山口 葵レコ発ライブ@横浜・Paradise Cafe 20/4

いやぁ、やっぱりライブはいいですね!

私が応援している福岡の歌姫 山口 葵さん横浜・馬車道・Paradise Cafeさんで行われたこのライブ。。。新型コロナ・ウイルスの対応でライブどころか、ジャズ・スポットにも行きづらいこの状況下だけに、その感動はいつも以上だったかもしれません。

そして、実はこれ、mahocastという会社のライブ配信

葵さん(以降親しみを込めて、こう呼ばせていただきます)が、今回初めて無観客ライブ配信にチャレンジされると聞き、喜び勇んでそのチケットを購入。

残念ながらリアルタイムでは聴けなかったのですが、そのアーカイブは後日でも視聴出来るとのこと※で、満を持してこの週末の深夜にゆっくり拝聴。

今回のために我が家ご自慢のオーディオ+プロジェクターに初めてPCを接続したのですが、そのお陰で大画面、かつ、かなりのリアリティで満喫することが出来ました。

※いつまで視聴可能かは不明ですが、残念ながらチケットはもう購入出来ないようです。

葵さんの7枚目のアルバムになる「Recollection~回想」の発売記念と題されたこのライブ。

1st セットはそのアルバム以外のナンバーからということで、Moon Dance、I’ll remember Aprilというスタンダード2曲から始まりましたが、何故か聴く側の私も緊張気味。。。ちょっと落ち着いて聴けるようになったのが、葵さんがこれまで3回も録音されたお気に入りの曲Peopleから。

そして続いて歌われたのが、何と、私にとって思い出深いBlack coffee、The boy from Ipanema。

というのも、私が初めて葵さんを聴いて惚れ込んだのは佐賀・シネマテークさんでのライブに飛び入りで歌われた時(注)ですが、この時に歌われたのがまさにこの2曲。

誰にも届かないイェ〜!という掛け声をかけながら、ようやく調子に乗ってきた私。笑

そして、名曲All The Thinks You Areをスキャットも挟みながら気持ち良く歌う葵さんもノリにノッているようで、絶好調。

1st セット最後の曲は、マレーシア元首相の前でご披露され、気に入っていただいたという葵さんの十八番であり、私も大好きな曲、中村八大さんの「黄昏のビギン」。

やっぱりこの曲はいいなぁ、1st セットの締め括りでこの曲が聴けるなんて贅沢なライブだなぁ等と気分良くなったところで休憩となり、映像も軽いBGMと共に固定画面に。

でも、一服しても変わらないこの画面。。。アーカイブもリアルタイムと同じ時間の休憩が入るんですね。苦笑しながら、早送り。


そして始まった2nd セットは、7th アルバム「Recollection~回想」(注)から。

シックな黒いドレスに着替え、雰囲気を変えた葵さんが歌い上げられたのは、ウナ・セラ・ディ東京、喝采、シルエットロマンスというの昭和の名曲。

相変わらず、と言っては失礼だと思いつつも、日本語の歌は葵さんの得意技。その言葉の細かい情感を伝えつつもしっとりと聴かせる辺りはさすがとしか言い様がなく、昨今の流行歌からは感じられなくなった心の襞、昭和歌謡の良さを改めて感じさせられました。

そしてこの次に歌われた曲が、私にとって今回のライブの白眉。

ジャズ批評誌のジャズオーディオディスク大賞銀賞を受賞した前作(6枚目のアルバム)「Swing in Strings vol.2」の中で、一番反響が大きかったという「哀しみの終わりに」。

災害に遭った恋人を力強く励ます歌詞が心に沁みる名曲で、以前私がこの曲を聴いたのはそのライブでありアルバムでしたが、あの時の念頭にあったのは東北大震災。

でも、今は違います。新型コロナ・ウイルス対応で困難な状況に直面しているのは、葵さんも含め、我々全員。

う〜ん。。。ここでこの曲かぁ、と唸りながら聴き始めたのですが、聴いている内に本当に涙が出そうになりました。

それにしても、葵さんが熱唱するこの曲は別格。

歌が持つ人を勇気づける力をまざまざと魅せつけることにおいて、この曲は山口 葵の代名詞と言ってもいいのかもしれません。。。心から感動、でした。

この後は、映画で使われた曲から2曲。「The April fools」からタイトル曲と「ロシュフォールの恋人たち」の中で歌われたミッシェル・ルグランのYou must believe in Spring。 

そして、スティープ・アレンのThis Could be the start of Something Bigという初めて聴く軽快な曲でとりあえず締め括り、時間を気にしながらも、アンコールへ。

1曲目は、「今後、レコーディング出来たら」とおっしゃって歌われた西田 佐知子さんの「アカシアの雨がやむとき」でしたが、もしリアルタイムで視聴していたなら、「次回の録音を楽しみにしています!」とメッセージを入れたと思います。

そして、今回のアルバムの最後の曲でもある「ラストワルツ」で無事に終了。

紹介が遅くなりましたが、今回のライブはキーボードとのDUOで、ピアニストは堺敦生さん。

「歌い始めた頃に新宿で演奏して以来、10年に一度ぐらいの割合でご一緒している」とか、「ジャズ・ピアニストではないのにジャズが上手」という葵さんのわかったようなわからないような紹介もどうかとは思いましたが(笑)、終始過不足を感じさせないだけでなく、適度なメリハリもつけて葵さんの世界を鮮やかにご演出。初めて聴かせていただきましたが、恐らくは百戦錬磨のピアニスト。

また、リアル配信ライブならではというのでしょうか?途中で葵さんが紹介された視聴者からのコメント「キーボードの方、すごい!」がその素晴らしさを一番良く物語っていたように思いました。(後日、聞いた話ではあの上田正樹さんのサポートメンバーもされておられるとのこと。失礼いたしました。)

尚、今回、mahocastというライブ配信システムを初めて使ってみましたが、こんなコメントを途中で入れることが出来るというのも面白かったですし、チケットの買い方がちょっと難しいという問題はあったものの、大満足の2時間でした。

それにしても、新型コロナ・ウイルス対応で閉塞感が漂う中、だからこそ!と新しい路線を打ち出された葵さん。元気と勇気をいただきました。どうもありがとうございました。

アフターコロナで見える風景はきっと今よりいいものになっていると信じて、まずは今を乗り切っていきたいと思います。

そして、我が敬愛するジャズ・スポットのマスター、ママ。

本当に大変だと思いますが、何とか頑張って乗り切ってください。。。行けるタイミングが来たら、すぐに訪問いたしますので。


(注)7th アルバム「Recollection~回想」の広告を見て、ビックリ。。。何と、メンバーが金澤英明(b)、石井彰(p)の「裏二重奏」のお二人。

というのも、私が初めて葵さんを聴いた時、飛び入りで歌をご披露された時のライブは、まさにこの裏二重奏で下の写真のとおり。

そしてこの時の葵さんの歌声にノックアウトされたのは私だけでなかったようで、その後、金澤さん達が一緒にライブをされるようになったのですが、まさかこのアルバムもこのメンバーで録音されたとは。。。これは購入するしかないと腹を括りました。いい出来に決まっているので。笑

あと、今回とても素敵なマッチングぶりを魅せつけていただいた堺さんとの違いも聴きもので、それも楽しみです。


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑