浜田知明展 & 村上隆 バブルラップ & 熊本城復興状況 @熊本18/02

熊本・八代のミックのマスターに教えていただいた浜田知明さんの追悼展(無料!)@熊本県立美術館に行き、その後、村上隆さんのバブルラップ@熊本市現代美術館に行ってきました。(併せて、一番最後に熊本城の復興状況も少しだけ紹介いたします。)

浜田知明さんは反戦的なモチーフで世界的な版画家ですが、今、展示されているのは第Ⅲ期ということで、それ以外のモチーフのものが大半。

この「アレレ(1974)」という見た目もそのままの作品は、子供にも人気とか。

無料ということもあり全13点の小さな展示で、美術館のHPでもどこにその案内があるのかわからないぐらいの扱いですが、やっぱり本物を見ると違います。

更には、2015年にこの美術館で行われた「浜田知明のすべて」という展覧会のカタログにも掲載されていた浜田さんの作品毎のインタビューを作品の横に展示してくれているので、わかりやすいことこの上なし。

印象的だった作品を以下紹介いたします。

まずこの「群盲(1960)」は、中身のない絵画作品を評論家の一言でいいものだと思い込んでしまう群衆の様を皮肉たっぷりに描いた作品。

この「噂(1961)」も説明不要でしょう。面白い!

この「飛翔(1958)」というみんな気持ち良さそうに飛んでいる中で、墜落しているのもあるという空想的でユーモラスな作品。

この「月夜(1977)」は先に挙げたカタログの表紙にもなっている何とも情緒的で美しい作品。


そして、最後に展示されているのが、核の恐ろしさを描いた代表作の一つ「ボタンB(1988)」。


しかも、この手前に習作的な作品「ボタンA(1988)」が展示されているのは秀逸。

この作品だと、一番右の意思を込めて核ミサイルのボタンを押す人の線は、頭の中をぐるぐる回った後に指先につながり、真ん中の人はちょっとだけ頭を通っただけで指先に。そして、その先の実行ボタンを押す一番左の人は顔すら持たず、その線は頭も通らない。

しかも!頭の中の線がほどけて落ちている。。。お陰様でボタンBの意図がよく理解出来ました。

続いて行ってきたのは、Jazz Inn おくらさんの近い上通りと下通りの間にある熊本市現代美術館で行われている村上隆さんのバブルラップ。

今回、村上さんが「バブルラップ」と名づけたバブル経済期の作品や1990年以降の陶芸等の展覧会ですが、全て村上さんご自身のコレクションというのはスゴい!

村上さんがキュレーター(注1)として提示された戦後の現代日本芸術解釈も興味深かったですが、単純にバブル経済期の日本の芸術をこれだけ一度に鑑賞し、大きな流れとして意識させられたこと自体、大変貴重で面白い経験だったように思います。


(注1)キュレーター:展覧会のコンテンツの収集・配置等、展示に関わる責任者、転じて、情報を収集・整理し、独自の付加価値をつけて発信する人。

ちなみに、この入口右手前にある熊本城本丸の模型ですが、熊本城に置かれていたものを復旧工事で一時移設という形で飾られていたもの。この対比も妙に面白かったです。

写真撮影可能というありがたい展覧会でもありましたので、今回、特に印象に残った作品等を紹介いたします。

展示の対比が面白かったのが、この未来的なカッコいいロボット像と三島由紀夫のふんどし姿の写真(空山基「Sexy Robot_Walking(2018)」、篠山紀信「三島由紀夫「1968 東京」)。

また、日比野克彦さんの段ボールに描かれたNEWZ 5(1985,右手前)と荒木経惟さんの私的写真集「センチメンタルな旅(1971,左奥)」。

その一方、スゴいのはわかるけど、これは芸術作品なのか?!とどうしても悩んでしまう漫画・アニメ的な作品。

例えば、この世界的に紹介され、有名になったBOMEさんのフィギュア作品(「Ko2ちゃん(1996)」、「鬼娘1 by うたたねひろゆき『CANDY TIME』より(1994)」)。

例えば、漫画的なかわいい女の子を描いた作品(くらやえみ「untitled(2018)」)。

更には、風の谷のナウシカに出てきそうなとても大きな作品(山本桂輔「Untitled(2007)」)。

他にも興味深い作品は色々ありましたが、そんな中で圧倒的な迫力を持って魅力的だったのは、初めてナマで見た奈良美智(ヨシトモ)さんのこの作品(「Tell Me Why(1996)」)。

105.0x135.0cmのキャンバスいっぱいに描かれた特徴的であまり機嫌が良くなさそうな顔。

しかも、タイトルが「Tell Me Why」。。。一体何をしでかした?!という想像も含め、かなりインパクトが強い。笑

実物に接してみて、改めて絵画表現における大きさの重要性を実感しました。

尚、今回の展覧会の目玉の一つ、現代陶芸のゾーンと「生活工芸」のインスタレーション(注2)の雰囲気はこんな感じでしたので、紹介まで。

(注2)インスタレーション:1970年代以降一般化した現代美術における表現手法・ジャンルの一つ。鑑賞者に一点一点の作品を鑑賞させるのではなく、空間全体を作品として体験させる芸術。

最後に。

熊本県立美術館が熊本城二の丸公園の敷地内にある関係上、今回久しぶりに熊本城内に入りました。まずは見てのとおり、本丸は修復が出来たように見えますが。。。

その左下の石垣がそのまま放置されている状態?

その他の所も、ともかく石垣修復が大変そう。

こうやって出番を待っている石が元に戻され、金網で押さえられている石垣まで修復されるのはいつの日か。。。

おくらさんや酔ingさん等に来る度、街から見上げ、本丸の工事の進捗状況は認識していましたが、こんなに石垣の修復が残っているとは思っていませんでした。

頑張れ!熊本

震災復興は南阿蘇地区だけでなく、他の地域もまだまだ途上であることを再認識させられた一日でもありました。



汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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