佐賀・唐津市七山にあるFUNNY NANAYAMA(ファニー・ナナヤマ)さん。
福岡から車で約1時間、佐世保へ抜ける道中にある七山村。
そこにある鳴神温泉「ななのゆ」(オススメです!)から坂を下りること、約1分。
長閑な山里で、どこか懐かしく柔らかい雰囲気の中、心地良い音楽に浸り、俗世と隔絶したゆったりとした時間を過ごせるお店。
その一方、昼夜いつ行ってもしっかり食事が出来、珈琲一杯だけでも楽しめる有難いお店。
豊富なメニューも魅力的。
中でもおススメは、ギリシャ伝統のピタパン・サンド( ↑ )。
村のパン屋さんに特注で焼いてもらっているパンを使ったこのお店定番の逸品ですが、飲み物は意外な美味しさに驚いたブラックティー・ジンジャー( ↓ )。
そして、時々食べたくなるのが、このとんかつミートソース( ↓ )。
このお店に通い始めたのは、早いもので、もう5年も前。
「社長(ママ)の料理にハズレなし」伝説は、現在も継続中。
また、その頃は、初代マスター(注)と社長(ママ)の掛け合い漫才のような会話の楽しいお店でもありましたが、20年1月の正月休みに初代が急逝。
約1年経った年末、営業をご再開。
今では、常連からも"社長"と呼ばれ、辛口コメントも魅力のママ、2代目マスターを襲名した長女(※1)、そして、可愛い姉妹の孫が看板娘を務める贅沢な布陣で、各々にファンがつく九州では稀有な三世代体制店(?)。
この2代目マスターがアップしているお店のインスタグラム(※2)も魅力満載。
どこかいつも気になるお店。時々、無性に行きたくなるお店です。
※1:この2代目マスターは、ちょっと通常のモノサシでは計れない大物
ご結婚前、何と同じ七山村で別の喫茶店をご経営。そのお店で企画/開催していたライブには、色々なアイデアと努力で、福岡・佐賀から100名超を集客。これはほんの一例ですが、自由奔放、親譲りの大胆な発想と行動力が半端なく、これまでの歩みは、大袈裟ではなく波乱万丈。
ただ、その若く綺麗な見た目とのギャップには驚かされるものの、客観的には「あの親にして、この 2代目」。。。気になる方は、ご本人に直接お聞きください。
※2:お店のインスタグラムはこちら
(注)私の敬愛する初代マスターについて
「ジャズはついつい語りたくなるけど、ジャズの大きさがわかればわかるほど語れなくなる。ファニーナナヤマのマスターがまさにそんな方だった」
と語るのは、この店の常連で、開業の相談をした時に「やってみたら!」と後押しされた伊万里 A-Trainのマスター。
初代は、ジャズ/オーディオ・マニア。初任給で買ったソニー製等、8本のスピーカーで店内に鳴らす音楽もずっとジャズでしたが、「開業前、社長の許可が下りなかったから、ここはジャズの店ではない」と言い張っておられたのも、今では懐かしい。
その発想力/実行力もハンパではありませんが、既成概念に捉われず、何でもやってみて考えるという姿勢、何が起きても一緒に面白がり、それを笑い話として受け止める初代と社長。本当に素敵でした。
※このお店が出来るまでの歴史やお二人のお人柄等は下に転載した18年の記事をご覧願います。
※余談ですが、子供への教育方針にも全くブレがなく、先にご紹介した2代目の長女だけでなく、長男さんも驚愕の経歴の持ち主。親として、凄いなぁと、ただただ感心するのみです。
「何が起きるかわからないけど、考えていたら絶対出来ない。知らないままでいい。行き当たりばったりでいい。ともかく、やり出してみる。そして、石の上にも3年。どんなことが起きても、それを楽しむ。そうしていれば、きっとどうにかなる。」
最後に初代にお会いしたのは19年5月でしたが、まだ影も形もなかった九州ジャズ・ガイドの執筆を躊躇する私の背中をドン!と押したのも、その時のこのお二人の言葉。
それだけに、完成した九州ジャズ・ガイドをご覧いただきたかったなぁ、といつも思いますが、お陰様で何とか完成しました。改めて、心から感謝。
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【以下、2018/01の記事を転載】
佐賀・鳥栖の音楽小屋のマスターに教えていただいた佐賀唐津市七山(注1)のFUNNY NANAYAMA(ファニー・ナナヤマ)さんは、自称「ジャズ喫茶/バーではありません」というお店。
でも、今年70歳になられるマスターが初任給で買われたとおっしゃるソニー製を含め、店内のあちらこちらにある8本のスピーカーから心地良い音で流れている音楽はジャズですし、そもそもマスターは大のジャズ好き。。。ですので、社長であるママからその看板を掲げるお許しが出なかっただけだと思います、多分。笑
俗世と隔絶したかのようなゆったりとした時間を提供しておられるこのお店の魅力は何と言っても、マスターご夫妻。お話を伺えば伺う程、魅力が深まり、あれやこれや面白そうなポイントがあり過ぎて、時間がいくらあっても足りなさそう。。。
この七山という里山でこのお店を開業されたのは22年前。マスターが会社勤務をされておられた頃は福岡市内にお住まいで、毎週野菜を買いに来られていたとか。その当時はこういう酒・珈琲・食事から甘いものまで出されるお店はなかったそうで、マスターご夫妻がその内、この地でお店を始めたいと考えられた。。。まぁ、ここまではよくある話です。
近隣の方からも半年も持たないから止めた方がいいと忠告されたそうで、ご夫妻が最低3年間は何としても頑張ろうと決意されたのも理解出来ます。ただ、それぐらいで閉める可能性がある建物なら自力で建てよう、と考えられた時点で、もはや普通ではありません。しかも、2ヶ月で完成?!
更にはそれまでマスターは、雨漏りがしてママにダメ出しをもらった犬小屋しか作ったことがなかったそうで。。。発想力と実行力もハンパありません、このお二人。
また驚かされたのは、建物の外観と店内のギャップ!
このお店で酔って外に出たお客さんが「あ、ここは七山だった」とよく呟かれるそうですが、その気持ちは十二分にわかります。
このご夫妻の年末年始休みの恒例行事は、目的も計画もなしに車で旅に出ること。高速道路は使わず地道をドライブしながら、気になった所へ立ち寄り、夜になったら宿を探すという勝手気ままな旅で、まさに「無計画の計画(注2)」を実践されておられるのですが、ママ曰く、色々計画して縛られるより、その方が楽しいじゃない?
こういう考え方をされる方は面白いものを見つける嗅覚が鋭く、また本当に辿り着かれることが多いので、もっとその逸話等を伺いたいと思いましたが、それにしてもこんな考え方をされる女性って、珍しくないですか?
「縁・サーフィン」という同じような発想で動くことが多い私としては嬉しくなってしまい、思わずママに握手を求めてしまいました。
短い時間でしたが、このマスターご夫妻のお話を伺っていて一番感心したことは、こういう感性をご共有されておられる上、何でもご一緒に面白がられ、心から楽しまれておられること。本当に素敵です。
今度は、教えていただいた鳴神温泉・ななのゆ(注3)に立ち寄ってから伺いますので、またよろしくお願いします。
(注1)マスターご夫妻が取りつかれた七山の魅力はきれいな山、きれいな川、きれいで明るい村から始まり、たくさんあるようですが、とりあえず観光スポットが紹介されたHPの一例はこちら。
(注2)「無計画の計画」は下村湖人著「次郎物語」で出てきた私の大好きな言葉・考え方。次郎達が実験的に無計画に旅をしてみたところ、最終的には全てが辻褄が合ってうまくいき、そのことから次郎が「運命」について考えるキッカケを得たというエピソードのキーワード。
(注3)鳴神温泉・ななのゆのHPはこちら。
【駐車場:有、喫煙:不可】
※このお店は弊著「九州ジャズ・ガイド 第③号( ↓ )」掲載店です。
こちらもよろしくお願いいたします。
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