【訃報】宮崎・JAZZ&SPIRITS FAR CRY(ファー クライ) 23/02

宮崎・FAR CRYのマスター みやおさんが、お亡くなりになられました。


その生き様、しっかり見させていただきます。

22年の春にステージ4の癌が見つかってからも、底抜けに明るく前向きに振舞っておられたみやおさん。その大ファンの一人として、その生き様をしっかり見届けたいと願い、以前書いた言葉ですが、あぁ、何でもう一回、電話しなかったんだろう。そろそろ、しようかな?と何度か思ったのに。。。これもジャズ、ですか?みやおさん。



阿部薫さんやエルヴィン・ジョーンズさん等、時代を共に過ごされたレジェンド達のお話、フーテン時代の奇想天外なお話、含蓄に富んだ数々のお話に始まり、愚息を連れて行った時のこと、顧問の肩書をもらっている大分・竹田の一粒万倍のために大切なロリンズ等のポスターをいただいたこと、更には、親身になって色々なお言葉をいただいたこと等々、思い出し始めるとあれやこれやこぼれ出てきてキリがありませんが、何と有難くも貴重な時間だったことか。



最後にお会いしたのは、九州を離れる直前、昨年の3月末。

引っ越し荷物との格闘の合間に強行していたお別れツアーの最後半で、午前3時過ぎにお暇する頃にはヘロヘロになっていた私。見送ってくださったみやおさんはお元気でした。



その後、電話する度、紆余曲折はあったものの、徐々に快方に向かっている印象で、すっかり油断していました。

最後に電話でお話したのは昨年11月末。「この間、30周年記念ということで、久しぶりに飲んじゃったよ」と、ちょっとはしゃいだ感じのみやおさん。逆に、体調を崩した私のことまで気遣っていただき、「くれぐれも身体には気をつけてね」「暖かくなったら、久しぶりに遊びにおいでよ」と、いつもの落ち着く温かい声。

いただいた年賀状のお言葉にも、ホッと気持ちが緩んでいました。



みやおさんには色々なことを教えていただきました。


ジャズは”哲学”なので常に疑問形。ジャズを聴くという行為は「ジャズって何だろう?」と自問自答を繰り返すこと。

無駄を無駄とは思わず即興性を重んじ、色んなことに果敢に挑戦するが故、その中で生まれていく反応が更なる新たな感動につながる可能性もある一方、時には上手く行かない可能性も内包しているのが、ジャズ。そしてそれは、人生の営みに極めて近い、と理解しています。



特に言葉にされた訳ではありませんが、

「大事にしているものは、ちゃんと大事にしなきゃいけない」

そんなことも教わりました。


油断大敵。いつ、何が起こるかわからない。

今回教わったこの新たな教訓も併せて、改めて心に言い聞かせました。



今の自分に出来ることを、出し惜しみすることなく、懸命にやる。

無駄かどうかなんて一切考えず、思い立った時に、精一杯やる。


本当にお世話になりました。ありがとうございました。

みやおさんのご冥福を心からお祈り申し上げます。



あと、改めて感謝を申し上げたい方がお二人。まずは、田代俊一郎さん。

私がみやおさんと出会えたのは、その名著「九州ジャズロード」のお蔭。

また、そこで田代さんがみやおさんを評した言葉が「詩人」。

これほど、みやおさんを的確に表現した言葉はないと思いますが、何よりご本人が「わかってくれる人はわかってくれる」と嬉しそうにおっしゃっておられたのが、忘れられません。



そして、私が九州ジャズ・スポット巡りをしている中で得た最高の友人K氏。

私が行く時は、深夜にもかかわらず店にかけつけてくれ、一番長居した日も朝6時まで平然とつき合ってくれ、みやおさんと過ごした最後の夜もずっと一緒にいてくれた彼が、今回の訃報も知らせてくれました。



昔の記事を読み返し、撮り溜めた写真を見返し、様々なことを思い出しながら、何かに突き動かされるがまま、この記事を書き綴ってきましたが、結構いい時間になってしまいました。

生き残った者には変わらぬ日常がある訳で、当然ながら、明日も朝から会社。縁の大切さ、有難さを噛み締めながら、少し横になろうと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。


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【24.2.15追記:お通夜・お葬式情報】

みやおさんのお通夜・お葬式が下記のとおり執り行われるそうです。

もし駆けつけることが出来ることが出来る方がおられましたら、よろしくお願いいたします。

・お通夜:2/16 (金) 21時半~

・お葬式:2/17 (土) 8時半~

・場所:ファミーユ 江平ホール


【24.2.19追記:お葬式】

参列された常連K氏からお葬式の様子について、教えていただきました。式では終始ジャズが流れ、遺影はピースサインでにこやかな表情の1枚。すっきりとした衒いのない式だったそうです。

残念ながら、私は駆けつけることが出来ませんでしたが、この週末は今の自分が出来ることを精一杯やって過ごしました。それが、みやおさんも一番喜んでくれると思いましたので。


>管財人、常連の皆様

お通夜とお葬式、どうもお疲れ様でした。

様々な声があると思いますが、今後はみやおさんが一番喜ぶような形で進めていただければ、と思います。色々大変ですが、よろしくお願い申し上げます。


※FAR CRYさんは、弊著「九州ジャズ・ガイド 」の総集編( ↑ )、及び、第②号( ↓ )に掲載されております。尚、これらの本は、あくまで刊行時点の九州のジャズ地図を描いたものとなっており、当面改訂する予定はございませんので、ご了承願います。

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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑