E.T.SESSION feat.西尾健一@ニューコンボ 18/01

年初めのジャズ・ライブとして、福岡・春吉のJazz Inn New COMBOさんで行われたE.T.SESSION feat.西尾健一(Tp)に行ってきました。

尚、「E.T.SESSION」とはドラムの藤山"E.T."英一郎(トウヤマ "イー・ティー” エイイチロウ)さんがリーダーでセッションをやる時のタイトル。

初めてE.T.さんとオルガンの小森陽子さん(以下、こもちゃん)の演奏を聴いたのは、つい先日、昨年末の門司港・六曜館GIGさんでのDUO でしたが、その時のライブがあまりにも良かったので、また聴きに行ってしまいました。しかも、今回は更に興味津々、期待感たっぷり。

曰く、あのスゴいリズム・セクションにホーンが入ったらどうなるんだろう?

ところが始まってみたら、え???

E.T.さんとこもちゃんが、強烈な音響とアンサンブルで二人の世界を築き上げてしまい、主役だと思っていたトランペットが普通に吹いていたら、全然目立たない???

もしかしてこの二人、単なるリズム・セクションなんかじゃない?ホーンとも対等?少しでも気を抜いたら置いて行く?隙あらば美味しいところは全部持って行くって、こんなセッション、あり?

途中から飛び入りで入ったサックスの浦 ヒロノリさんがまた素晴らしく、僕、この曲知りませんよ、等と言いつつも、我が物顔で主役を張ったそのプレイは実にお見事!

当然ながらライブはますます激化、熱い演奏した方が勝ち、ノリの良さで客のハートを掴んだ方が勝ち。。。

しかし、トランペットの西尾さんもさすがでした。自作の「夜のくまもん(笑)」のサビでおもむろにマイクを掴んで歌った♪あんたがた、どこさ、肥後どこさ~ ごちそうさん!とシャウトされた頃にはすっかり存在感を誇示されておられました。笑

前回同様、親父ギャグを挟みながら、ボソボソとしてどこかおかしいE.T.さんのMCも交えながら進むライブ。。。何でこんな楽しくて面白いライブに客が10人もいないんだろう?もったいない。でも、客の数なんて忘れさせてしまう全力投球の素晴らしいライブ。

やりたい放題、傍若無人、俺について来れる奴だけついてこい!とばかり、一度流れを捕まえたら、その感性に導かれるままどこまでも突っ走って行ってしまいかねないE.T.さん。

でも、そのE.T.さんをも捕まえてしまう、こもちゃん。。。彼女のセッションの中での役割は大きく、でも一方、E.T.さんと一緒になって悪ノリしてしまうお茶目な一面もあり、実に多彩で魅力的。

アンコールはこもちゃん作曲のE.T.B.(E.T.ブルース)。。。何か苦しんでいるE.T.さんを見ながらブルースを書いたら「出来ちゃった」らしいのですが、何故かやけに明るい曲で、カッコいい出だしから最後にまた大きな盛り上がりを魅せて、お祭り、終了!

E.T.SESSION。そこには予定調和的な居心地の良さはなく、謂わば闘いのワンダーランド。馴れ合いの全く存在しない世界。

こもちゃんがうまく入ってくれることを信じて疾走し続けるE.T.さん。期待どおりピンポイントで入るこもちゃん。陸上の日本男子400mリレーの見事なバトンパスさながらの緊張感。その結果生み出される、ほんの少しの緩みもなくどこまでも盛り上がり続ける音楽。どこまでも熱く楽しく、まさにこれぞライブ。一期一会、一発勝負の醍醐味。目からウロコ。次回もまた観戦、希望。。。

実は、門司港・六曜館GIGさんはこのライブの前日、残念ながらお店を閉められましたが、帰り道、他では味わえないセッションの楽しみや、ジャズで大切なのは対話と教えていただいたマスターに改めて感謝した次第です。

(2018.11.11追記)ちなみに、門司港・六曜館さんは少し休まれたものの、18/2にご復活されました。詳細はこちらをどうぞ。


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九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑