【紹介:絶妙なバランス感覚の不思議な店】鹿児島 天文館・Jazz spot CORNER POCKET(コーナーポケット) 23/01

鹿児島・天文館の七味小路にあるJazz spot CORNER POCKET(コーナーポケット)さん。

その客層は、上の年代の方から若い年代まで、コアなジャズ・マニアから全くジャズを聴かない方まで幅広く、行く度にその層が入れ替わり、いつも感心するお店。

店内は、コンクリート打ちっ放しで武骨な雰囲気。

ジャズ・バーとしては、従来の感覚・風習に捉われない若い感覚にして、昔ながらの居心地の良さも併せ持つという何とも絶妙なバランス感覚。

そして、このマスターですが、こんな幅広い客層を吸い寄せるからには無茶苦茶個性的な方かと思いきや、逆に一見、実に薄味。

ところが、知れば知るほどじわじわと旨味が増す方で、この味わい深さがポイント。

私個人は、大好きなピアニストの一人 渋谷毅さんの色んな名盤を聴かせていただいたり、鹿児島でライブを受け入れた多くのミュージシャン達の話等を教えていただけるのが楽しくて、長居することが多いのですが、これもこのマスターの持つ魅力のほんの一端?


というのも、今回訪問時に聞いて驚いたのですが、何とマスターはプロレス者。

もう伝説になってしまった高田 v.s. 武藤@東京ドームや大仁田 v.s. 天竜・電流爆破マッチ@川崎球場等、羨ましいばかりの観戦歴の持ち主。


同じプロレス者同士、この日初対面の常連 I 氏と共に大いに盛り上がった次第。※

また今回、マスターのギタリストとしての逸話等も初めて聞いて、思いました。

その間口の広さ、パッと見ではわかりにくい深みと独特の軽やかさに魅かれてこれまで通ってきましたが。。。


このマスター、まだまだ何が出てくるのか、楽しみは当分尽きそうにありません。

※この日はジェフ・ベックが亡くなったばかりだったこともあり、その追悼。そこに、その大ファンという I 氏が合流。強烈なジャズもんでもある I 氏とマスターの掛け合い漫才みたいな会話を軸に色んなジャズ・ネタでも盛り上がり、結局私がお先に失礼したのは27時過ぎでした。


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【以下、2019/01の記事を転載・追記】

鹿児島・天文館の七味小路にあるJazz spot CORNER POCKET(コーナーポケット)さんは、ちょっと不思議なお店。

その不思議の一つはこのお店のマーク。。。これまで行ったジャズ・スポットの中では見たことがなかった凝ったデザイン。

マスターによると、この左上にある薩摩焼酎マークのデザインを手掛けられた有名デザイナーにお願いして作ってもらわれたとのこと。

そして更には、この窓。。。このお店は七味小路に面した1階にあるのですが、外から「ほんのり明るい」店内が丸見え。

「ほの暗い」店内が丸見えというお店は宮崎・都城のオールド・アースさんで経験済みでしたが(笑)、「ほんのり明るい」お店はこれまで知りませんでした。

外から丸見えですから、中からも外がよく見える。

カウンターに座っていると背中側ではありますが、不思議な感覚としか言い様がありません。

そして、私が入店してからかけられたレコードがパット・メセニーのトラヴェルズ、続いてマイルス・ディビスのスティーミン。。。この流れもまた不思議と言えば、不思議。

パット・メセニーはともかく、スティーミンという超名盤をジャズ☆スポットで聴かせてもらったのは初めてでした。笑

あまりに不思議なことが多くて興味津々で色々お聞きしてしまいましたが(笑)、まずこのお店のマスターは今年48歳と九州ジャズ・バー界の中ではお若い方。

お店が新しい感じがしたのでご開業されたばかりかと思ったのですが、そうではなく、東京・神楽坂にあるJazz spot コーナーポケットさん でご修業された後にご開業されたのは、何と天文館にある明日の地図さんと同じ2001年。

ただ、このお店は2軒目で、最初のお店で15年営業した後、今の店舗に移られたとのこと。

パット・メセニーがお好きで、名盤と呼ばれるレコードをかけることに全く違和感はない、とおっしゃるこのマスター。

更には続けて、従来のジャズ・バーとは違った感性でやりたいと最近思うようになってきたともおっしゃったのですが、その一方、移転する際、通りに面した壁に窓を開ける決断をした時にはドキドキした、と素直におっしゃったそのバランス感覚は実に新鮮!

他に若いお客さんもいらっしゃったのですが、その集客力はこの感覚あってこそ、かもしれません。

そして今回の極めつけは、このカウント・ベイシー・オーケストラのエイプリル・イン・パリ。。。このお店の名前の由来となった「コーナー・ポケット」を聴かせていただいたのですが、これが本当にいい!

天井近くに置かれたJBL4312が心地良く鳴らす軽快で洒脱なビッグ・バンドの響き、入れ替わり立ち替わり出てくるソロの面々の上手いこと。。。実はこれまでビッグ・バンドは聴かず嫌いだったのですが、こんなに気持ち良くて楽しいものだったなんて、衝撃的でした。

今回、鹿児島・春山町の順刻堂のマスターにお聞きして初めて伺いましたが、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。

マスター!また伺った際も、よろしくお願いいたします。

【駐車場:無(近辺にコインパーキング多数有)、喫煙:可】


【追記】マスターは、その昔、ジャズ喫茶が幅広い文化が交流する場所であったことに対する憧憬があるとのこと。故中山信一郎氏の影響で始めたらハマってしまったという劇団公演の受け入れや仲間達と始めた俳句の会を始め、様々な異文化との交流も積極的に図っておられるそうです。


このお店の他の記事  ②20/06


※このお店は弊著「九州ジャズ・ガイド 第③号( ↓ )」掲載店です。

こちらもよろしくお願いいたします。 

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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑