名古屋・藤が丘 JAZZ茶房 靑猫(アオネコ) 19/05

今回、名古屋の東にある高級住宅街 藤が丘にあるJAZZ茶房 靑猫(アオネコ)さんを訪問してきました。

このお店は以前、ジャズ喫茶案内*Gateway To Jazz Kissaの管理人 楠瀬克昌さんに教えていただいた本格的、かつ、お洒落なジャズ☆スポット(注1)ですが、行ってみたらあまりにも特徴があり過ぎて、どこから紹介していいか迷うほど。。。長くなりますが、順に一つずつ、紹介させていただきます。

その特徴の一つ目は、通りに面しているにも関わらず場所がわかりにくく、まさに隠れ家的なお店であること。

地下鉄東山線 藤が丘駅から徒歩約5分、グーグル・マップが「到着しました。お疲れさまでした!」とこの写真の辺りで明るく告げるのですが、「え?!どこ???」と戸惑うことは確実。。。本人談なので、間違いありません。笑

というのも、お店があるのは手前のビルと奥のビルの合間の地下で、道沿いからパッと見えるのは、この洒落た看板・メニュー表と吹き抜けの左から下に降りる階段だけ。

次の特徴ですが、お店に入ってみると驚かされる意外なまでに大きい音量、その音の響き。

それは、こんなにお洒落っぽいのに、もしかすると本格的なジャズ☆スポットなのか?!と否が応でも期待が高まるぐらい。

とは言っても、その話題に入る前に語らざるを得ないのは、その大きな特徴の一つ、お洒落さについて。

先の看板からこの鉄製の扉に至るまでその雰囲気は漂っていますが、店内もその期待に違わず、本当にお洒落!


少し高めの天井でコンクリート打ちっぱなしを基調とした薄暗い間接照明主体の店内はL字形になっており、入口正面から左手にかけてあるのはカウンター席と二人用のテーブル席。

そして、右手から後ろに伸びているスペースは木製の床で、奥にスピーカーがあり、そこに向かい合った形でサイド・テーブル付きの椅子席とテーブル席。

正直なところ、こんなにお洒落で隠れ家としか言い様がないお店なら、例えどんな音楽が流れていてもお客さんは来るはず、が私の率直な感想。

でも、何故だかこのお店は正真正銘のジャズ☆スポット。

私がお店に入った時に鳴っていたアルバムが何とも美しく楽しいので、飾ってあるアルバムを見に行って、びっくり!

先日、大分・ネイマのマスターに教えていただきノック・アウトされたばかりのスティーブ・キューンで、Watch What Happens。

嬉しくなって、マスターにそんなお話をさせていただいたところ、若い頃はみんな尖っていたんだよ、とおっしゃりながら、そこからECM時代のスティーブ・キューン特集へ。

そして、スティーブ・キューンの色んな演奏を聴かせていただいた後に鳴り響いたのは、バンブー・フルートの何とも言えない心に沁みるような音色。

その後もECMの素晴らしいアルバムを色々聴かせていただいたのですが、一番感心したのはあれだけ何枚もアルバムを変えられたのに、お店に流れる音のイメージがブレることなく、統一されていたこと。

ECMレーベルのどこかヒンヤリとして少し硬質な音と、このお店のオーディオ・システム&空間が織りなす繊細で美しい響きは、ジャズ☆スポットとしては実に特徴的。

ちなみに、大きな音量にも関わらず全く会話の邪魔にならず、オーディオに興味のないお客さんでも一聴していい音と唸らせる澄み切った音、ジャズが贅沢なBGMとして成立しているこの感じ。。。これまで訪問したお店の中で近いのは、静岡・浜松のトゥルネラパージュさん

ただ面白いのは、そこに至るまでの動機が全く違うこと。マスターがご自身のお好きな複雑で繊細なジャズを追求した結果、辿り着かれたのがこのお店であるのに対し、ジャズありきではなく、お客さんにリフレッシュしてもらえる心地好い空間を提供したいという想いから辿り着かれたトゥルネラパージュさん。

どちらが良い悪いではなく、その動機の違いがジャズ☆スポットか否かの違い。。。でもそんなことより、お洒落で雰囲気がいいこと、居心地が良いこと、料理・飲み物が美味しいこと(この内容については全く触れていませんね。笑)、その全てのレベルが高い結果として、両店共、繁盛店である、といった情報の方が一般的に喜ばれることもわかってはいるのですが。

そして、このお店で最も特徴的なのは、恐らく普段は寡黙だと思われるマスターご自身。

その仕事ぶりのテキパキとムダのないことは特筆すべきこと。。。ほとんど途切れることなくいらっしゃったお客さんの様々なオーダーを奥の厨房に入ってさばきながら、私のためにアルバムを取っ替え引っ替え変えていただいた上に、私がこれだけお話を伺うことが出来たというのは、後から考えても相当スゴいこと。

青森ご出身の現在57才、高校の時にジャズに目覚められ、大学時代を東京で過ごされたマスターですが、モダン・ジャズがあまりお好きでなかったことから、いわゆるジャズ☆スポットに入り浸ることも出来ず、ご自身のオーディオで聴くしかなかったのだとか。

その後、就職で移り住まわれたこの名古屋でご開業されて11年を過ぎたそうですが、このような音楽の嗜好からこの思わずクラシックを聴いてみたくなる透明感のある響きを築き上げられたのか(注2)と妙に納得してしまいました。

そしてお聞きしてみると、案の定、クラシックもお好きだそうで、しかもドビュッシーやラベルのピアノ曲が特にお好みとか。。。いや、それは絶対に聴きたい!いいに決まってる!

ということで、次回伺う時には、全くお客さんがいらっしゃらないことを失礼ながら心から祈らせていただきます。笑

またこの他、あまり知らなかったECMレーベルのことをユーモアたっぷりに教えていただいたのですが、当たり外れを確かめる術がないので身銭を切って確かめる他にない、ともかくジャケ買いしているとのこと。。。名古屋のECMファンの皆さんはこのお店に来て確かめられるので、羨ましい限りです。

最後に、かわいいバイトのお姉さんのお話。

マスターが厨房に下がられている時にお話を伺ったのですが、今どきの大学生はジャズをわざわざ聴かないけど、このお店に来て興味を持つ人はいらっしゃるとのこと。

そして、「私自身、このお店で聴いていても、これがジャズなのかどうかわからないんですけど」とおっしゃった時の笑顔がとても素敵だったことを報告して、このお店の紹介を終わらせていただきます。

【駐車場:無(近隣に多数有) 喫煙:カウンター席のみ可】

(注1)ジャズ☆スポット。。。ジャズ喫茶さんやジャズ・バーさんからいつも元気をいただいている私としては、これらのお店がどうにもパワースポットの一種としか思えず(笑)、「ジャズ☆スポット」と総括して呼ばせていただいております。

(注2)オーディオ・マニアの皆様、お待たせいたしました。このお店のオーディオ・システムですが、まずスピーカーは、JBL Project K2シリーズのS4800。

そして、CDプレイヤー、プリ・アンプ、パワー・アンプは全てゴールドムンドという、九州のジャズ☆スポットではお目にかかったことのない機器であり、組み合わせ。

ここまで記載のとおり、ECMのアルバムではすーっと伸びる美しい響きがともかく魅力的なお店ではありますが、他のアルバムをかけた時にはまた違った表情を魅せてくれるかもしれません。。。また次回、訪問した時の楽しみに置いておきたいと思います。


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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