東京 四谷・Jazz Cafe いーぐる18/12

先日、昨年末50周年を迎えられた東京・四谷の老舗ジャズ喫茶 Jazz Cafe いーぐるさんに行ってきました。

これで3回目の訪問でしたが、初めて行った時は「東京の人気ジャズ喫茶店」に感心しきり。。。お店に続く階段入口に流れるジャズ(注1)、「昼間の会話禁止時間帯」という取り決め、そして多くのお客さんがほとんどジャズ・ファンのようで、年代的にも年配の方から若い方まで幅広く、更には当たり前のように女性客がいらっしゃる!

たまたまこの時はマスターがご不在で残念でしたが、従業員の方の接客レベルが高いこともあり、落ち着いた時間を堪能。

周りのお客さんもそれぞれの時間を楽しんでいらっしゃいました。

そして2回目は夜の会話可能時間帯に訪問させていただいたのですが、ここで初めてお目にかかることが出来ました。ジャズ喫茶/バーの著名マスターのお一人 後藤雅洋さん(注2)。

金曜夜の少し早い時間でしたが、お客さんが入れ替わり立ち替わり来られる辺りはさすが人気店。

昼間の居心地の良さだけでなく、サラリーマン達が連れ立ってやって来る魅力もあるお店だということはよくわかりましたが、その一方、リピーターのお客さんを多く掴んでいらっしゃることがその強みの一つではないかとも思いました。

そんなお忙しいマスターにお願いし、接客の合間合間に色々お話させていただきましたが、とても刺激をいただき、勉強させていただきました。

中でも刺激的だったのは、「今、ジャズはこれまでで最高の時期を迎えている」「ビ・バップ、ハード・バップを鬼っ子だと考えれば、現在に至るまでジャズはずっと伝統に則った進化を遂げているという捉え方も出来る」という考え方。

また、「今のプレイヤーは技術的に上手いのは当たり前で、オリジナリティ・やりたいこと・自己表現の勝負」「ドラムが特に進化して、リズム・セクションが複雑になった」「今の売れっ子プレイヤーは、ジャズ初期も含めた昔の演奏も、他のジャンルの音楽もよく聴いていて、バックグラウンドが広い」とつながれた後、「ライブを聴かないと、CDだけを聴いてもよくわからないことがある」とおっしゃったのですが、このお言葉にはマスターの謙虚で深い誠意を感じました。

最後に「こんな考え方は『100年のジャズを聴く』の中に出てくるよ」とマスターがボソッとおっしゃったのですが、これは恥ずかしかった。。。

というのも、元々この本は「このお店で買って、その場でマスターにサインしていただこう」と考えたことから購入を控えていたのですが、ちゃんと予習をして来るべきでした。

しかも残念ながら、この時にはもう本は売り切れ。

仕方なく、この時に読んでいた本にサインをいただき、併せてこの下の50周年記念の品を購入出来たことで満足して帰りましたが、前回のこの反省に基づき、今回はちゃんと「100年のジャズを聴く」を予習して持参(注3)。

ところが今度は、マスターが次から次へと入って来られるお客さんの応対にお忙しそう。しかもお昼間の会話禁止時間帯に行ったこともあって、辛うじて合間を見計らってサインだけはお願いしたものの、長々と会話をするのはさすがに憚られる雰囲気。

今回も色々なお話を伺ってみたかっただけに少し残念でしたが、まぁ、これもジャズ。きっとジャズの神様が「100年のジャズを聴く」の読み込みがまだ足りないとご判断されたのでしょう。笑

マスター。また訪問させていただきますので、その節もよろしくお願いいたします。

【駐車場:無、喫煙:可】

(注1)このお店でかかっている音源が有線でそのまま流れていることをご存じでしたか?

USENのデジタル音楽放送"SOUND PLANET"「D-51ch ジャズ喫茶いーぐる」がそれ。。。最近、黙って聴いていたら思わずイェ~!と合いの手を入れたくなるような本格的なジャズが流れているお店が増えました。それこそ、オシャレなバーやイタリアン・レストランではなく居酒屋でもそんな経験をして驚いていたのですが、実はこのプログラムだったのかもしれません。ただこれは、「そう?」「聴いてなかった」等と一緒に飲んでいた仲間にあっさり流された苦い記憶でもあるのですが。

(注2)最近ではこのJAZZ絶対名曲コレクションのご監修をなさる等、精力的に啓蒙活動にも身を投じていらっしゃるマスター。。。その著作や各誌紙面でのご発言等をこれまで色々読ませていただきましたが、そのお考えのニュートラルさ、柔軟さ、好奇心の旺盛さ、そしてそのフットワークの軽さに、畏敬の念を抱いておりました。

それだけに、「ジャズ喫茶のマスターは、ジャズとお客さんをつなぐプロであるという自覚が必要で、それには作家と読者をつなぐ編集者的なセンスも必要」「自分の好きな音楽、自分の好みのオーディオを聴かせるのではなく、あくまでお客さんにわかりやすくいい音楽・音を提供」というジャズ喫茶、マスターとしてのご矜持を教えていただいたり、色んな質問に対して貴重なご意見を伺うことが出来たこの時間はとてもエキサイティングで高揚感最高潮。お店を辞して外に出た瞬間、感激で悶絶してしまいました。笑

(注3)今回ちゃんと持ち歩いていたお陰で、前日渋谷でDJをされておられた共著の柳楽(ナギラ)光隆さんのサインもいただくことが出来ました!

あとは残りの一人、ジャズ評論家の村井康司さんにお目にかかることが出来る日を楽しみにしています。


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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