【紹介:ジャズ・ピアニスト後藤浩二氏のご両親の店】宮崎・cafe take5(テイク・ファイブ) 22/06

宮崎市内の隠れ家カフェ・レストランとして、もうすぐ30年になるcafe take5(テイク・ファイブ)さん。

ご子息は、名古屋を拠点として活躍中のジャズ・ピアニスト後藤浩二さん。

(下の写真は、今回のお店訪問2日後!に聴きに行ったThe EROS@熊本・酔ingにて)

その多彩で柔らかいタッチと立ち昇る音の美しさ等が特徴的なこのピアニストを育てられたご両親が、地元宮崎に戻って、始められたのがこのお店。

今回の久しぶりの再訪でも堪能してきましたが、ともかくママの作る素朴な味わいがしみじみ美味しいランチは最高!

お客さんに精神的な安らぎと安全な食を提供したいというお考えから、ランチの材料の大半が自家製。

営業時間はランチ・タイムから15時頃までと短いのですが、その後もマスターは農作業等があるので、休む間もなくご多忙。。。その信念の強さにはいつも敬服させられます。

そんなマスターとママの相好が崩れっぱなしなのが、後藤浩二さん&jujuスミレさん(vo)ご夫妻がこのお店でご開催される「親孝行ライブ」。

常連さん達も楽しみにしておられる take 5 特製弁当付きのスペシャル・ライブで、サービス精神旺盛な二人が繰り広げる名曲の数々。

またここぞという聴かせ所をしっかりと聴かせるその見事さ。

ただ、楽しいだけで終わらせない辺りにさすが!と唸らされました。

その他の数々の逸話、この店のオーディオが奏でるピアノの美しく澄んだ響き等については、後述の初訪問時の記事をご参考ください。


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【以下、初回訪問時2017/11の記事を転載、22.10.06一部追記/改訂・写真追加】

JR宮崎駅から車で約15分、閑静な住宅街をちょっと抜けた所にあるcafe take5(テイク・ファイブ)さん。

広い敷地内に建てられたきれいな建物と広い駐車場、鮮やかな緑の芝生も美しく、いいお店だろうなぁ、という期待が高まる反面、本当にジャズ喫茶?という疑問も。

ちょっとドキドキしながら中に入ってみると、想像以上に広くて明るい清潔感いっぱいのフロア。穏やかに流れるジャズ・ピアノの音、マスターご夫妻の応対も含めてとても雰囲気のいいカフェ・レストラン。

ランチタイムに行ったこともあり、ジャズ愛好家ではないお客さんが大勢いらっしゃいましたが、それもよく理解出来ました。

そのお客さん達が食べておられる定食、さすがに写真には撮れませんでしたが、とても美味しそう。

次回のお昼は絶対ここで食べよう!と心に誓いつつ、店内左端にあるカウンターに座らせていただき、珈琲を注文。

前日、70歳のお誕生日を迎えられたとおっしゃるマスター。

その会話は少しぎこちない感じで始まったものの、そのご子息がジャズ・ピアニスト 後藤浩二さんとわかってからは一変。【後藤浩二さんの公式HPは、こちら

その拠点である名古屋で、彼がレギュラーでライブを行っているジャズ・バー マイルスさんが私の行きつけのお店というその不思議な縁をお伝えした瞬間、もうお互いに、親近感マックス!

もはや、とても初めてお会いした方とは思えなくなっていました。

その後は色々なお話を楽しく聞かせていただきましたが、一番印象的だったのは、子供をピアニストにしたくて、色々考えて実行され、そしてその結果をちゃんと残されたこと。

小さい頃から浩二さんにはともかく色んなものを聴かせ、本物しか与えなかった、ピアノもグランド・ピアノしか触らせなかった等々のエピソードをお聞きして、マスターの夢を達成するまでの計画性、実行能力には本当に驚かされました。

また、同じように印象的だったのが、お客さんに精神的な安らぎと安全な食を提供したいと考えて作られたというこのお店について。

開業以来22年間、特に宣伝もせず、HPにも情報をアップせず、更にはお店を道に面して作らなかったのは全て、隠れ家を探し出す楽しみをお客さんに提供したいから。

これはお客さんに如何に楽しんでもらえるか、気持ち良く過ごしてもらえるか、友達に教えたくなるお店に出来るか等を考えられた結果の一つらしく、理想に向けて物事を理路整然と考えて実行されるマスターらしいなぁ、と微笑ましく思いました。

その流れから九州ジャズロードに掲載されていることについてお聞きしたところ、詳細は省きますが、本意ではなかったとの旨をおっしゃるので、「そうでないと私も訪ねられなかったので、ありがたかったです」「それに、場所もグーグル・マップで検索したらすぐに出ますよ?」とちょっと意地悪に反論してみたところ、「そうなんだよねぇ」と、マスターが実に残念そうにおっしゃったのは印象的でした。

ただ実際のところ、ずっと通勤でこの前を通っていたんだけど、どうしても気になって入ったのがキッカケ、とカウンターで居合わせた常連さんもおっしゃっておられましたし、後は口コミで来られるお客さんが大半でしょうから、マスターの思惑どおりなのでは?

時間の経過と共に徐々にランチタイムのお客さん達がお帰りになられ、お客さんが私一人になった時点で、ようやくご自慢のオーディオ・システムのボリュームを上げていただきました。

メイン・スピーカーはこのジャズ・ロード巡りの中ではお馴染みのJBL4343。ただ、他のお店と明らかに違う所が2点。一つ目はスーパー・ツイーターが取りつけられていること。もう一つは、それが2セットあり、それぞれがマーク・レビンソンやスレッショルドといった別のドライブ系統で鳴らされておられること。またその他、部屋の音響やアクセサリーももちろん十二分にご配慮されており、床は響きの良いカリン、天井も吸音を考慮された三層構造。

そして全て最後は、マスターが耳で決めたとおっしゃるその音は。。。

その基準にされたというピアノの音・響きがともかく群を抜いて素晴しい!

コンサート・ホールで聴くピアノのようなその澄んだ響きの美しさにあまりにも感心したので、先日、別府のFUNKさんでもお願いしたルース・スレンチェンスカのCDからショパンのバラードを掛けていただきましたが、やはり見事!

時間さえ許せば、いつまでもその素敵な響き・音楽に身を任せていたいと思わされた昼下がりのひとときでした。

自家製の野菜等も売られているという点でもユニークなこのお店、定休日が日曜・月曜、かつ、営業時間もランチタイムから15時までということで、ゴルフ遠征のついでにちょっと伺うといった訳にはいかないのが非常な難点です。

でも、このマスターと底抜けに明るいママには是非また会いに行きたい、もっとじっくり音楽を聴きたいと心から願うのもまた事実。

うまく時間を作って、また再訪したいものです。マスター、そしてママ、その節はまたよろしくお願いいたします。

【駐車場:有、喫煙:不可】


その他のtake 5さんの記事 ②20/06



※このお店は弊著「九州ジャズ・ガイド 第②号( ↓ )」にも掲載されておりますので、よろしくお願いいたします。(途中のサインの入った写真はこのお店の紹介頁ですが、ご家族3人のサイン入りのレアなものとなりました。)

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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑