ジャン・フルネ 現役引退コンサート 05/12

これはつい先日、12/17深夜のお話。 インターネットを開き、いつものとおりSNSサイトを見始めたところ、 あるコミュニティの最新書き込みに目が釘づけに。

「ジャン・フルネ引退公演のチケット譲りたし!」

フルネさんは、東京に転勤したからにはまず最初に聴きに行かねば! と思っていた伝説になりつつある指揮者ですが、その演奏会を調べ出したところ、次回がその引退公演であることが判明。これは是が非でも行かねば!と思ったものの、もちろんのことながらチケットは即完売。

その後もあちらこちらを必死で探してみたものの状況は変わらず、泣く泣く諦めていたプラチナ・チケットがこんなところに?! しかも掲載された時間が遅かったお陰で、誰も反応していない!


この日のツキたるや凄まじく、この後のメールのやり取りも実にスムーズに進み、その後、無事に東京駅でチケットを譲り受けることが出来ましたが。。。実にご丁寧かつ優しいご対応をなさるきれいなお嬢様で、心から感謝!

そしてその4日後の当日、遂に始まったコンサート。私にとって、最初で最後のフルネ体験。。。A2サイズはあろうかと思われる大きな楽譜を前にフルネさんは92歳とは思えない元気な指揮ぶり。この不世出の大指揮者から引退公演の相手という栄誉を受けた東京都交響楽団も当然のことながら、気合い十分。

特に最後のブラームスの交響曲第2番は、凄まじいまでの緊張感とお互いの信頼と思い入れがひしひしと感じられる深い魂のこもった尋常ならぬ演奏。特に肩の力は抜けているのに、異常な緊張感を伴ったpppはこの世のものとは思えない響きで、正直なところ、フルネさんにそこまで思い入れがあった訳でもないのに、その音を聴いた瞬間に本当にぼろぼろ泣けました。。。一期一会の演奏とは、まさにこのこと。

第4楽章の最後半、いったんフィナーレに向け速度を落とし、楽器編成を変え音型を変え、テーマを繰り返しながら、徐々に盛り上がっていくところでは、指揮者、奏者共、これまでの思い出がそれこそ走馬灯のように蘇り、いつまでもこの幸せな時間が続けばいいのに、といった万感の想いでも込められていたのでしょうか?聴いている我々の時間もその流れがものすごく引き延ばされたように感じられ。。。でも無情にも時間は止まらない。音楽が流れ、一気呵成に上り詰め、堂々としたフィナーレへ。全てが過ぎ去り、最後は何が何だかわからないままに呆然自失、滂沱の涙。

そしてその後、周りの盛大な拍手も気にならず、ずっと身じろぎすら出来ませんでしたが、その呪縛から解放されてからはすぐにスタンディング・オベイション。周りに負けないぐらい大きな拍手とブラヴォー!!

一生忘れられない貴重な一夜になりました。

 

尚、この当日と前日のサントリーホールでの演奏が収められたアルバムはこちら。

この素晴らしい記録が残されたことは有難い限りですが、その一方、当夜の思い出が壊れるのが恐ろしくて、とても聴けない逸品。笑

でも、私にとって宝物の一つです。


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汝が欲するがままをなせ

九州でのジャズ冒険を中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。