もう先月のことになってしまいましたが、東京 Body & Soulから始まり、静岡・名古屋・神戸に続いて行われた「Gidon Nunes Vaz Japan Tour 2019」の熊本公演。
場所は熊本 CIB(キーブ)さんで、メンバーはギドン・ヌネス・ヴァズさん(tp、フリューゲル)、納(オサム)浩一さん(b)、細川正彦さん(p)、セバスティアン・カプタインさん(ds)でしたが、このツアーの特徴はギドンさんとセバスティアンさん以外はほとんどメンバーが違うこと。
ということで、毎回がセッションみたいな状態で、ギドンさんにとってはハードなツアーだったと思いますが、本当に素晴らしいライブでした。
まず、オランダ人としては低いと言う180cm超のギドンさんはトランペットの詩人という愛称で親しまれているらしいのですが、その長身から楽々と繰り出される美音でしみじみと聴かせるスタイルはまさにその看板どおり。
ただ良くも悪くも、とても28歳とは思えない落ち着きぶりで、数曲だけなら問題ありませんが、全曲がこの冷ややかで美しい表現だけだと少し満足し切れなかったように思います。
ところが、この日のサポートメンバーが強烈に闊達・雄弁だったことから、ライブとしては大成功!
ベースの納さんとピアノの細川さん。。。共に初めて聴かせていただきましたが、基本的に技量の高い二人がタイミングを見計らっては「主役は俺だ!」とばかりに主張し魅せつけ、ドラムのセバスティアンさんがそれらを受け止め、まとめる。
そして、その熱くなったバックの上にひんやりとした色合いのギドンさんがまた軽々と乗っかり、混じり合うといった感じで、聴いている方はもう楽しいの一言。
最新アルバム「There’s No End」の最初の曲であり、ギドンさんが傾倒しているというケニー・ドーハムの遺作「No End」等の鮮烈な美演が映えたのは、これらの熱い演奏があったからこそ。
いずれにせよ、これだけ上手いメンバーが揃うとこんなにセッションって面白いんだと改めて感じ入った次第ですが。。。それはこの日の満員のお客さんも同じ感想だったのでしょうか?
アンコールがスタンディングオベーションというのは、なかなか見られない光景なので、ちょっと驚きました。
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