大分 竹田・音と珈琲 一粒万倍(イチリュウマンバイ) 19/02+03

大分・竹田の荻にある音と珈琲 一粒万倍(イチリュウマンバイ)さん【※】は、先日51年の歴史に終止符を打たれた福岡・古処さんからJBLパラゴン等を譲り受けられたミニトマト農家 猪野ご夫妻のお店。

【※】名前の由来(注1)、マスター・ママの紹介(注2)、お店の位置・行き方(注3)、古処さんとの不思議な縁(注4)については後述のとおり。

【2019.9.9追記】2019年10月2日”一粒万倍日”に、いよいよプレ・オープン!

詳しくは、こちらのお店のHPで。

実際には、お店というより、猪野家のリビングルームを訪問するような雰囲気ですが、かなりボリュームを上げてもご近所さんから全くクレームが来ない環境は素晴らしいの一言。

夜遅くまで居座ってしまった時もそれは同じで。。。つまりは、隣接する家がない田舎の一軒家、ということでもありますが。笑

古処のマスターがじっくり育て上げられたJBLパラゴンxマッキントッシュのアンプ(プリ:C32、パワー:MC2500)というシステムが鳴らすジャズは、場所を変えても、実にご機嫌。

それどころか、クラシックの大オーケストラも気持ち良く鳴るので、びっくり。。。スピーカーの胴鳴り=木のやわらかい響きが低い天井・細長い空間とうまくマッチングした結果でしょうか?

古処さんでは聴く機会もなかった音源ですが、知らなかったパラゴンの音にも魅了されてしまいました。

【2019.3.31追記:3月に訪問した時の感想】ご近所のマニアの皆様の改善の結果、音がすっきりしてボリュームを上げれるようになったのですが、その結果、音が飽和気味になり、天井の高さが気になるように。。。

また同時に、マスターご夫妻は、パラゴンをどう鳴らすべきか?どう鳴らしたいのか?というスタートラインに立たれたようで、これからどう変わっていくのか、スピーカーとして鳴りっぷりの良さを目指すのか、楽器としてパラゴン独特の音色・音場感を楽しむのか、楽しみになってきました。

ただ、普通のオーディオ・マニアなら、スピーカー位置を変えて最適な場所を探るのですが、300kg超あるこのスピーカーでその実験はかなり困難なことがわかりました。苦笑

お店の中は、玄関入ってすぐ置いてあるこの灯もそうですが、古処さんから引き継がれたものがあちらこちらに飾られており、よくお世話になった私としては懐かしさもいっぱい。

とは言っても、細部はまだまだ模様替えをあれこれご検討中の段階で、訪問させていただく度に場所が変わっているものもありますし、椅子も解体・修理中だったりします。笑

また、古処さんから引き継げなかったレコードは現在このお店の大きな課題で、

「レコードやCDの持ち込み・寄贈は大歓迎」

「『レコード購入基金ポスト』を設置しているので、ご協力願います」

とのこと。。。ご協力の程、よろしくお願いいたします。

お店は、基本的にママが対応されることになるそうで、マスターと相談しながら頑張っておられます。

というのも、猪野家は夏秋対応のミニトマトを生産なさっておられるので、マスターはこれからが繁忙期。また、地元の役員や研究会等もあるので、当分、お店ではお会い出来ないかも、です。

現在、このお店は「プレプレ・オープン」と称する準備期間中で、予約制ですが、猪野家のお客さんとして訪問することが出来ます。

ご訪問を希望される方は下記までご連絡くださいませ。

猪野(イノ) 美智子さん 電話番号:090-7536-7272     

尚、ご近所さんだけでなく、古処の常連さん等、色んな方々が既にご訪問されたそうで、お菓子等のお土産は既に飽和状態とのこと。

マスターとママにとっては、お土産代をそのまま「レコード購入基金ポスト」に入れてもらうのが一番ありがたいようです。

今後ご訪問される方への情報まで。

「古処さんを見習って、50年はやりたい!」と意気込んでおられるこの新しいマスターとママ、是非、じっくり末永く、その夢を実現してもらいたいものです。

【駐車場:有、喫煙:原則、不可】


(注1)このお店の名前「一粒万倍(イチリュウマンバイ)」は、「稲穂は一粒の籾(モミ)が実って万倍にもなる」という意味を持つ縁起がいい言葉。

「大分の竹田という地で蒔いたこの一粒の種=ジャズを始めとする音楽文化が、この地でじっくり広がっていけば」という願いも込められ、こう名付けられたのだそうです。

初めて聞く言葉でしたが、意味をお聞きして納得。ミニトマト農家であるこのご夫妻らしいネーミングで、実に素敵な理念だと思いました。

また実際「竹田にパラゴンを持って来てくれて、ありがとう!」「実は音楽が好きだったの、ジャズっていいものね」等々の反響があったようで、相当な勢いでその効果が広がっている模様。。。もっともっと広がっていけば、いいですね!

(注2-1)マスター 猪野精一郎さんの紹介:古処さんがご開業されたS.42にこの地で生まれたマスターは、サラリーマンからミニトマト農家にご転進され、今年で9年目。当初は周りの方々に助けていただいたものの、今では地元の方も驚く成果を上げておられる方。

こだわりと強い意思・負けん気の強さといった農業においても大切な性格を持っておられる上、データ重視等の新しい感覚もお持ちで、更には、とてもツイておられる方。

今回の話もそのツキと縁のつながるままに展開、ご本人達はドキドキしたようですが、周りの人に恵まれ、サポートを受け、結果的にここまでとても順調に推移。

音楽的には、中学からトランペットに魅入られ、数年前まで大分では知る人ぞ知るミッズジャズオーケストラというアマチュアのビッグバンドの一員としてご活躍。

先にも書きましたとおり、マスターはこれから繁忙期に入られるので、しばらくの間、なかなかお会い出来ないかもしれませんが。。。クラシックに対してもとても豊かな感受性をお持ちなので、クラシック色にも染めてみたい、と密かに狙っています。笑

【ご参考】猪野家にいる可愛い2匹の犬は、ゴールデン・リトリバーのマルクくん1歳(下の写真)とトイ・プードルのユズくん3歳(その後の写真)。併せてご贔屓に。

(注2-2)ママ 猪野美智子さんの紹介:マスター同様、この地で生まれ育ったママは、将来的に喫茶店をやりたいと考えていたものの、でも、こんなに予定が繰り上がるなんて、と現在、バタバタとご修業中。

以前、シフォンケーキをプロとして焼いていた時期もあるそうですが、その基本動作の数々については、しばらくの間、ゆっくり見守ってあげたいと思います。

でもこの方は、間違いなく、ジャズ☆スポットのママに向いていると思います。。。その理由は、マニアックで申し訳ありませんが、よくプリ・アンプのボリュームを触られること。

これは居心地の良いジャズ☆スポットのマスター/ママが必ずされる動きで、そのレコード=作品毎によって適正なボリュームがあること、違うレベルで録音された曲がそのまま1枚に収録されているレコードもあること等から必要となるコマメなボリューム調整ですが、このママが何気なくやっておられて、初めて見た時にはかなりビックリ!

更にはそのボリュームが決してBGM的なものではなく、その作品に見合ったボリュームを探しておられることにも感心。。。まだそれぞれのレコードの内容を覚えておられないので、作品毎に聴きながら何度か調整されますが、その内、作品毎にピタッ、ピタッとボリュームを合わせられるのではないかと楽しみにしています。

(注3)お店の位置・行き方:竹田(タケタ)は大分県の南西部に位置し、瀧廉太郎が「荒城の月」の構想を練った岡城で知られる城下町ですが、このお店がある荻町はそこから国道57号線を熊本方面に向かって車で約20分行った山間の田畑の中。

国道57号線は豊後街道と呼ばれる古くからの街道ですが、熊本と大分のほぼ真ん中(大分まで67km、熊本まで66km)で交差するのが県道640号線。

私が熊本からこのお店に向っている時には、「大分まで70km」という標識を見て、「あと3km(70-67)で、右折!」と認識したりしています。笑

そして、この看板を大分側に見ながら県道640号線を荻町方面へくねくね南下して、車で約5分。

この公民館が右手に見えたら左手にある細い道に入り、道なりに少し右に曲がった左手に、このお店があります。

ちなみに最近、この竹田には都会からの移住者が増えているのだとか。。。ただその理由が面白く、最初は阿蘇を検討するものの値段等の問題から断念し、阿蘇の隣町であることからこの地を検討されるのだそうです。笑

(注4) 古処さんとの不思議な縁については、以前書いたこちらの追記欄のとおりですが、下記に転記しておきます。

今回、古処さんがこれ程見事に幕を引けたのは、とても素敵な縁の賜物で、その主役はこの古処さんのファイナル・セッションでご挨拶された猪野ご夫妻。

ダンナさんはクリフォード・ブラウン好きのトランペット吹きで、ビッグバンドにも所属していた方。その影響でジャズを聴くようになったという奥さんはおしゃべり好きの明るい方で、将来の夢は喫茶店を経営すること。

今回の素敵な縁は、そんな奥さんが体調を崩され、福岡の病院へ通うことになったこと、またその道中にこのお店を見つけて立ち寄られたことから始まります。それが、昨年の9月初旬。

そしてこの奥さんが、古処の奥様から「あなた、喫茶店をやらない?」とパラゴンを始めとしたオーディオ・システムや食器等を譲り渡したい旨のプロポーズを受けたのは、それからまだ間もない数回目のこと。

後日ダンナさんが古処の奥様に「何故、うちの妻に?」と質問されたのですが、曰く「何年もやっていればわかるのよ」。。。いやいや、恐れ入りました。笑

それにしても、2年後ぐらいから喫茶店経営を考えようと思っていたとは言え、これまで喫茶店どころか飲食業にも全く無縁だった猪野ご夫婦。

よくぞ、こんな突然の話をご快諾されたなぁ、と聞いた時には驚きましたが、それを決めたダンナさんはこのお店のクリスマス・パーティの時に常連さん達に挨拶文を渡される等、「ド」がつく真面目で誠実な方。。。全てが急に動き、更にはこのお店の遺産を引き継ぐプレッシャー、常連さんや周囲の方々の期待もかかり、「やはりパラゴンに似つかわしいお店が必要?」「それなら建築資金をクラウド・ファウンディングで集めるべきか?」等々、かなり悩んでおられました。

そして、「どんなお店にしたいのか?」とご夫婦で考え抜かれた結果、「細々とでもいいから、いつまでも長く続けられるお店にしたい」とのご結論。

まずはご自宅の20畳の居間を使った小さい開業を目指すことにされました。

しかも、奥さんがその意気込みとして口にされたのは「『百歳のばばあがジャズの店をやってるよと言われるようになりたい』というこの方を目指したい」。

田代俊一郎さんの名著「九州ジャズロード」からの引用ですが、「この方」というのは、私も大好きな昨年ご勇退された福岡のALFEEのママ。。。さすが古処の奥様、いい方を選ばれたものです。

また、ダンナさんの生まれた年が、このお店の開業した昭和42年であることも何か縁を感じさせますし、全て縁の思し召すまま、きっとうまく進んでいくのでしょう。

新たなお店へのバトン・タッチを気長に見守っていきたいと思います。

尚、古処さんのファイナル・セッション(2019.1.12)でマスターご夫妻と猪野ご夫妻のこんな写真を撮った私ですが、色々お世話になった古処のマスターご夫妻はともかく、その10日前まで全く面識もなかった猪野ご夫妻。

最初にお電話をいただいてから、全てがタイミングの良くうまく進んだことも含め、縁の不思議さ・素晴らしさに、新年早々、感動させていただきました。

そんな私との縁については、マスターが記事を書いてくださいましたので、こちらをご覧ください。

ちなみにこれは、古処さんから一粒万倍さんに引き継がれたレコード飾り台に描かれた素敵なピアニストの絵。。。全て、古処の常連さんの手作りだそうですが、古処さんでも印象深い逸品でした。

そこで今回のありがたい縁の記念に、この絵を私のサイトのトレード・マークとして使わせてほしい!とお願いしたところ、ご快諾をいただきましたので、併せてご報告まで。


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・ロード巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。

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