久しぶりにクラシックの演奏会、小泉和裕さん指揮の九州交響楽団の定期演奏会を聴きに行って来ました。曲はメンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」とカール・オルフの世俗的カンタータ「カルミナ・ブラーナ」。
カルミナ・ブラーナという有名な割になかなか実演を聴く機会のないこの大曲を聴きたい人が多かったのか、はたまた出演するアマチュア合唱団約200人の多くの知人が聴きに来た結果なのか、いずれにせよ若い年齢層のお客さんも含むほぼ満席のアクロス福岡。
そんな中、メインのカルミナ・ブラーナは小泉さんの統率の利いた指揮の下、NHK FM ベスト オブ クラシックの公開録音ということもあってか気合いの入っていたオケ、それぞれ持ち味を発揮したと思われる独唱陣、いざ本番!と盛り上がる合唱団達による力演。終演後は大きなブラヴォーと拍手でしたが、歌う側は聴いているよりもっと楽しいんだろうなぁ。。。が合唱人の端くれとしての一番の感想でした。笑
そして本題。これは間違いなくメジャーな感想ではないと思いますが、この日の白眉は前半のメンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」。
全体的にゆったりとした遅めのテンポで進められたこの曲、第二楽章の踊るようなリズムだけは少し重いような気がしたものの、最初から最後までその堂々と落ち着いたテンポの中でじっくり抑揚をつけて歌われ、そのフレージングの細部に至るまで丁寧な仕事を積み重ねていかれた小泉さんとオケ。ステージすぐ上空で溶けるように消えていく柔らかく響かせた和音の儚く美しかったこと!そしてその成果は、第4楽章最初にフルート二本が奏でたコラール「神はわがやぐら」のメロディが意味を持って感動的に響いたことに結実していたように思いますが、この曲で魅せた集中力・技量は実に見事でこれぞプロ・オケ。前半にも関わらずブラヴォーが飛ぶ、本当に素晴らしい演奏でした。
唯一問題があったとすれば、この曲の荘厳な曲調、低いメジャー度に加え、とても美しい響きが誘った眠気、でしょうか?前の席で真剣に聴いていた高校生クンが的確な感想を言っていました。「本当にいい曲だったけど、眠かった」。笑
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