長崎 波佐見 ・Jazz Spot Doug(ダグ) ③18/01

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて、今年の初詣(?)は長崎・波佐見のJazz Spot Doug(ダグ)さん。昨年秋、中牟礼貞則さん(g)のニュー・コンボ・ライブに行って以来、そのライブをおススメいただいた御礼と感想等をお話したくてうずうずしていたのですが、今回ようやく伺えた次第です。

(ちなみにこの写真は入口の扉ですが、”Doug”のステンレス製ネーム・タグは長崎・琴海のJazz Cafe ハーモニーのマスターの作品です。)

相変わらず質感のある張り出しのいい音が大音量で響く店内で、ジャズを浴びるように聴く快楽。あっという間に過ぎ去った閉店までの4時間強、今回も色々テンコ盛りで濃厚な時間でした。

まずこの日の最初は、池田満寿夫氏のジャケット・デザインが話題になったマイルス・デイビスの「1958マイルス」の日本オリジナル盤と最近発売されたばかりという180g重量盤との聴き比べ。

このレコードは1955年、58年にマイルス・デイビスが録音・未発表だった作品を集めたものですが、高域が少し華やいだ感じで生き生きとして聴こえる日本オリジナル盤と、ぐっと重心が下がり、少し艶消しが入った重厚な趣でよりリアルに聴こえる180kg重量プレス盤。あくまですぐに聴き比べているから感じる違いかもしれませんが、印象が全然違います。どちらもいい所があるので、最終的には好み次第としか言いようがなく。。。まさにオーディオ・マニアの世界。楽しい。(注)

また、同じレコードの中でコルトレーンの演奏が55年から58年にかけて音も含め別人のような進化を遂げていることや、ベースラインがモードに移り変わっていることを気にして聴くよう注意していただいたりしたのですが、ジャズ・マニアの世界もこうやって教えていただけるとわかりやすくて、これまた実に楽しい。。。活字の知識がようやく実感出来ました。

あとDougさんでの楽しみと言えば、初回から書いていますが、何と言ってもこれ。Dougさんで行われたライブの生録音再生。本当にここの録音は呆れるぐらい音もそのバランスも良く、臨場感があるので、もしかしたら生で聴いているよりいいのかもしれません。笑

今回は私がニュー・コンボさんで聴いた中牟礼貞則さんに始まり、これまで行われた熱い演奏の数々を聴かせていただきましたが、中でも一番聴き応えがあったのが、チコ本田さん。まぁ、ノリノリとでも言うのでしょうか、録音ながらエモーショナルな訴求力の強さには思わず感動させられました。

ところで今回驚いた話が一つ。Dougさんは来年30周年を迎えられるそうですが、その開業のキッカケの一つは何と、私の敬愛する録音エンジニア・オーディオ評論家の菅野沖彦先生との対談だったとのこと。

84年と言えば、当時マスターは38歳ぐらいでしょうか?この時にご自慢のオーディオ・システムを褒めていただいたことでオーディオ熱が過熱してしまい、それが高じてその5年後、開業に至ったのだそうです。確かに菅野先生に褒めていただいたら、その気にもなりますよね。。。

そこからこのお店のリファレンス・レコードの話になったのですが、「このレコードがちゃんと聴こえないとおかしい」、「きゅうりはきゅうりの大きさで聴こえてほしい、ヘチマになっては困る」とおっしゃって取り出されたのが、菅野先生が録音を担当された「西直樹ミーツ高橋達也  ストレート・ノー・チェイサー」。

気合いを入れて、席をカウンターからスピーカーに相対する一番いい場所に移って聴かせていただいたのですが、なるほど、ベースがベースの大きさでちゃんと鳴っている!と改めて感心した次第です。

ちなみにこのお店のスピーカーALTEC 604-8Gは実は2代目で、初代は菅野先生が録音モニター・スピーカーとして使っておられたモデル ALTEC 605Bだったとのこと。。。若かかりし頃のマスターのオーディオ・マニアぶりが少し垣間見えたような気がしました。

まだこの他にもこのお店の名前の由来であるベースのダグ・ワトキンスのレコードを聴かせていただいたり、四半世紀以上の常連さんであるKさん、Fさんと色々お話させていただいたりしたのですが、その話はまた別の機会に。


(注)「楽しいオーディオ・マニアの世界」でちょっと脱線。先日北九州・黒崎の風土さんで教えていただいたコルトレーンのクレッセントもかけていただいたのですが、まぁ、風土さんで聴いた印象と大きく違うこと!

それぞれの楽器が鮮明に主張するDougさんと演奏全体の一体感をより感じやすい風土さん。どちらがいい悪いということではなくこれもやはり好みなのですが、同じレコードを色んな場所で聴かせていただくのはやはり楽しい。。。何枚か好きなアルバムを作っておいて、色んなお店でリクエストしてみること。これもジャズ喫茶/バーの楽しみ方の一つだと思いますので、マニアでない方も是非お試しを!


〈追記〉波佐見から佐世保は意外に近く、24時に出発しても、24時半頃には到着することが可能です。ということで、この日はDougさんの後、佐世保のBessie Smithさんにも寄ることにしていました。そして、その話を常連Fさんにしたところ、驚いたことに何と「僕も行ってもいいかな?」

結局、Fさんの車に先導していただいて佐世保まで行き、明け方近くまでご一緒させていただいたのですが、こんなムチャなことをする大人。。。大好きです。笑

今年も最初から縁に恵まれたこの九州ジャズ・ロード巡り、この後もどんな縁があるのか、本当に楽しみです。またFさん、遅くまでおつき合いいただき、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

【駐車場:有、喫煙:不可】


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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