ストラビンスキー(1882-1971)の代表作 バレエ音楽「春の祭典」。
Wikipdiaを検索してみたところ、一番面白かった記述は、「現在主に使用されるのは1967年版」というところ。。。ということは、初演の1913年から54年後(85歳!)に改訂し、そこからまた半世紀以上が経ったということ。
とても100年以上も前の曲だとは思いにくいですが、パリのシャンゼリゼ劇場で行われた初演の指揮がピエール・モントゥーで、客席にいたのが、サン=サーンス、ドビュッシー、ラヴェル達であることを考えると、やはりそんなものでしょうか?
ちなみにこの音楽史上の著名人達のこの時の年齢を調べてみたのですが、ストラビンスキー31歳(1882-1971)、ピエール・モントゥー35歳(1875-1964)、サン=サーンス78歳(1835-1921)、ドビュッシー51歳(1862-1918)、ラヴェル38歳(1875-1937)とのこと。
こうして眺めてみると、生まれた年より死んだ年によってイメージが随分違うことがわかり、面白いですし、冒頭部分を聴いただけで席を立ったとその部分だけが伝説的に伝えられているサン=サーンスですが、80歳近いご老齢だった訳で、「そりゃ、こんな革新的な曲、受け入れられる訳、ないでしょ!」と思わず笑ってしまいました。
私がこの曲を初めて聴いたのは、クラシックを聴き始めたばかりの中学2年生の時。運命、未完成と聴き進んだ後の3曲目でたまたま聴いたNHK FMで巡り合ってしまったのですが、もう大興奮。。。クラシックって、こんなロックみたいな曲もたくさんあるんだ!とかなり極端な捉え方をしてしまったのも、今となっては懐かしい話です。
懐かしいと言えば、ズビン・メータさんがロス・アンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団と来日公演するに当たっての新聞広告に「全員総立ちの春の祭典!」みたいな煽り文句もその時代の空気を表していたような気がします。
そしてこの曲の初ナマ体験は大学時代ですが、一世を風靡する前のMr.Sこと、スタニスラフ・スクロバチェフスキさんの指揮で、オケは何とジュリアード音楽院管弦楽団。。。素晴らしく上手かったのですが、上手過ぎるとあの何となく雑然とした雰囲気もなくなり、スッキリした演奏になることが判明。
今にして思えば、昨今の流行りの先取りだったのでしょうが、「きっとストラビンスキーもオケの演奏技術がこんなに上がるのを知っていたら、もっと難しい楽譜を書いたのではないか?」等としょうもないことを考えてしまうぐらい全く感動出来ない苦い演奏会でした。
さて、この曲の名盤と呼ばれるものは、先に挙げたメータ&ロス・フィル盤、超有名なブーレーズ&クリーヴランド管弦楽団盤、アンタル・ドラティ&デトロイト交響楽団盤等々、数多くあるのですが、CDセットが安くなった現在、「春の祭典100周年記念(20枚組38演奏)」なる企画まである始末。。。思わず買ってしまったのですが、とても全部は聴き切れていません。笑
併せて、ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団の演奏、私が一時期ハマっていたKeeping ScoreシリーズのDVDをご紹介しておきます。
先に感動がなかったと書いたジュリアード音楽院管弦楽団より更に整然としているのですが、オケの人数が全然違いました。。。この大オーケストラならではのダイナミクスの幅、その大人数とは思えない緻密な演奏ぶり、ということで、こちらには素直に感動。
また、俯瞰を多用した映像も見応え十分ですが、問題は入手性。どうも、ニコニコ動画では見れるようですが、もし機会があれば是非。
さて、実はここからが本題です。笑
Youtubeを彷徨っていたら、先日、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を勇退したサー・サイモン・ラトルが新たなパートナー ロンドン交響楽団と2017年9月に演奏した演奏が、上記のとおりアップされているのを見つけてしまいました。
大オーケストラならではの重厚感のある昔ながらの、しかも安定感抜群の演奏と、良く出来た映像。。。ラトルさんのどことなくリラックスした指揮ぶりも楽しく、そもそもこの大オーケストラは映すだけで圧巻。また、見どころを逃すまいとばかりあちらこちらに切り替わるカメラ・ワークに最後まで飽きずに見てしまいました。
ということで、これが紹介したくてこの記事を書いた次第ですが、今後ますますのラトルさんのご活躍を祈りつつ(笑)、是非ご覧ください。
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