今回、ご紹介する曲はブルックナーの交響曲第5番。
私の大好きな作曲家ブルックナーの中でも、いつの頃からか、一番好きな交響曲。
この曲の良さ。それは、眼前に厳かに聳え立つ巨大な石の神殿の如く、峻烈で、ともかく媚びがないこと。それは、元々、甘みの欠けがちなブルックナーの交響曲の中においても、飛び抜けての印象。
そして、その良さを最大限に実感出来るのは、チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の東京ライブ盤です。
と、一気呵成に書き進めてみましたが、実は、この文章の「流れ」は嘘です。
ただでさえ、とっつきの悪いブルックナーの交響曲の中において、更に取りつく島を与えないのが、この曲。
この曲が名曲であることに間違いはありませんが、奥が相当深いので、その良さがわかる瞬間、それを教えてくれる演奏というのが、きっと聴く人毎にあるのではないかと思います。
その証拠に、この曲には名盤と呼ばれるものが数多く存在し、その指揮者を挙げるだけでも、クナッパーツブッシュさん、ヨッフムさん、マタチッチさん、ケンペさん、ヴァントさん、朝比奈さん等々。更には、誰かの実演で天啓に打たれた幸せな方ももちろんいらっしゃることでしょう。
私にとっては、その演奏がチェリビダッケさんが指揮したミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の東京ライブ盤だった。聴く人によっては遅過ぎると感じるテンポも含め、彼らの築き上げた演奏が私に「厳かに聳え立つ巨大な石の神殿の如く、峻烈で、ともかく媚びがない」というこの曲の良さを教えてくれた、という「順番」が実際のところです。
ということで、こちらが私のおススメDVD「チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団@ガスタイク・ホール」
先に挙げた東京ライブ@サントリーホールの演奏ではありませんが、ミュンヘンの本拠地のこけら落とし公演として録画された記録で、これもとても素敵な演奏です。
下記Youtubeでアップされていましたので、ご覧くださいませ。
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