熊本 南阿蘇・オーディオ道場 ①14/06〜オーディオ編〜

強烈なCD演奏を聴かせていただいたWoodside Basieさんでの余韻を引きずりながら向かったのが、その近く、西原村にあるオーディオ道場さん

前回Woodside Basieさんを訪問した後は、気になりながらも断念したので、今回は頑張って訪問。。。しかし、実に道がわかりにくく、よくぞ辿り着いた!と自分を褒めてあげたぐらいです。

田代俊一郎さんの名著「九州JAZZロード」の文章からもその雰囲気は伝わってきていましたが、店の周りの立て看板の数々からもその個性の強さが見え、ちょっとたじろぎました。

中2階からの1階の広い吹き抜け部分の俯瞰したの写真です。

ここは元々剣道場だったところらしいのですが、雑然と並ぶオーディオ達に唖然。

まず、ここのメインシステムで持ってきたCDを鳴らしてくれたのですが、その音の個性の強さたるや、今朝のおはくまの強烈さとも、Woodside Basieさんの弩級の音ともまた違う何ともヘビーさでかなりクラクラしてしまいました。

常連さん曰く「まだ組み立てたばかりのスピーカーだから馴染むのに時間がかかるよ。でもこれでも良くなってきた方だよ」「ここの音はコロコロ変わるからねぇ」


が、まだまだこのお店。いや、ここは本当にお店なんだろうか?いずれにせよ、こんなものではありませんでした。苦笑


次にオーナー(お店ならマスターでしょうが)にご紹介いただいたのは、中2階の下にある儀式が行われるような部屋に置かれた数々の昔の銘器達。

この部屋の音は60年代の音を聴くのに最高なシステムを目指し、その当時のシステムで組んであるとのことで、聴かせていただきましたが、これがさっきの音を作った人が組んだとは到底思えない常識範疇内の実にいい音。。。

当時の富豪がじっくり聴いていたであろう優雅な感じの内装の空間で、音楽を楽しませていただきました。


これを聴けただけでも本当におなかいっぱいだったのですが、更に更にこの道場はまだまだ奥が深く、次にオーナーに連れていかれたのは、入り口入ってすぐにある小さな蔵。現在、調整中とのことだったのですが、初めて聴くJBL4355というこれもまた弩級のスピーカーが鎮座。

こんな天井の低い狭い空間でこんなごっついのを鳴らしたら。。。なんて思っていたら、マスターが鳴らし始めたのは、ベルリオーズの幻想交響曲の「ワルプルギスの夜の夢」。しかも、案の定、大音量!

でも、何と!これがこれが!!

大音量・直接音のオーディオで初めて聴きました。こんな柔らかい素敵な音。これまでのジャズ・スポット巡りの中で、適切な空間とボリュームの関係がいかに大切かを再認識したつもりでしたが、それがよくわからなくなった瞬間でもありました。


このワルプルギスの夜の夢、じっと腰を据えてもっと聴いていたかったのに(いかにも試験中みたいな感じで、聴く環境ではなかったのですが)、じゃあ、次!と、今度連れて行かれた先は、元剣道場とは駐車場を挟んで逆の方にある家。

ここは画家でもある(そちらが本業?)オーナーのアトリエ、兼、非常にいい感じのマスターがやってらっしゃるタイムレスという喫茶店が入っていて、長居の出来るスペース。

このタンノイ1本で鳴らしてもらったバッハの無伴奏チェロの音が実に温かかったこと!これだけでもずっと聴いていたかった。。。

そして、バロックを奏でる、そう、まさに奏でるという言葉がふさわしかったヴァイタボックスという映画館用スピーカーの何とも素敵な音楽。

この空間の天井の高さもその音に貢献しているとは思うものの、こんなに生き生きとした音が弾むオーディオも初めてでした。

今回、最も印象に残ったオーナーの言葉は「空間・音量・音質。何でもバランスが大切」。

確かに、このオーディオ道場の音は、最初のシステム以外は(苦笑)、それぞれ音の目指す方向性は違うものの、例え天井が低く狭い部屋で聴く直接音であっても、聴いた感じのバランスは絶妙でした。


しかしその一方、この様々な方向性の音とその絶妙なバランスを一人の人間が作れるとは信じがたく。。。天才?異才?適切な言葉が見つかりませんが、少なくとも常人の仕業ではないと思え、混乱した頭のまま、帰路につく羽目になりました。

以上、オーディオ編は終わりで、その他編に続きます

【駐車場:有、喫煙:可】


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑