熊本 八代・珈琲店 ミック ①17/11

熊本・JR八代駅前にある和菓子屋さんみたいな堂々としたきれいな一軒家で、今年創業50周年になる老舗 珈琲店 ミックさん。モーニングを食べながら、マスターのお話を伺えたら、と思って行ったのですが。。。

このお店の看板は、ジャズ喫茶ではなく、珈琲店。そしてこれも行ってみてよくわかりましたが、地元に根づき愛されている繁盛店。。。それだけに、モーニング対応でマスターがお忙しいのは当然のことでした。

ちょっと失敗したかなぁ、と思いつつも、私も他のお客さん同様、モーニングを注文したところ、これが想像以上に美味しくて嬉しい誤算。飲み物も珈琲だけでなく、カフェ・オレを選ぶことが出来るご配慮も、もっと言えば、昔ながらの布のおしぼりも嬉しい限り。

どんな注文へも素敵なバリトンで元気良く復唱されるマスター、小気味良い応対のウェイトレスさん、きれいな店内、このモーニング。。。このお店の人気の秘密を垣間見た気になりました。

ようやくマスターが一段落された頃、この店はジャズの店ではなく、単にジャズ好きのマスーがやっているというだけだとのご主張からお話を伺い始めましたが、。。。

まず、見せていただいたペンタックスSPで撮られたという来日公演で各地に来た錚々たるメンバーの写真。。。ディジー・ガレスピー、チャールズ・ミンガス、クインシー・ジョーンズ、ジョニー・コールズ 、レイ・ブラウン、カーメン・マクレエ、ロン・カーター、セシル・テーラー等々。それぞれがとても素晴らしいカットだったのはここでは問題ではありません。こんなに多くの秘蔵写真を見せられたら、そのマスターがやっているお店は普通、ジャズ喫茶、でしょう。。。

そして極めつけはこの出演者に花束を渡されているお嬢さん、マイさん。

今でこそ当たり前のようにある「マイ」という名前ですが、その当時はまだ珍しかったそうで、それじゃあマスターはどこから見つけてきた?誕生日が同じだったから、マイルス、だそうです。。。やっぱりそんなマスターのお店は、ジャズ喫茶でしょう?笑

そんなお話を伺っている途中でも、新規のお客さんがいらっしゃると即座に丁寧に応対されるお姿にもほとほと感心。とても73歳とは思えないパワフルさ。

ちなみにこのお店のスピーカーは、最近までは英ハーベスだったらしいのですが、今はこの8月のお誕生日にマスターがお客さんからいただいたというJBL4311。

北九州のJazz Street 52さんも使っておられるこの中型スピーカーの銘機を地元では有名な電気店ラジオクロネコさん特製の管球アンプでドライブ。

あくまでBGMの範囲のボリューム設定ですが、店内の広い空間を温かく包み込んでいるこの音もこのお店の魅力の一つかもしれません。

それにしてもどこにどういう縁が転がっているかわからないもので、このラジオクロネコの森社長がKT88という真空管をマッキントッシュで使っているパワーアンプがあるとか言っていた、と伺った瞬間、びっくり。。。いや、それ、私が使ってるMC2102です。。。

こういう不思議な縁がお互いの距離を縮めるのはよくある話。。。その後は更に会話が弾み、坂田明さん、ヨイトマケの歌、キャノンボール・アダレイのライブ、頭打ち手拍子、ストラディバリウスやら話は色んな所に飛び火しましたが、やはりこのお店と言えば、このネタは外せません。オオサンショウウオのさんちゃん。

そのお話の中で、直木賞作家 光岡明氏の薔薇噴水という本の中に描かれているよ、とお聞きしたので後日即購入、どの作品だったかな?とタイトルを見て、愕然としました。

「カッパ紀に」???

しかも、読み始めると、河童共和国???マスターはその発起人の一人?!

何たる突拍子もない縁。。。宮崎・高鍋のクラシック喫茶モルゲンさんでのひょうすん坊の話、絶対に報告しに行かなきゃ!

開店以来半世紀、このお店の常連さんとおっしゃる従兄の方もずっと一緒に話をさせていただいていたのですが、12時半頃お帰りになられ、マスターもその後すぐにお店を抜けられました。まともにお話させていただいたのは、合わせて1時間程度だったと思うのですが、息をつく間もない、もっと正確に言えば、タバコのことを思い出す間もない凄まじく濃密な時間でした。

マスターが出て行かれる時、また縁があったら、どこかで会おうと、温かい笑顔で手を差し出してこられました。その手の力強さはこの方の人間としての強さそのもののように思え、不覚にも感動してしまいました。

実はこの日のマスター、全くそうは見えませんでしたが、風邪気味だったとのこと。出来るだけ早いタイミングで再会させていただきたいと願っておりますが、寒い日が続きますので、くれぐれもお体にはお気をつけてくださいませ。

【駐車場:有、喫煙:目まぐるしい展開に吸うのも忘れていましたが。。。可、です。】


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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