熊本 八代・Jazz Bar FIRST(ファースト) ②18/02

前回楽しい時間を過ごすことが出来たお店を再訪すれば、間違いなく初訪問した時より楽しい!今回の九州ジャズロード(初版)踏破ツアーでの楽しみの一つはまさにそこでした。

ということで再訪したお店のまず最初は、前回ご紹介したとおり、365日 台風が来ても朝3時までちゃんと開けるとおっしゃる熊本・八代(ヤツシロ)のJazz Bar FIRST(ファースト)さん

前回たまたま一緒になった神戸からの出張者の方の印象が強烈だったようで、マスターは私のことも覚えていただいておりました。ありがたいことですが、こうなると話は簡単。

しかもこの日は特に寒く、お客さんがほとんどいらっしゃらなかったお陰で、到着した22時過ぎから閉店の27時までほぼ貸し切り状態。

前回は達することの出来なかったマスターの世界にどっぷりと浸かってきました。

特に印象的だったお話をご紹介しますが、まず初めにこのお店のマスターと言えば、コルトレーン。。。何せこの方は、正月を迎えて一番初めにされることがその名盤「至上の愛」を聴くことだそうですので。

昨年末、北九州・黒崎の風土さんでクレッセントを教えていただき、苦手意識は払拭出来たものの、とある理由(注1)から自宅では聴き込むことが出来ず、そのレベルで留まっていたコルトレーン。その現状をお話して、次のステップへのレベル・アップ講座をお願いしたところ、じゃあ、とおっしゃって始まりました。

1957年頃のラッシュ・ライフと63年のクレッセント、そして、65年のトラジッション(変遷)を聴かせていただいたのですが。。。それぞれスゴい演奏には違いないものの、その音色・吹き方、もっと言えば音の持つパワー、心への響き方が同じプレイヤーだとは全く思えず、後年になるに従い、聴き手側が強いられる緊張感の度合いがどんどん増していっているのにはびっくり!

どれもコルトレーン。。。好き嫌い、馴染める馴染めないは別にして、すごい速度で変貌していった天才プレイヤーがいたことだけは強烈に認識出来ました。

個人的には、ラッシュ・ライフとトラジッション、それぞれもっとじっくり聴いてみたくなったので、今度こそ、腰を据えて聴き込んでみたいと思います。

ちなみに話がちょっと逸れますが、この会話の中で「お葬式では『至上の愛』を流して欲しい、いや、でも『トランジション』も捨てがたい」と真剣に悩まれるマスターに「はいはい、どちらも流しますよ」と軽く受け流されるママ。本当に仲の良いいいコンビです。

次は、マスターがNo.1トランペッターとおっしゃるクリフォード・ブラウン。

太くて立ち上がりのいいトランペット。カッコいい!ということで、こういう夭逝の天才がいたことについては単純に楽しく体験させていただいたのですが。。。次の天才の名盤は緊迫感の塊。

キース・ジャレットのケルン・コンサート。この録音した会場の緊迫感が夜更けのファーストさんでまざまざと再現。誰も一言も発することもなく、黙ってA面を聴き通しましたが。。。いやいや、疲れました。

それにしても、スゴい緊迫感の後に訪れるカタルシスはクラシック特有のものかと思っていましたが、ジャズにもあるのだと、先のコルトレーンのトラジッションと併せて思い知らされました。

その他、ヴィーナス・レコードというCDでもレコード並みに音がいい日本のレーベルを教えていただいたり、オーディオ談義でこのお店でお使いになられておられるインシュレーター、ソメイヨシノと山桜の違いについて教えていただいたり(注2)している内に、早いものでもう閉店30分前。。。

最後に、ということで、この立派な蓄音機でSP盤のガレスピー等を聴かせていただき、何故かフィナーレは明るく楽しい笠置シヅ子の買い物ブギー!

閉店時間の27時を過ぎ、御礼を述べて店を出ましたが、外は芯から冷える寒さ。。。

ただそのお陰で、一人では聴き通すのが難しい名盤をずっと一緒に聴かせていただき、それぞれの盤の聴き方のようなものを学ばせていただきました。

このお店が近ければ、ライブの日にご自慢のライブ用PAの効果確認も兼ねて伺いたいと思いますし、一度ご自宅のシステムもお聴きしたいとも思うのですが。。。

いずれにせよ、今回もどうもありがとうございました。


(注1)クレッセントを自宅で聴き込めなかった理由、それは録音。ジャズ・ファンはよくご存じだと思いますが、見事に左にコルトレーン、右に残りのメンバーと分離されていて、ジャズ喫茶/バーで大音量で鳴らすのなら全く気にならないのですが。。。自宅でボリュームを控え目にして聴くと真ん中に何もないという現象が起き、気持ち悪くてとても落ち着いて聴けません。しかもこれはクレッセントだけでなく、ステレオの初期盤にはよくある録音スタイルのようで、現在対策を検討中です。。。ちなみに今の最有力案は、ステレオ感を無くして鳴らす別のシステムを作ること。JBLの小型スピーカーでも買ってやってみようか等と夢想したりして、久しぶりにオーディオ・マニアっぽい楽しみも味わっています。

(注2)インシュレーターとして使うソメイヨシノと山桜の違い。。。ソメイヨシノは柔らかいため、スピーカーの下に敷くと低音が這い、山桜は堅いのでピアノやオーディオ機器の下に敷くと音が飛ぶそうです。

【駐車場:無(近辺にコインパーキング多数有)、喫煙:可】


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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