鹿児島 天文館にあるFLOWER(フラワー)さんは、九州ジャズロード「改訂版」のコラムに取り上げられていたお店。
初訪問店ということで、今回の鹿児島弾丸ツアー2018Sep.の目玉の一つでしたが、ネットで調べてみるとこのお店の「種別」はジャズ・バーではなくダイニング・バー。
そこには「本格ジャズが流れる心地よい空間」と書かれているものの、お洒落なダイニング・バーにはよくある謳い文句で、正直なところ、何故九州ジャズロードに掲載されたのか疑問に思いながらの訪問でした。
お店に入ると目に入ってくるベースとキーボード。左手にカウンターとその奥に半個室の空間。
ダイニング・バーというネット情報からは想像もしていなかった狭くて長細い空間。
何だかジャズ・バーみたいと戸惑いながら(笑)、若いマスターのいるカウンター席へ。
最近ジャズ喫茶に行ったらまずはそのお店のカレーを味わうことにしているので、今回もその流れのまま、このキーマ・カレーを注文したのですが。
これはダイニング・バーと紹介されても、納得の逸品!
特にびっくりしたのは、ご飯に長粒米を使われておられること。
しかも、その数多く種類のある長粒米を色々試してみた結果、このインド産のバスマティ米に落ち着いたのだそうで、そのこだわりぶりには感心してしまいました。
カウンター席の奥には、マスターと話をしながら楽しそうに飲んでいる方が一人いらっしゃったのですが、マスターの同級生であることがわかり、何故か高校野球の話から意気投合。
マスターも交えてお話させていただいている内にそのバー的な居心地の良さが楽しくなってしまい、ジャズ・バーであろうがなかろうが「このお店はちょっとした時にふらっと寄りたくなるバー」とその一言で終わらせようかと思ったぐらいです。
ちなみに、この9月で引退された安室奈美恵さんと同世代のマスターは、音楽はジャズだけでなく、いいものなら何でもO.K.という考えの持ち主。
とは言え、元々ブルースのギタリストでジャズを演奏にするにあたりベーシストに転向したという経歴の持ち主で、そこに軸足があるのは間違いなし。
更には、チラッと垣間見えたジャズもん(注)ぶりもハンパではなさそう。
この日色々教えていただいた中で、マスターがその魅力について一番力説されたのは、ジャズではありませんが、ヴォーカルの中山うりさん。
「Do Re Mi Fa」というアルバムをご紹介いただいたので、いつものことながらその場で即、発注。
後日談になりますが、届いたアルバムを早速聴いてみたところ、これもいつものことながらではありますが、やはりマスターのオススメ・アルバムにハズレなし!
中でも私の大好きな中島みゆきの「ばいばいどくおぶざべい」を自分の曲のように歌っているのを聴いて、そのセンスの良さにはかなり驚かされました。
また、パット・メセニーを例に挙げながらおっしゃった「ジャズとはカッコ良さの追求」というお言葉には、このキリッとカッコいいマスターならではの説得力がありました。
ちなみにこの写真のフィギュアは、以前、徳永英彰さん(g)のライブでも触れました伝説のベーシスト ジャコ・パストリアスで、「パット・メセニーちゃうやん!」というツッコミはご勘弁願います。
ということで、またふらっと寄らせていただきますので、またよろしくお願いいたします。
【駐車場:無(近隣にコインパーキング多数有)、喫煙:可】
(注)くまもん、わさもん、若もん等、熊本では最後に「もん」をつけて、どんな人かを表します(くまもんは違う?笑)ので、ジャズに狂っている人、人生を捧げておられる人を「ジャズもん」と呼んでいます。
【2019.2.1追記】八代~鹿児島・超強行弾丸ツアー2019Jan.※の2日目最後に再訪してきましたが、何とカウンターが長くなり、窓が見えるようになって、驚かされました。
【2022.9.29追記】※この弾丸ツアーの様子は、こちら。← ちょっとおススメ!今回見返してみて、我ながら面白かったので。
最近のジャズについて、ジャズ喫茶案内の楠瀬さんのお言葉の受け売りで、
「フュージョンはジャズ・ミュージシャンがジャズにロックとか他の要素と融合させたものに対し、今の流行のジャズはヒップ・ホップを始めとした色んな音楽的要素等が元々身についているミュージシャンがジャズをやった時にそういう要素が自然と出てきているだけ」
というお話をしたところ、何とこのマスター、既に最近、ヒップ・ホップを聴き始めたのだとか。
トム・ミッシュのジオ・グラフィーというアルバム等を教えていただいたのですが、さすが!と感心しきり。
ゆったりとした時間の流れを身にまとった感じが何とも魅力的なこのマスター。
その若さからは全く想像が出来ませんが、実に貴重な存在で、その居心地の良さは抜群。
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