延原武春 指揮 フィルハーモニア福岡 第31回定期演奏会(メンデルスゾーン スコットランド 他) 16/07

前回のブラームスがあまりにも良かったので、延原武春さん指揮フィルハーモニア福岡の定期演奏会をまた聴きに行ってきました。

今回の曲目はモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」とメンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド(メンデルスゾーンの交響曲は5番まであるが、出版順で3番)」という一見、ちょっと風変わりな組み合わせ。でも、ちゃんと意味があって、二人共、30代で夭折した天才作曲家で、しかもその二人が32才で書いた最後の交響曲、なのだそうです。いやいや、どなたが考えたのか、プログラミングの妙に演奏の前から恐れ入った次第でした。

期待の高まる中、まず始まったジュピターはオリジナル楽器での演奏を思わせる余韻をほとんど持たせない、小気味良い緊張感のあるテンポ設定で、要所要所を強調するために入れたアタッカもとても効果的に響き、最初から鳥肌が立った驚演!アーノンクールの演奏を知らなければ、ひっくり返っていたかもしれません。笑

オケも指揮者に必死に食いつく大熱演。この音がもっと柔らかい音だったら、とか、もっとダイナミクスに幅があったらとか途中で色んな想いが交錯したものの、それでもこの指揮者の音楽を見事に具現化することに成功していました。

こんなによく知っている曲なのに、初めて聴いたような瞬間が何度も訪れる演奏なんて、そう聴けるものではありません。本当に聴き応え十分の素晴らしい演奏でした。

興奮冷めやらぬまま迎えた後半のメンデルスゾーン。フィルハーモニア福岡の演奏会は曲の始まる前に延原さんがマイクを持って登場し、あれこれしゃべっている間に楽団員が登場し、チューニングまで済ませるという面白い始まり方をするのですが、この前説は本当に面白かった。

要約すると、①メンデルスゾーンが亡くなったのは、延原さんが生まれた1947年のちょうど100年前、②それにしては研究が進んでいないのが現状、③これは、メンデルスゾーンがユダヤ人であったことも関係している、④ちなみに、私は家まで見に行ったぐらいメンデルスゾーンが好きだ、⑤これまでロマン派としての解釈が一般的だった、⑥でも、指揮者としても有名だったメンデルスゾーンはモーツァルトが大好きだった、⑦メンデルスゾーンをモーツァルト的なアプローチで解釈すると、全く違う表情が浮かび上がってくるのでやってみる、でした。

また、長年一緒にやってきたフィルハーモニア福岡はその感覚を理解してくれているとも言ったその演奏は?!

残念ながら、私自身の問題でジュピターほど素直に感動するに至りませんでした。。。実はこの曲は随分前に何度か聴いた程度で細部は全く覚えていなかったのに、CDがパッと見つけられなかったことを言い訳に(?)完全な予習不足で本番に挑んでしまいました。前回、予習の大切さを語ったばかりなのに、大失敗でした。汗

それでも、重厚なイメージを持っていたこの曲が意外にも風通しの良い演奏が可能なこと、軽やかさやチャーミングな面白さを持っていることは十分伝わってきましたし、この曲でも精一杯頑張ったオケは所々、妙音を紡ぎ出して、満足させてくれたことも付け加えておきます。

さて家に帰り、この曲のCDを懸命に探し出し聴いた感想ですが。。。やはり記憶どおり、重厚な建築物のような、更には甘くデコレーションされたケーキみたいな堂々たる演奏で、これほどまでに解釈次第で印象が異なるものかと驚かされました。ただ、このロマン派だぞ、どうだ?!的な解釈にもその良さがあり、まさにこの状況はモーツァルトの交響曲の新旧演奏と同じ。。。私的にはこの曲の株だけが上がった感じです。笑

それにしても、改めて今回思いました。延原武春さん!巨匠と呼ばれる指揮者がどんどんいなくなって、今となっては世界的に見ても貴重なこんなもの凄い指揮者が、さすがに最近、評価されてきているらしいとは言え、福岡でアマチュアとたったの1,000円で聴ける演奏会をやっているなんて。。。ありがたい反面、何かがおかしいとしか言いようがありません。

そして、フィルハーモニア福岡。。。彼らはアマオケですが、延原さんの音楽を長年一心に追いかけてきた成果なのか、指揮者の棒への反応の良さが素晴らしく、高い音楽性を感じさせられますし、そこにアマチュアならではの熱気という反則技(笑)があるので、下手なプロオケより余程聴かせる演奏をしてくれる稀有な存在と言っていいような気がします。

最後にこのコンビの次回の定期演奏会ですが、私の大好きなシューマンの交響曲第2番を取り上げるとのこと!来年2月が楽しみになりました。期待しています。


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九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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