上岡敏之指揮 九州交響楽団 定期演奏会 @アクロス福岡(ブラームス 交響曲第1番 他) 16/07

上岡敏之さんは、もう5年も前になりますが、2010年10月にドイツの手兵ヴッバータール交響楽団との演奏会を聴きに行って以来、もの凄く気になっている指揮者です。

<参考>前回の演奏会の感想ブログ

で、数ヵ月前、九州交響楽団の定期演奏会に上岡さんの名前を見つけて、即買い!首を長くしてこの日を待っていました。

九響の定期演奏会の観客動員力はいつもなかなかのもので、今回も9割は入り、雰囲気も上々。そんな中、始まった1曲目は、バッハ作曲ウェーベルン編曲の「音楽の捧げ物」より6声のリチェルカーレ。

この曲、というより編曲は、一つのメロディを細分化して、次々に違う楽器で演奏させるといったような何ともウェーベルン的(現代音楽的?)なもので、聴かせる演奏をするのは実に難しい。。。等と思って、指揮者を見ていると全く違う空間が!

次に音を出す演奏者にダンスでもしているかの如く淀みなく指示を出す上岡さん。その指揮棒の先から、手から、頭から、全身から、その指示通りの、表情づけ通りの音が出ていく様は、まさに彩鮮やかなマジックショー!手を下からパッと開く指揮なんて初めて見ましたが、その直後に可憐な音がパッと弾けるなんて、ディズニー映画でも観ている気分になりました。笑

続く2曲目はオール九響のメンバーで、モーツァルトのオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲という渋いコンチェルト。この曲では上岡さんが至れり尽くせりの盛り立て役にまわり、とってもモーツァルトらしいふわっと軽やかな伴奏を展開。ソリストの皆さんはその伴奏に乗って、気持ち良く演奏をされていました。

そして、メインはブラームスの交響曲第1番。伝統的な重厚長大な演奏ではないとのだろうと予想して聴き始めましたが、第1楽章の出だしから重厚ではないものの想像していた程には軽くもなく、意外に歌わせながらもインテンポで進めるなぁ、等と思っていたら。。。ティンパニーのドン!という音を皮切りに一気に上岡ワールドへ。大胆にテンポを揺らし、ダイナミクスをいっぱいに使い、オケを思う存分振り回し、そして得られる豊かな生命感、躍動感。。。どちらかと言えば、この曲のこんな解釈は嫌いなのですが、面白いのだから仕方がない。遂には腕をグルグル回してオケを煽る上岡さん!完全にその世界に引き込まれ、ただただ楽しくて、ワクワクしながら聴いていました。。。笑

第2楽章と第3楽章はアゴーギクは控え、美しくゆったり伸びやかに歌わせて、そして迎えた最終第4楽章。この対比もあってか、テンポやダイナミクスの変化が効果的で、ホールを揺るがすような強奏はなかったものの、十分盛り上げて、ホールの残響も十分味わってね!的な綺麗な音でフィナーレ。九響の大熱演もあり、割れんばかりの拍手と飛び交うブラヴォー、幸せな時間。。。お腹、いっぱい。もう満足と思ったところに、定期演奏会なのに、何とアンコール!ハンガリー舞曲第1番。

リラックスしたムードで愉しげに振る上岡さんにオケもノリノリで、途中、客席のどこかで イェ~!というジャズみたいな合いの手が入ったのも全く場違いな感じがしない何とも酒脱な演奏で、大団円。案外、別腹でペロッといけた感じ、でした。笑

それにしても、上岡さんはやっぱりスゴかった。。。あそこまで毀誉褒貶を恐れず、大胆な表情づけをする、これぞライブ!と思わせてくれる指揮者がどれだけいるだろうか?また、指揮姿が音楽的な指揮者は確かに他にもいるけど、あの狭い指揮台をあれほど広く感じさせてくれる指揮者はいないとも思う。

その上岡さんがこの度、拠点を日本に戻し、新日本フィルの音楽監督になられたとのこと。前回ご紹介した延原武春さんがこれから大輪の花を咲かせようとしているこのタイミングで、大野和士さんの都響、広上淳一さんの京都市響等、60歳手前のマエストロ達が覚悟を決めて、日本のオケと残された貴重な時間を過ごそうとしている。。。日本のクラシック界はこらから異常なまでにレベルの高い時代を迎えるようで、本当に楽しみです!

ちなみに、上岡さんの面白い記事を見つけましたので、併せてご参考まで。


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九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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