告井延隆 アコギ1本でビートルズ@熊本 大津・ハロー通り18/08

告井延隆 アコギ1本でビートルズ」を聴きに、熊本 大津・ハロー通りさんに行ってきましたが、やっぱり、マスターのおススメ・ライブに外れなし。

ちなみに前座として、地元のギタリスト 小西佳太さんの演奏があったのですが、ちゃんと聴かせるオリジナル・ギターソロ曲(天狗倒し、望星等)でびっくり。才能豊かな若い人の多いこと。なかなかその発表の場がない彼らにその場を提供するというマスターの新たな素敵な試みに「いいね!」1票です。

さて、知る人ぞ知るこの告井延隆(ツゲイ ノブタカ)さん(注1)の別名「ビートルズのギター弾き語らず・ワンマンバンド」ですが、ここまでレベルが高いと、もはや「芸術」。

ビートルズ4人の演奏を歌から楽器まで全て1本のアコースティック・ギターで表現すること自体、トンでもない試みですが、その技術だけなら「芸」と言うべきでしょう。

でも、ビートルズの演奏に感動した告井さんがアコギを使って「告井さんの頭で鳴っているビートルズ」を表現されておられる。これは、その風景に感動した画家が油絵具を使って自分なりの風景を表現する芸術「写実的な風景画」と同じではないでしょうか?

まぁ、別に「芸」であっても「芸術」であっても、その演奏に感動出来ることに間違いはありませんが。笑

閑話休題。オープニングは「Sgt.Pepper's Lonely HeartsClub Band」の一部歌詞を替えたテーマ・ソング「Sgt.Tsugei's Only One Club Band」。ビートルズの演奏ではこの一曲のみ歌われましたが、あとはアコギ1本。その後、1stステージはEight Days A Week / Michelle / Here Comes The Sun / Honey Pie / Blackbird / Mother Nature's son / I Will / Julia / Ob-La-Di,Ob-La-Da 等と続けられて、休憩。 

2ndステージはNorwegian Wood / Somethingと進んだ後、客席からのリクエストでAcross The Universe / Come Together / Lucy In The Sky With Diamonds / Ticket to Ride / A Hard Day's Nightを挟んだ後、怒涛のフィナーレに向け、Taxman / Eleanor Rigby / Love Me Do / Please Please Me / From Me To You / She Loves You / I Want To Hold Your Hand / I Saw Her Standing There。

アンコールはセンチメンタル・シティ・ロマンス時代の「夏の日の想い出(ダンシング・ミュージック) 」等を歌つきでカッコ良くキメられて、終了。

曲間のMCもビートルズ好きの心をくすぐるネタのオン・パレードで、実に楽しく心地良く進行。

①英語のリヴァプール訛り(エイがアイとなる等。Take the busはタイク ザブス)が歌にも出ている。

②ノルウェーの森の歌詞 Isn't it good, Norwegian Wood.(いいじゃん、ノルウェイの森)という不可思議な歌詞に対する憶測。。。初めは、Isn't it good, knowing she would(いいじゃん、彼女がソノ気だとわかってるなんて)という歌詞だったものの、放送禁止になるからという理由で変えたのではないか?でも、そのお陰で歌詞が引き締まったとも言えるから面白いとのこと。

③クラシックでよく言う「3大B」がその革新性を表すのなら、バッハ、ベートーベン、ビートルズと言う人もいる。

④世の中がまだビートルズを音楽的に低く見ていた時代、指揮者・作曲家のレナード・バーンスタインは「ポール・マッカートニーとジョン・レノンはモーツァルト、ベートーベンに匹敵する」と高く評価していた。

⑤日本のモーツァルトとも呼ばれる中田喜直の名曲「小さい秋」がMichelleの伴奏でそのまま途中まで歌えてしまう。。。もしかしたら、ポール・マッカートニーがパクったのかも?!疑惑。笑

♪誰かさんが誰かさんが誰かさんが見~つけた~という出だしから、♪目隠し鬼さん~と明るく転調する天才的なところまで、ずっとコード進行が同じであることをギターと歌で実演され、会場中、納得。

⑥この告井さんの後ろに掛けられていたタペストリーは、今治タオル IKEUCHI ORGANIC 50周年記念の限定品

⑦ビートルズは人のやらなかったことをやった。アルバムにタイトルを書かない(通称 ホワイト・アルバム)なんて他に誰もやっていないし、色んな発言もそう。

⑧ビートルズのコピー・バンドのお話とやる気のお話

・コピー・バンドの楽しさはビートルズになったような気になれること。だからそこに存在するのは、楽器担当ではなく人物担当。ということで、仮称ヨシオくんに対する注意も「ヨシオ!そこ違う!」ではなく、「ポール!そこ違う!」。笑 

 ・I Saw Her Standing Thereは、ポール・マッカートニーがベースでボンボンボンボン~と演奏しながら歌うことになるが、これは別のメロディを同時に演奏することになるので、とても難しい。その一方、一番最後にバンドに入ってくる初心者の担当楽器がベースなのもよくある話。でもそこに存在するのは、楽器担当ではなく人物担当なので、ポール役はこれをこなさければならない。ただ、半年もしない間にこんな難しいことが出来るようになる。

・人間のやる気は何でも可能にすると思った。

告井さんが描き出すビートルズには本当に4人の演奏が聴こえるし、何よりレコードから聴こえてきていたあの空気感がリアルに感じられるのは驚愕。。。ビートルズ愛から、その上質なポップスの世界を「そのまま表現」することだけを考えられた成果。

この衝撃は聴いてみないと絶対にわからないと思いますので、上のYoutube「ほぼ日刊イトイ新聞(注2)の予告/告井延隆の ひとりビートルズがやってくる! ヤァ!ヤァ!ヤァ!」を是非一度、ご覧くださいませ。


尚、告井さんのCD「SGT.TSUGEI'S ONLY ONE CLUBBAND(注5)」は3枚あるのですが、どのCDにもこの日聴いて良かった曲や聴きたい曲が入っており。。。迷った挙句に大人買いしてしまいました。

でも、全部買って良かったです。この日、聴いた曲でも「やっぱりスゴい!」と感動新たに聴けましたし、更には聴けなかった名曲もたくさんありましたので。


(注1)告井さんはロックバンドセンチメンタル・シティ・ロマンス(注3)の元リーダーで、加藤登紀子さん等のバックバンドも務められておられますが、あの大瀧詠一さん(注4)の弟子に当たる方で今年68歳。

尚、TV「奇跡体験!アンビリバボー(2016.6.30)」で放映されたのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、1995年、加藤登紀子さん達と移動中にハイジャック事件に巻き込まれ、犯人逮捕に向けてご活躍されたのもこの告井さん。

(注2)その他、「ほぼ日刊イトイ新聞」に告井さんのライブの様子等も紹介されていましたので、こちらもご覧ください。

(注3)センチメンタル・シティ・ロマンスは1973年の結成以来、現在も活動中で、告井さんは40周年の2013年に脱退。本当はこの翌日、久留米で行われる結成45周年ツアーに5年ぶりにゲスト出演されるご予定だったのですが、ヴォーカルの中野督夫さんがクモ膜下出血で緊急入院されて、延期になったとか。。。まぁ、命に別状はなく幸いでしたが、レジェンドの皆様、お体にはくれぐれもお気をつけください。

(注4)告井さんについて、大瀧詠一さんの弟子という観点で書かれたブログがありましたので、併せてご紹介しておきます。(その他、鈴木茂さん、伊藤銀次さん、山下達郎さん、大貫妙子さん、坂本龍一さん、吉田美奈子さん、伊集加代子さん、鈴木雅之さん、杉真理さん、佐野元春さん、井上鑑さんについてもその前後に記述されておられます。)

(注5) SGT.TSUGEI'S ONLY ONE CLUBBANDの1stアルバムをリリースされたのは、今から10年前の2008/3。その後、2nd(2010/3)、3rd(2012/3)とレパートリーを広げられ、今に至るようです。ちなみにこの日演奏された中で下記にない曲は、Julia。ということで、次の新譜に向けてまだ新規開拓中ではないかと思われ、楽しみにしています。

1st Album(2008.03.25 TSCS-0011)

Can't Buy Me Love / Drive My Car / Norwegian Wood / Eleanor Rigby / Girl / In My Life / Blackbird / Honey Pie / Martha My Dear / I'll Follow The Sun / Michelle / Ticket to Ride / Here Comes The Sun / A Hard Day's Night / I Feel Fine / Here,There And Everywhere 

2nd Album(2010.03.25 TSCS-0012)

Lady Madonna / Ob-La-Di,Ob-La-Da / When I'm Sixty-four / Got To Get You Into My Life / Oh!Darling / Come Together / The Fool On The Hill / Something / Lucy In The Sky With Diamonds / Strawberry Fields Forever / Penny Lane / A Day In The Life / She's Leaving  Home / Piggies / I Will / Mother Nature's son / Taxman / Across The Universe 

3rd Album(2012.03.25 TSCS-0013)

I Saw Her Standing There / From Me To You / I Want To Hold Your Hand / She Loves You / Please Please Me / Love Me Do / Ask Me Why / Don't Bother Me / Till There Was You / If I Fell / All I've Got To Do / Eight Days A Week / No Reply / I Call Your Name / Day Tripper / We Can Work It Out / Help! / The Night Before / Yesterday / I'm Looking Through You 


「クラシック演奏会/ジャズ・ライブ」の目次へ戻る

「九州のジャズ・バー/喫茶のご紹介」ページへ戻る






汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

0コメント

  • 1000 / 1000