JAZZ INN FUNCOOL(ファンクール)さんは福岡・柳川にある老舗のジャズ喫茶。柳川が福岡市内から微妙に遠いこともありなかなか訪問出来なかったのですが、ようやく伺うことが出来ました。
ちょうど前日、お誕生日を迎えられたマスターは御歳74歳。1969年、26歳の時に開業されて以来、今年で48年目を迎えられた九州ジャズ喫茶/バー第二世代のこのお店。
※2019年10月の50周年を機に代替わりされ、現在二代目マスターが営業中。
不思議なことに、私の行きつけのJABさん(お店は九州ジャズ喫茶/バー初代で、マスターは二代目)に似ているような気がします。。。でも、何が似ているんだろう?
マスターのひょうひょうとした雰囲気?何となく乱雑なお店の雰囲気?良くも悪くも時間が育んできたもの?外界から切り離されたような、異次元に迷い込んだかのようなゆったり経過する時間?
そしてやはり、スピーカーの年季?笑
JABさんも同じですが、40数年稼動し続けているこのお店のJBLのスピーカーは当然ながらエージングが進みすぎて、決してハイエンド・オーディオ的な音は出しません。でもその代わり、部屋に馴染んだ音、しっくりくる音、とでも言うのでしょうか?何とも言えない味わい深い音、いい音楽を奏でていて、しみじみと聴かせてくれます。この心地良い音楽に浸れて、何時間聴いていても疲れない空間、私は好きです。下の写真の左上に掛かっているのは、九州ジャズロードにも記載のあったマスターの好きなピアニスト ジーン・ハリスのサイン入りジャケット。
実はこのライブ、レイ・ブラウンも来てたから、このジャケットの裏に一緒にサインをもらったんだよ、とマスターがお茶目な笑顔で教えてくださいました。
そのジーン・ハリスということでかけていただいたThe Three SoundsのLive At The Lighthouse。
そして、今、好きなピア二ストということで教えていただいたのが、渋谷毅さん。
前者のカラっと明るく硬質なピアノの音も、後者の一音一音が優しく響くピアノの音もとてもこのお店の雰囲気に似合っており、素敵な時間でした。
最近は九州ジャズ喫茶/バー初代のお店(今はもう無くなってしまった鹿児島のパノニカさん、福岡のコンボさん等)と組んでやっていた九州ツアーライブももうやれなくなった、このお店も私の体かスピーカーが壊れたら終わり、と少し寂しそうにおっしゃられたマスター。
でも、「JAZZの店を始めたのはしゃべるのが苦手だったから。JAZZだと黙ってていいでしょ?でも、いつの間にかよくしゃべるようになっちゃったけど」とか「窓のなかったこのお店に窓をつけたのは暗かったから」とおっしゃられた時の少しおどけた表情の方がやっぱりお似合いです。
日頃なかなか足を伸ばす機会がなく、とても心理的に遠かった柳川ですが、名物せいろ蒸しもとても美味。
そして、マスターにしか出来ない昔話を伺うためにまた戻って来たくなりました。
【駐車場:無(近隣にコインパーキング多数有)、喫煙:可】
ファンクールさんの他の記事へ ②19/11【訃報】 ③20/01【二代目マスター情報】
0コメント