとまとめられたアルテックのスピーカー、マッキントッシュのアンプを始めとした本格的なオーディオ群。

どうしてもこれは、オーディオ好きが反応する絵柄としか言い様がなく、必然的にその方面の方も多くいらっしゃることになるみたいです。

でも実際、このお店は特にジャズの看板を掲げておられる訳ではないのですが、ジャズ喫茶と言っても全く問題ありませんし、マスターもその肩書で十分やっていける方。

この空間においてこのシステムが奏でる音楽の特質をよく把握されたマスターのおススメ・アルバムは、気持ち良く聴けること、間違いなし。

その特徴の一つは、PAの再生が特にいいこと。

これまで聴かせていただいたウェザー・リポートやディジー・ガレスピーの野外ライブの楽しいこと!観客の声援、臨場感は圧巻!

そしてもう一つの特徴は、女性ヴォーカルのしっとりとした艶っぽさ。

ここで、エヴァ・キャシディやアニータ・オディの包容力のある味わい深い歌声を一人で聴ける幸せはマスターだけのもの。羨ましいことです。

そして番外編の特徴ですが、田舎で周囲に迷惑がかからないことから音量を自由に上げることが出来ること。またどれほど音量を上げても、うるさく聴こえないこと。

もし運良く、他のお客さんがおられない貸し切り状態になったら、マスターにお願いして、そのレコードの適切なレベルまで音量をあげてもらってください。それがマスターが築き上げられたこの空間とシステムの実力です。

マスターは閉店後、いつでもこれを聴けるのだから、やはり羨ましいことです。

「人のやらないことをやらなきゃ」が口癖のマスターだけに、毎回驚かされてばかりのこのお店。

阿蘇方面への道が復旧され(注3)、行きやすくなったこともあり、もっと通いたいお店でもあります。

【駐車場:有、喫煙:室内は原則不可(テラスで可)】

(注1)知らない人からすると変わった名前のように思えますが、「ハゼ」とは珈琲豆の焙煎用語で、その名のとおり豆が爆(ハ)ぜること。

また「ハゼ」は焙煎具合の目安でもあり、「2ハゼ」が発生するくらいで酸味中心の味から苦味がしっかりでてくる“深煎り”になるのだそうです。

(注2)色んなメニューの中でも辛口チキンカレーがマスターご自慢の逸品。

辛い物好きには堪りませんが、但し!本当に辛いので、くれぐれもご注意を。

(注3)復旧された阿蘇方面への道は国道57号線復旧ルート等。詳しくはこちらの記事をご参照ください。

 【22年9月4日追記】

  現在、マスターの体調不良で長期ご休業中。

  万全を期してのご復帰を心からお待ちいたしております。


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑