エステルハージー・アンサンブル(バリトン三重奏)@西南学院大学コミュニティセンターホール 19/06

先日、エステルハージー・アンサンブルというバリトン三重奏の演奏会を聴きに行ってきました。。。バリトン、ヴィオラ、チェロの三重奏ですが、まずは皆さん、バリトンという楽器をご存知でしょうか?

バリトンは約250年前、ハイドンが活躍していた時代に最盛期を迎えた古楽器で、現存するものはもう既に100台もないのだそうです。

その特徴は楽器の構造から来る美しい音で、W.A.モーツァルトの父親レオポルトが「世界で最も高貴な楽器」と称したらしいのですが、確かにそれもわかる素晴らしい楽器でした。

その形はヴィオラダ・ガンバの運指板が広い感じでその裏に細い弦が走っているのですが。。。それが昇り立つ響きになったり、突如としてハープのような音が鳴り響いたり。

最初はどこから鳴っているのか、何が起きたのかがわからず、びっくりしました。

今回のプログラムはこちらのとおりですが、そのほとんどがハイドンの曲。

今回は福岡・直方で室内楽定期演奏会をご主催されているかんまーむじーく のおがたの渡辺さんと会場で一緒に聴かせていただいたのですが、色々教えていただき、とても勉強になりました。

特に面白かったのは、ハイドンのバリトン三重奏曲におけるビオラの重要性が意味するところ。。。バリトンを担当するのはハイドンの雇い主 ニコラウス1世・エステルハージー侯で、一番難しいビオラをハイドンが担当し、頼れるチェリストと共に、雇い主に気持ち良く演奏してもらっていたのではないか?というお話。少なくとも、そのバリトン三重奏曲は126曲あるそうなのですが、ニコラウス1世侯の好きな調性が一番多かったのは事実のようです。

こんなにまとめてハイドンの曲やその時代の室内楽曲を聴いたのは初めてでしたが、このメンバーはその売りであるバリトンという楽器の魅力が無くとも満足出来るぐらい素晴らしく調和の取れたアンサンブルを魅せつけ、その美しさ・楽しさにすっかり魅了されました。

また、ライブ終了後も、バリトンの公開写真撮影会や今回の来日記念CDのサイン会等、嬉しい企画があり、とても充実した時間でした。

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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑