山本恵理(Pf)&宮崎真司(G) DUO@おくら18/08

熊本・おくらさんで行われた山本恵理さん(Pf)宮崎真司さん(G)のDUO(STEREO EQUIPMENT Vol.6)に行ってきました。。。とてもいい感じ、だったのですが、終わってみるとどんな人達が演奏したのか何だかよくわからない、「仮面舞踏会」ならぬ「仮面ライブ」?これまでにない不思議な感想が残ったライブでした。

もうNYに渡られ23年になるというピアノの山本さんは作曲家でもあり、ギターの宮崎さんはNYで山本さんに作曲を学ばれたという不思議な関係のこのお二人。。。しかも、その出会いが宮崎のJazz Spot LIFE TIME(ライフタイム)さんだったというのも、妙にワールド・ワイドな話です。

MCは大半が山本さんでしたが、ほんわりした語り口と関西イントネーションがそのままピアノの演奏スタイルにつながっているように思えました。

「私は何でも形から入るのですが、モンクが好きで大きな指輪を買って演奏に臨んだらモンクになれると思ってやってみたのですが、単に邪魔で1日でやめました」

「エヴァンスも好きであの猫背で弾いたらエヴァンスになれると思ってやってみたのですが、体を痛めたのですぐにやめました」

共にオチは「自分のスタイルを貫かないとダメだと気づかされました」だったのですが、この他にも取り上げられたスタンダード曲(注1)は見事に山本ワールド。

立ち昇るピアノのきれいな響きを大切にされておられる一方、途中、そこかしこに覗かせるお茶目なフレーズ、音使い、音色。ギターとの対話、ツッコミ等々、実に楽しい!

そんな山本さんのオリジナルは色彩豊かできれい。。。中でも「最近外国に行く機会が多く、『生きてるだけで丸儲け』と思うことが多くなった(注2)」とおっしゃって始められた「Life」はとても優しくて元気の出る、懐かしくて新しいメロディ。素晴らしかったです!

一方のギターの宮崎さんはもっとエフェクトを使ったアヴァンギャルドな演奏が得意なギタリストらしくご自身の土俵ではなかった(注3)ようですが、さすがに山本さんの世界に合わせた演奏ぶりはさすが。

山本さんがスペインの乾いた空気の中で見た街路樹に立ち並ぶオレンジの樹の強烈なオレンジと緑の対比を描いたというオリジナル曲「エル・ソル(太陽)」でのギターとピアノの掛け合いや、宮崎さんご本人のオリジナル曲も含め、楽しいプレイを聴かせていただきました。

さて、ここまでなら、何がわからなかったの?十分に楽しんでるじゃない?となるのですが、問題は最後の山本さんのオリジナル曲「You Are Welcome

みんなが Thank you and you Are Welcome! と言えたら、もっとみんな幸せになれるのに、との想いが込められたこの曲ですが、そこまでの流れと全く違って、何とも男前なピアノ!しかも、ギターまでベースっぽい伴奏から一転ピアノに絡んだり、エフェクトも多用されたりして、やたらとカッコいい!もしかしてお二人とも、本領はこっち???

それまでのふわっと柔らかい世界のギャップに疑問符が残り、もうちょっと聴かせてもらえないと。。。そんな後ろ髪が引かれるような想いの残った珍しいライブでした。

(注1)この日取り上げられたスタンダード曲は「Alice in wonderland」「Summer time」「Autumn leaves 」等

(注2)道を挟んでアイルランド国旗とイングランド国旗が立ち並び、ライフルを持った分厚い防弾ジャケットの警官達がいるアイルランドのベルファーストのお店でライブをされた時のお話。険しい表情のお客さん達が見る見る間にその音楽で表情が柔らかくなるのがわかったのだそうです。

これは、宮崎さんもよくご一緒されておられる私の大好きなピアニスト 園田智子さんのお言葉ですが、やっぱりジャズは言葉、なんですね。

(注3)宮崎さんの今年の5月に出した3枚目のオリジナル・アルバム「April」を聴かせていただいての感想ですが、ギターの響きの面白さを追求されておられるのでしょうか?こっちの世界のライブを聴きたくなりました。

汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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