下関・Jazz Inn Band Wagon(バンドワゴン) ③18/05【ご閉店情報】

下関・Jazz Inn Band Wagon(バンドワゴン)さんが、この2019年6月8日(土)のセッションをもって11年7ヶ月の歴史に幕を降ろされることになりました。

ただ今回のご閉店は、マスターでもあるベーシスト Dizzy(ディジー) 吉本さんの更なるステージ・アップというお祝いムードが漂っているため、一抹の寂しさはあるものの、悲しさはありません。

そもそもマスターご自身、ご閉店の数日後にはロシアに演奏旅行に行かれる等ご多忙ですので、寂しさを感じられるのは随分先になってからではないでしょうか?笑

尚、NHK教育テレビ「ろうを生きる 難聴を生きる」という番組がご閉店の様子を取材されるそうですので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

(放映日時はマスターのこちらのFBでご案内があると思います。)

さて、私が訪問したのは最終日の1週間前、最後のジャズ・ライブとなるYo-RAさん。

Yo-RAさんはこのお店でもお馴染みの福岡を中心にご活躍中のギター・カルテット。

マイク・パフォーマンスも交えながら飽きさせないライブ進行で、店内超満員のお客さん約30名もヤンヤの大喝采。

例えば、次はバラードですと告げられた後、「出来るものなら手拍子いただいても」等と場を和ませた後、演奏できっちり締められたり、その後はジム・ホールの疾走感のある気持ちいい演奏を聴かせていただいたりと変幻自在。

「マスターの新たな門出を祝って」と気持ちを込められたアンコールは、華々しいエンディングでフィニッシュ。

その想いを受け止められたマスターが「いつもこのお店でライブをやる時は雪が降る等、不運に見舞われたこの私の大好きなバンドが、最後にこれだけ多くのお客さんに聴いてもらえて良かった。素晴らしいライブをありがとう!」といったご挨拶をされ、ライブは終了。

そしてその後は、このお店恒例のセッション・タイム。

ここからマスターが八面六臂の大活躍。

常連演奏家さん達からメンバーをアレンジされ、ベースを弾かれ、ご自身が参加されない時はお店のお片づけ。。。それを見守る常連さん達。とても心温まる光景。

常連さんとマスターの交流という意味では、あれほど飾られていたこのお店の色々なものがなくなっていたのですが、それは全てマスターが常連さん達にプレゼントされたから。

その代わりにこの日飾られていたのは、吉本画伯(!)が色紙に描かれた絵。

マスターは最近絵画に目覚められたようで、FBをチェックしているとその様子がよくわかります。笑

その描かれたばかりの色紙もこの日いらっしゃっていた常連さんに請われて気前良く差し上げておられたりと、マスターとこのお店が常連さん達からどのくらい愛されていたのか、目の当たりにした次第です。

それにしても、今回久しぶりにお会いして改めて思いましたが、マスターはやっぱりスゴい方(注)。

耳の病気でめまいがすることからその意の英語であるDizzy(ディジー)を芸名とされたそうですが、そんなハンデを全く感じさせないバイタリティの強さ、生命力の強さ。。。元気をもらえることは確実で、「歩くパワースポット」と言ったら、マスターに失礼でしょうか?笑

またこれは、マスターが一年半程前に太田寛二氏(p)、小林陽一氏(ds)といった錚々たるメンバーと録音されたSo Sorry Pleaseというアルバム。

私が個人的な感想を書くより、評論家の瀬川昌久氏やドラムで共演された小林洋一氏といった著名な方々のコメントをご覧いただいた方が説得力があると思いますので、そのまま掲載させていただきます。

どん底からここまで這い上がられ、そしてまさに今、更なる一歩を踏み出そうとしておられるマスター。

ファンの一人として、このお店でお会いすることが出来た、そして少しではありましたが時間を共有することが出来た縁に感謝しながら、これからもそのご活躍を応援していきたいと思っています。

(注)最初に訪問した時(17/10)の記事の抜粋・転載、少しだけ追記

マスターは病気で右耳が8年前、左耳が3年前に聞こえなくなり、1年前から両耳とも人工内耳に。。。後半のジャム・セッションでは独特な味わい深い歌をアンコールも含めて2曲ご披露されたのですが、実はまともな音は聞こえていないのだそうです。

ネットで調べてみたところ、人工内耳とはマイクで拾った音を電気信号に変換、内耳に送信し聴神経を刺激、この刺激が脳で音声として認識されるという画期的な補助器具ですが、①声の区別がつかない、②たくさんの音を同時に理解できない、③音の方向・距離がつかめない等の問題もあるようです。実際、会話している時にマスターがおっしゃったのですが、私の声自体は3割聞こえているかどうかぐらいで、後は私の口の動き等から理解しているとのこと。会話も歌もほとんど健常者と変わらないだけに、驚きでした。

あと、とても印象的だったのが、聞こえにくくなって良かったこともある、と明るくおっしゃったこと。。。曰く、ベースを演奏する時、自信を持って自分を全面に打ち出すしかないから、だそうですが、このポジティブな捉え方にはただただ感心するばかり。

常連さんにお聞きしたのですが、マスターは両耳人工内耳のベーシストとして世界的にも評価され始めたようで、何とこの数週間前にロシアで公演してこられたばかり。。。サンクトペテルブルグの音楽祭でロシアのジャズピアニストと共演、その夜は市内のジャズクラブでメインで演奏、しかも、それに日本語学校での交流の様子等も併せてロシア国営放送でTV放映(注2)。この写真はその模様の一部ですが、まぁ、カッコいいこと!

大変だったけど、今でも大変だけど、俺はこうして生きているよ。。。そんな無言の応援が聞こえてくるようなマスターの演奏。

逆境にも負けることなく、明るく前向きに生きて来られた、やりたいことに向けて人並み外れた努力をして来られたマスターだけの唯一無二の世界。

それが評価され始めたということだと思いますが、マスターご自身がFBに書かれたお言葉どおり、人生、どこでどうなるかわからないものですね。。。


でも、まずは大きな一区切り、どうもお疲れ様でした。


(注2)ロシア国営放送等の映像はこちらですので、併せてご覧ください。

【駐車場:無(近隣にコインパーキング多数有)、喫煙:不可】


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九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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