【24.3.31追記】
下記はあくまで22/11時点の記事。ここで紹介させていただいた素敵な店長 志田原亜紀さんは既におられず、現在は新たな体制で、従来とは全く違った道を踏み出しておられるようです。
亜紀さんに魅かれて集まっていた旧常連さん達が、初代店主である山下ひかるさんとのつながりがある方々であったことを思うと、これも今まさに進行中の「古き良き九州ジャズ文化の終焉」の一コマ。
何事もなかったかの如く、また新たなシーンが拡がっていくと思いますが、これまで多くのことを教えていただき、育ててきた自分自身のJazzだけはしっかり持ち続けたいものです。
それにしても、亜紀さんのいるいーぜるさん。そこで過ごさせていただいた時間は、とてもとても短いものでしたが、印象的にして、楽しいものでした。心から感謝申し上げます。
亜紀さん、そして、旧常連の皆様、本当にありがとうございました。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
佐世保と言えば、日本一長い、約1Kmもある屋根つき直線アーケード街。
そのJR佐世保駅・アルカス佐世保側の入口にある50年超の老舗JAZZ SPOT EASEL/いーぜるさん。
短いカウンター席とその後ろにあるテーブル席との間隔が狭いことから、逆にこじんまりと温かさが伝わる空間ですが、九州の他のジャズ・スポットにはない特徴がいくつもあるお店。
1.お店
(1) カウンター席の前にある大きなガラス
夜になると、国道を行き交う車の灯りを見ながらジャズに浸れるという極めて贅沢な時間が過ごせる場所。
(2) 天井近くに設置されている重量級スピーカーJBL4343
天井近くに設置されているのが、小型スピーカーならよくある話。
でも、ここにあるのは、重量級スピーカー。しかも、音の扱いが難しいJBL4343。
これで過不足なくジャズ・バーらしい心地好い音が流れているのですから、鳴らす人のセンス次第ということでしょうか?
(3) 風情のあるオリジナル珈琲カップ
佐世保・三川内(ミワカチ)焼の唐子をモチーフにした坊やのイラストが秀逸。
ソーサーにワンポイントで描かれたサックスの絵も含め、私のお気に入り。
2.温かい常連の皆さん
(1) 何故か店内の会話への巻き込まれ率(?)が高い。
いつ行っても常連さんがいて楽しい会話が飛び交っているこの店。
それが店の雰囲気なのか、佐世保の方の気質によるものか、はたまた単なる偶然なのかはよくわかりませんが、いつも楽しい時間を過ごさせていただき、有難い限り。
(2) ジャズ・ドラマー 山近拓音(ヤマチカ タクト)さん
常連さんが自慢する若手ジャズ・ドラマーの逸材で、何と!初代マスターがその才能を見出し、この店で育ち巣立った方とのこと。。。お聞きすればその逸話はいくらでも出てきますので、話題に困ったら、その名前を出してみるのもアリです。笑
3.その他
(1) 20年10月から3代目新体制に移行したお店
(2) 常連がその看板=命を引き継いでいるお店
この形態と言えば、九州では6代約60年の歴史を紡いできた福岡・中州のリーバーサイドが有名でしたが、残念ながら18/11にビル再開発で閉店。私の知る限り、残るのは、このお店だけです。
(3)歴代
初代山下ひかる氏は佐世保サンセット・ジャズフェスティバルの開催等で「佐世保と言えば、ジャズ」というイメージを築き上げた立役者。
20年5月に急逝した2代目の百合永貴氏は初代の相棒だった方。
そして3代目は、ギタリストでもあるオーナーと店長のタッグ体制。
(4)現店長さん
このお店の30年以上の常連さんで、時にサポートでカウンターにも入っていた女性の方。
しかも、明るく小気味良い応対ぶり/ウィットの効いた会話/笑顔も好感度が高く、ネット等での情報発信能力も抜群と、これまでとはまた違った新たなファン層まで生み出しそうな予感がするほど。
ということで、厳しいコロナ禍自粛が続く中、根強い常連と新体制でこれまでの思い出を共有し、また一つ一つ歴史を積み重ねていくお店。
その歩みを、温かく応援したくなる老舗です。
【駐車場:無(近隣にコイン・パーキング多数有) 喫煙:可】
※このお店は弊著「九州ジャズ・ガイド 第③号( ↓ )」掲載店です。
こちらもよろしくお願いいたします。
0コメント