今度来てもらった時には、もう店はないかも。
マスターがポツリとおっしゃった。
それは、今日も本当に楽しかった!来て良かった。
大満足でマスターに「今日もありがとうございました」と言った時のこと。
ここは、福岡・小倉のJazz Street 52さん。開業57年目の老舗ジャズ・スポット。
正直なところ、この台詞、コロナ禍で常連さんのご来店が激減した頃から何度も聞いてきました。
でも、その頃は「何とか55周年は迎えたい」という目標があった。
55周年を越えてもまだ、新宿DUGに中平穂積さんがおられた。
でも、今となっては状況が違う。
昨年末、その中平さんがご逝去。
中平さんは、マスターの大学時代からのおつきあいで、心から敬愛され、56年の長いマスター人生の中で、心の支えでもあった方。
考えてみればその他にも心が折れること、多数。
長年の仲間だった直木賞作家にしてジャズ・ピアニストだった原 尞さんもご逝去。
55周年記念ライブにご出演いただいた渡辺香津美さんもご闘病中。
今年83歳をお迎えになられるマスターの体調は決して万全ではない、等々。
とは言え、わざわざ岐阜・中津川に異動した今でも、機会を作って通い続けているのは、このお店でしか味わえないもの(注)がたくさんあるから。
このお店がなくなったら、本当に困るんだけどなぁ。。。
あぁ、悲しい。。。
と思いながら、「出来るだけ通います!」と言って、お店を後にしました。
そして、翌晩。
当初の予定を無理やり大きく変更して、連チャン。
驚きながらも喜んでくださるマスター。
このお店と巡り合うことが出来た幸せをしみじみと噛み締めながら、このお店ならではのジャズを思う存分、浴びたのでした。
そう。。。皆様お気づきのとおり、今日はエイプリル・フール。
果たしてこの記事が本当なのか、それともウソなのか?
毎年同じようなことを書きますが、信じるも信じないも、貴方次第。
ですが。。。
ジャズが熱かった時代のど真ん中を走り抜いて来られたマスターが営む、もう二度と現れようがないお店
「古き良き日本のジャズ・スポット※1」をまだ味わうことが出来る、今となっては極めて希少なお店
それがこのお店 Jazz Street 52
全国のジャズ屋巡り趣味の方はお急ぎを。
「いつまでもあると思うな、ジャズ・スポット」です。
※1「古き良き日本のジャズ・スポット」にはお作法があります。
また、そのお店毎に、特有の注意事項があったりします。
もしこのお店をご訪問なさるのであれば、必ず、下記【注意事項】をお守りくださいませ。
マスターの血圧を上げるのは、決していいことではありません。
心からお願い申し上げます。
【注意事項】
① もし誰もお客がいなくても、カウンターは避け、後ろのテーブル席のど真ん中にお座りください。この席の音がいいことは保証いたします。
② 但し、マスターから「こっちに来たら?」と勧められた場合は、素直に従ってくださいませ。
③ こんな方は、ご訪問されない方が無難です。
・マスターとおしゃべりがしたい方、知っているアルバムを聴きたい方:
リクエストは原則禁止。マスターのジャズを黙って楽しむお店ですので。
・「通常のサービス」を少しでもご期待なさる方:
お元気そうに見えても、マスターはジャズ・スポット界における長老のお一人です。半世紀以上、お店を続けておられる方です。体調が悪い時もあります。ご機嫌が悪い時もあります。愛想がない、サービスが足りないとお感じになられても、リスペクトの念でお許しください。
その他、様々な要因でご不運な目※2に遭われた方が、ネットで悪口をご投稿されておられるのもよく目にします。
それでも、私の様にこのお店に魅入られたファンが多くいるのも事実です。
初めてご訪問され、感激された方が多くいるのも事実です。
風光明媚な観光地に行く時に「雨が降ったら、その時は残念!」と笑い飛ばせる余裕・覚悟を持っていただけたら、それよりご満足いただける確率は高いと思います。
※2 特に多いのが、たまたま多くの常連さん、それも随分久しぶりに来られた昔の常連さんがご来店された時の不運。マスターも嬉しくて、ついその会話に夢中になられ、その結果、初めて来られたお客さんが憂き目に遭う。こんな時は、肝心のジャズもちゃんと聴こえないでしょう。あれもこれも腹立たしいことだらけで、不愉快極まりないことでしょう。
でも、そんな時は「運が悪かった、雨が降っちゃった」とあっさりお諦めください。
かく言う私も、これまでに何度かそんな日がありましたが、そんな時は、「80歳超のマスターにとっては、貴重な嬉しく楽しい時間だし、しゃあないわなぁ」と早々に諦めて退散。お気に入りのラーメン屋に直行し、その美味さに酔いしれておりました。
何があっても、「これもジャズ」と笑い飛ばすことさえ出来れば、それはそれで、小倉は満足出来てしまう街でもあるのです。
(注)このお店でしか味わえないもの
・ジャズはその時代の熱気と共にあるもの。このお店のレコード/CDは、マスターが発売当時にご購入され、長いお店の歴史の中で残ってきたマスター・セレクトの名盤揃い。その幅の広さ、深さ、そして、そのセンスの良さに、いつも痺れっぱなし
・他のお店では聴けないジャズが多く、次は何かな?これは何?!と未だにわくわく出来ること
・多くのレコードに、今となってはレジェンドとなった演奏者本人のサインがある歴史の重み
・これも重要ですが、初めて聴いた人はこのシステムで?!と驚く音の良さ
・そして何より、心ゆくまで、ジャズを浴びることが出来ること
【ご参考】このお店を紹介した他の記事も併せてご覧くださいませ。
0コメント