田中香織クラリネット・リサイタル@第34回 直方谷尾美術館室内楽定期演奏会

先日また、 直方(ノオガタ)谷尾美術館室内楽定期演奏会に行ってきました。

今回は「九州の音楽家シリーズ8」と題された田中香織クラリネット・リサイタルで、「バロックから私たちの時代の楽曲で祝うベートーヴェン250歳~10夜のオマージュ2019-20年」の第2夜。

演奏の途中で急病人が出て救急車で運ばれるという思いも寄らないアクシデント(注1)があったにも関わらず、その動揺を乗り越えた感動的な演奏会でもありました。

今回、田中さん、山澤慧さん(Vc)、仲地朋子さん(p)という全メンバー三人で演奏されたのは、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲 第4番 「街の歌」と、ブラームスのクラリネット三重奏曲の2曲。

私はこれまで室内楽への関心が薄かったこともあり、三重奏をナマで聴いたのは初めてでしたが、この三人の対話の妙!

ジャズは対話が大切とはよく言いますが、クラシックでも同じことが感じられるなんて。。。ずっと一緒にやっている弦楽四重奏団やDUOぐらいならまだ理解出来るのですが、滅多に一緒に演奏することのないはずのこの三人が繰り広げたこんな演奏を目の当たりにすると、驚愕、と言っていいレベルの衝撃でした。


そして、この日はこれだけに留まらず、クラリネットのソロとチェロのソロが1曲ずつ。。。これが私にとっては忘れられない演奏となりました。

まず1曲目は、ティベリウ・オラフのクラリネット独奏のためのソナタ

田中さんが演奏前の曲目説明で、「現代奏法がたくさん出てくるのでとても難しい曲ですが、頑張ります」と言って笑いを取られましたが、クラリネットの豊かな表現力を最大限に生かしたこの作品で、ホール中の空気を完全に支配。お陰で、すっかりこの曲のファンになってしまいました。笑


次は、國枝春惠 「エレジー」~独奏チェロのための (1990)

どこか武満徹氏の作品を思わせるような澄み切った空気感、高い精神性を感じさせるこの曲ですが、山澤さんは当日お越しになられた作曲者の國枝先生を前に気合のこもった大熱演をご披露。。。ところが、前述のアクシデントにより最後の約30秒が演奏出来ないという非常事態が勃発!

最後まで聴けずに残念だと思っていたのですが、國枝先生が休憩時間中に急遽作られた短縮版をアンコールで見事に弾き切った山澤さん。

レベルの高い演奏者と作曲家の見事なコンビネーションぶりに心から感動した次第です。

ということで、私が聴きに行くようになってからまだ3回目とは言え、世に名高いあのTV番組ではありませんが、「ホンマ、すべらんなぁ」と本気で感心すると共に、次回(注2)も楽しみにしたいと思いました。

最後に、写真・プログラムの転載をお許しいただきました渡辺さんに感謝申し上げると共に、この定期演奏会の今後ますますのご発展を祈念いたします。


(注1)この急病人に対する対応の迅速さが実に感動的で、たまたまご来場されておられた定期会員の医師2名と美術館の職員の方が駆けつけられ、救急車が到着する頃には意識のある状態にまで復活。

応急手当の大切さをまざまざと感じされられましたが、その一方、じっとその経緯を見守り続けた観客の意識の高さにもびっくり。。。前回の(注1)で書きました「直方谷尾美術館室内楽定期演奏会の何がそんなに素晴らしいのか?」に思わず追記したくなりました。


(注2)次回のベートーヴェン250歳「第3夜」

2019年5月19日(日)17時開演 第35回直方谷尾美術館室内楽定期演奏会

「九州の音楽家シリーズ9」Ensemble+PLUS ボロディン 弦楽四重奏曲第2番他

これまでの直方谷尾美術館 室内楽定期演奏会の記事

第32回クァルテット・エクセルシオ

第33回長谷川彰子(Vc)&入江一雄(p)リサイタル

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九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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