熊本市内にある珈琲と酒 音楽と本 黒猫さん。
熊本電鉄・藤崎宮駅から徒歩6分、住宅街の中にある一軒家ですが。。。
ともかく、何かとわかりにくいこのお店。
その理由の一つは、場所的なややこしさ。
お店の場所は、知る人ぞ知る「熊本のアメ横」子飼商店街の入口(出口?)から、細い路地に入ってすぐ。
でも、そこへ下の写真のように赤字矢印で誘導するような看板もないので、実にわかりにくい。
そして一番の問題は、パッと見てもじっくり見ても、何のお店かよくわからないその店構え。
外から中の雰囲気も見えないので、興味は持ってもそのまま入るには、ちょっと心理的ハードルが高い。
何せ、私自身、紹介していただいて行った(注1)にも関わらず、入るのに少し根性が要ったぐらいなので。
「ずっと前からこの店のことは知っていたけど、一人ではどうしても入れなかったの!こんなにいい店だったら、もっと早く来たら良かった!!」
これは、ある夕暮れ時に入って来られたほろ酔い3人組※の1人のお姉さんの台詞ですが、「そうでしょう!一人では入れないですよね!」と思わず大笑いしてしまいました。
※子飼商店街の中にあるお洒落なビストロ屋さんでワインを飲んで来られたのだそうです。
ということで、実際には「一歩、中に入ってみれば」すぐにわかるお店。
この雰囲気、好きな人にはどうにも堪らないはず。
薪ストーブが焚かれる冬場なんて、もう最高です。
ご開業されて、もう少しで10年になるこのお店。
マスターはこの近くにある大学のご出身ですが、新聞記者として15年ぐらい勤めた後、この地に戻り、独立された方。まだ50歳ちょっと。
音楽は「いいものはいい」というアングラ系も得意な雑食系ですが、ジャズも守備範囲内(注2)。
マスターご自身は全くそんなつもりではなかったとおっしゃいますが、我々にとってはとても嬉しい「隠れ家」もしくは「秘密基地」。
その居心地の良さから、平日の夜、休日の夕方等々、気の向くまま、足の向くまま、つい寄ってしまうお店。
カチカチ、カチカチ。。。小さく響く振り子時計がゆったり時を刻む中。
JBL4333Aとマッキントッシュの真空管アンプが心地好く鳴らす音楽を聴きながらいただく家庭的で独創的な日替わり定食。
もしくは、まったりと羊羹と珈琲。
夏場はイタリアのアイスコーヒー「シェケラート」も美味。
この個性的なマスターが取り揃えられた本を読んでみたり、与太話をしたり。
喧騒とは全く無縁。
そんな有難い時間をいつもいただいているお店です。
(注1)私にこのお店を紹介してくださったのは、熊本の老舗オーディオ・ショップ アリミズ※のオーナー。ちなみにこのお店のオーディオ・セットは、マスターがアリミズさんに相談し、コーディネートされた品。
※元々はアリミズさんのショー・ルームにあるマーティン・ローガンの奏でる音楽に魅かれて通い出したのですが、今ではジャズ/クラシック/クラシック・ギターを始めとした音楽への造詣も深く、温和で優しいオーナーにも魅かれています。
(注2)ジャズの中でも、私の大好きなピアニスト板橋文夫さんはマスターの得意分野。
お店にCD発売の宣伝チラシが貼られていたので、もしや?と思ったのですが、大学時代に板橋さんを学芸祭に招聘。しかもその九州ツアーで運転手を務めたという縁から、今でもご交流があるという筋金入りの方でした。
ということで、板橋さんの様々なアルバムを聴かせていただいたり、それにまつわる色々な情報を教えていただけることも、このお店ならではの楽しみの一つになっています。
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