京都・先斗町にあるMAJORICA(マジョリカ)さんは開業45年の老舗ジャズ・バー。
先にご紹介したJAZZ & WHISKY ハロードーリィーさんを目指して、三条から先斗町の細い小路を下り始めたところ、右手に急に現われた異常に存在感のある看板。
最近、長崎・思案橋のdjango(ジャンゴ)さんや佐賀・伊万里のA-TRAINさん等、「やる気のない看板」続きだったので、一発で私の気を引いたこの看板は秀逸。。。とは言え、逆に「怪しげ」に見えるのも事実。苦笑
更に、その怪しげな感じを増幅するのが、入口左の壁にある「魔女梨華」というジャズ・バーとは思えないような貼紙。
「JAZZ SINCE 1974」という扉の貼り紙に勇気を振り絞り、恐る恐る入口を開けてみたものの、これがまた想定外に暗い。
しかも、その細長く狭い店内は何だかごちゃごちゃ。。。「いらっしゃい!」とマスターの優し気な笑顔がなければ、即引き返しているところでした。苦笑
こんなお店の雰囲気とは全くかけ離れたキャラクターのマスターは「お笑い」好きで、明るくおしゃべりな70歳。
「ジャズは音楽漫才。アチャコ先生も間が大切って、よう言うてはったわ」、「松岡直哉にMAJORCAというアルバムがあるけど、知ってる?でも、うちがMAJORICAって先に付けたし、何よりうちには"i (アイ=愛) "があるわ」等々、何だか楽しいままに流れていく時間。。。でも、油断は禁物。
「これなんか歌詞が心に沁みるから、怨歌かもね」
ニーナ・シモンの奇妙な果実をかけられた時におっしゃったのですが、不意に老舗のマスターらしい一言が飛び出し、ドキッとさせられます。
マスターがご開業された45年前と言えば、気合の入ったジャズ喫茶がまだまだあった時代。。。そんな中で25歳の若いマスターが目指されたのは、カッコいいジャズを誰でも気楽に楽しめるバー。
また実際にその狙いは当たったそうで、多くのジャズ☆スポットが閉店していく中、40年以上残っていることからも、その先見性は明らか。
そういう意味では、今流行りのお店の先達ともいうべき存在ですが。。。
ふらっと行って、ジャズのレコードを聞きながら、関西人の魅力満載の明るいマスターと気軽に過ごせる京都・先斗町の老舗ジャズ・バー。
こう書くと何だか違和感がありますが、事実です。
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