先日、アクロス福岡で行われたアクロス弦楽合奏団の第12回定期演奏会に行ってきました。
アクロス弦楽合奏団はアクロス福岡のオリジナル合奏団として、コンサートマスター景山誠治氏を中心に九州交響楽団等のメンバーと才能ある若きバイオリニストが集結した団体だそうですが、今回の定期演奏会では曲目は前半にバロック音楽を並べ、その対比として後半に現代的な響きを聴かせるという何ともシャレたプログラム。
それぞれ佳演で心地良い時間を過ごさせていただきましたが、そのプログラムの順に特に面白かったポイントを記載しておきます。
1.ヘンデル:ハープ協奏曲 Op.4-6 HMV294
ハープを囲んでの如何にも宮廷のための音楽ですが、華やかに軽やかに息の合った合奏には息を飲まされました。また、ハープという楽器の表現力の豊かさもよくわかりました。
2.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第6番 変ロ長調 BWV 1051
これまでほとんど馴染みのなかった曲でしたが、弦楽アンサンブルなのにヴァイオリンがないという特殊な編成で、実にいいものを聴かせていただきました。
この曲ではソロ側のヴィオラ奏者はもちろんですが、チェリストが好演。演奏後のソリストへの拍手もヴィオラ奏者2人とご一緒に受けられれば良かったのに、そこはお人柄なのでしょうか?固く固辞されたのも何だか微笑ましい光景でした。
3.ヴィヴァルディ:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調 Op.3, No.1, RV 549
ソリスト4人が前に並んだのですが、先生格の方の力量の確かさが際立つ結果に!ヴァイオリン4人の後ろに回った合奏側がヴィオラから始まっているのがわかって興味深かったです。
こうして、三者三様の音楽の特徴・美しさを示して、前半終了。
4.マーラー:アダージェット(交響曲 第5番 第4楽章)
後半1曲目で、一般的には今回の一番のウリだったと思われますが、この曲でハープが必要だから一緒にハープ協奏曲を取り上げられたのか、もしくはその逆だったのか。。。そんなしょうもないことも気になってしまいました。
5.バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント
この曲をまともに聴くのは初めてだったのですが、アンコールのルーマニア民族舞曲(第5楽章、第6楽章)と共に、実にバルトークらしい、陰りのある重量感・緊張感に満ちた響きを心ゆくまで堪能。あまりにも気持ち良かったので、帰ってから久しぶりに「弦チェレ」を聴いてしまったほどです。
また、皆さん熱演を繰り広げられておられましたが、特にヴィオラのソリストの派手なヴィジュアルとそのカッコいい音には目と耳を奪われてしまいました。
今回、初めてアクロス弦楽合奏団を聴きに来ましたが、そのレベルの高さには本当に驚きました。そしてそのお客さんのレベルの高さも特筆すべきで、マーラーでも最後の余韻が消え、演奏者が弓を降ろすまで拍手しない等のマナーが良く、私の好きなフィルハーモニア福岡さんに続き、都合さえ合えば聴きたい演奏団体がまた増えた、という結果となりました。
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