ライブな音は殺せるけど、デッド過ぎると大切な音が死んじゃう。
マスターの短いながらも強い主張に苦笑するしかありませんでした。。。ここは、長崎・波佐見のDougさん。
先日の宮崎LIFE TIMEさんでの経験「JAZZはデッドであるべし!」を持って、再度このお店の音を確認しに訪れたのですが、入った瞬間から、あれ???全然、デッドなんかじゃない。。。
この日は80代現役バリバリプレーヤーシリーズ(?)、明日ここでライブをやられるというギターの 中牟礼貞則さんのDUOアルバムの深々と息の長い聴き応えのある演奏から始まり、
ベースのゲイリー・ピーコックの新作でその年齢を感じさせない力感豊かな演奏を聴かせていただき、
ゲイリー・ピーコックと言えば、とそこから転じ、ゲイリー・ピーコックが尺八の山本邦山と一緒に京都竜安寺の石庭をイメージした強烈に印象的なアルバム「銀界」に移り、
尺八と言えば、と、「田嶋直士の尺八の世界」という遂にはジャズとは無縁のアルバムに。。。笑
ただ、この切れ味抜群の冴えた音の尺八は、マスターに全くそんな意図はなかったと思いますが、反響を確認するには他のどんな音源よりわかりやすかったです。。。結論、このお店は全くデッドでもなければ、天井からの反響を全面的には殺していません。でなければ、尺八の音が空に立ち上って消えていき、まだ音が残っているのか残っていないのかわからないあの素敵な空気感は再現出来ないでしょうから。
ここで初めてマスターにお店の天井からの音の反響についてのお考えをお聞きしたのですが、ここで冒頭の言、及び私の苦笑に戻ります。
そして、このお店の広さだと大きな音を出すとどうしても天井に嫌な反響が残るから、トライ&エラーでそのポイントを探して、そこに吸音材を貼ったとのこと。この写真からも天井の白いクッションのような吸音材が見えますね。
ということで、Dougさんは適度にライブが一番とお考えですが、この話をLIFE TIMEのマスターにぶつけたらきっと「色んな考えがあるから楽しいんだね」と一笑されて終わるんでしょうね。。。奥が深いこと、この上ありません。笑
そうこうしている内に早くも閉店の時間に。最後にリクエスト、ということで、私の大好きなピアニスト 吉岡秀晃さんのトリオがこのお店で演奏された97年のライブ録音を聴かせていただいたのですが。。。いやいや、20年前でも吉岡さんはやっぱり吉岡さん!熱く盛り立てる他のメンバーと吉岡さんの天衣無縫な軽妙さ、お茶目ぶりが実に楽しい!スピーカーに向かってイャ~!とか、合いの手を入れさせてしまう熱演とそれをしても違和感がない録音。最高です。
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