コロナ明けライブ三景~TReS/林栄一3(石田幹雄,外山明)/類家新平&江藤良人DUO~

コロナ対応で抑えつけられていたナマ音欲求を晴らしてくれたライブ。。。このままだとまた書けずに過ぎ去ってしまいそうなので、ほぼメモ書きのままで申し訳ありませんが、3つのライブを一気に書き連ねます。


1.TReS(トレス)ライブ@福岡・大宰府 ドルフィーズさん

7月、「コロナ自粛明け」一発目のタイミングで行われたこのライブ。

お客さんの数を限定、店の窓を開け放って開催。

別に普通に聴いても、無茶苦茶良かったはず。

でも今回は特別。。。不要不急と切り捨てられた後に聴く、初めてのライブ。

圧倒的な彼らの音を浴びた瞬間、涙が出た。アルトの咆哮が心に沁みた。

TReS早坂紗知さん(as,ss)&永田俊樹さん(b)というご夫婦とその息子のRIOさん(bs)という家族で構成されたバンド。

普通、この変則的な編成だったら、ベースの上をアルト・サックスが駆け巡り、バリトン・サックスはそこに絡むか支えるか、のはず。

でもこのバンドは普通ではなかった。ベースやバリトン・サックスを他の2人が支えるパターンが多い。

家族で支え合う不思議な光景、不思議な音響。何とも言えない心地好さ。

五臓六腑に沁みわたる音。

初めて体感したバリトン・サックス。あまりにも魅力的でびっくり。

不要不急にこそあった幸せ。。。それを改めて実感させてくれたこの世界最強の家族バンドに幸あれ!です。


素晴らしいライブを聴いてしまうとつい購入してしまう彼らのアルバム。。。今回は最後にまとめてご紹介します。

2.林栄一トリオ@熊本・阿蘇 山頭火SOUKOさん

1stセットには間に合わず。

2ndからの観戦だったものの、諦めずに聴きに行って良かった!

愛想のない無骨なドラムに変幻自在のピアノ。

その上に悠々と乗る枯れた味わいのアルト・サックス。

石田幹雄さんは、色んなマスターが褒めるのでどうしても聴きたかったピアニスト。

その音楽、軟体動物のように揺れ動く弾き方。どれもこれも無茶苦茶面白く、マスターのオススメにハズレなし、を今回も実感。

外山(ソトヤマ)明さんは、板橋文夫バンド・ライブでいつも気になっていたドラマー。

その重量感と切れ味、感性は唯一無二。気持ち良かった。

林栄一さんは言うまでもなく、アルト・サックスの大御所。一度は聴きたかった方で、この間合い、感性、音をナマで聴くことが出来、良かった。

ただ一つだけ残念なこと。愛聴盤である峰厚介さん(ts)、渋谷毅さん(p)とのアルバム「ランデブー」にサインをしてもらいたかったのに。。。持って行くのを忘れてしまいました。

特筆すべきは、外山さんと石田さんの掛け合いの中で生まれた静寂の美しさ!

ジャズというより現代音楽的な?外山ワールド。鳥肌もの。

山頭火のマスターの凝り性ぶりが遺憾なく発揮されたコロナ対策はバッチリでした。また、この九州ツアーにこのライブを追加企画いただき、感謝。

3.類家新平(TP)&江藤良人(ds)DUOライブ @ 福岡・大橋 Bar 柑(カン)さん

10月、コロナ「第二波」自粛明けのタイミングで行われたこのライブ。

この二人でやるのは初めて、というスペシャルなDUO。

こんな面白いライブを企画するのは、柑さんならでは!

熱くも美しくも楽しくも自由自在。

引き出しの多さを魅せつけ、全く飽きさせない二人。

大野えりさん(vo)との痺れた名演、井上銘(g)さん率いるMAY INOUE STEREO CHAMPでの熱演、本田珠也さん(ds)率いるTAMAXILLE(タマザイル)でのカッコいい演奏等々、一時期、私が感動したライブには必ずこの方がいらっしゃったという類家新平さん

久しぶりにお聴きしましたが、今回もさすが!の一言。

でもこの日の一番の楽しみは、後藤浩二さん加藤雅史さん(b)とのトリオ the Erosで聴いて以来の江藤良人さん。

ドラムだけであの類家さんをどんな風に支え、どんな風に絡まれるのか?でしたが、これがもう驚愕のサポートぶり。。。こんな多彩でシャープで茶目っ気たっぷりな演奏を魅せられると、次はソロ・ライブが聴きたい。実に素晴らしかった。

ちなみにこのライブ、後藤浩二さん(p)と丹羽肇さん(b)との豪華なカルテットでのツアーの合間に組まれたものですが、お二人共、この日はお客さん。

前日の福岡・ニューコンボさんか3日後の熊本・酔ingさんでこのメンバーでの演奏も聴きたかったのですが、両日とも都合合わず。それだけが残念でした。

さて、今回のライブで購入したアルバムを簡単にご紹介します。

まずは恒例となっているという山下洋輔さん(p)&早坂紗知さんのバースデー・ライブの最新アルバム 2.26。

TReSのメンバーが全員参加している上、山下洋輔トリオ結成50周年ということで、あの森山威男さん(ds)さんまで参加しているこれまたスペシャルなアルバム。どこかのマスターの口癖ではありませんが、実にゴキゲンな一枚。


次は、 四管獣-Shikanju-。

RIOさんのリーダーユニットで、纐纈雅代さん(as)、佐藤敬幸さん(as)、上運天淳市さん(ts)という素晴らしいサックス奏者達とのコラボ。その爽快な快演はオープン・カーのお供に最適の逸品。


林栄一さんの2枚組アルバムGATOS Meetingはオマケ0.5枚をつけていただいたお買い得盤。

手練れのミュージシャン達があれこれ聴かせてくれるアルバム。ジャズらしいアルバムが聴きたくなった時につい聴いてしまうのも、聴いていて一番落ち着くのも、やっぱりこれ。


石田幹雄さんの1枚目は、色んなジャズ・バーで薦められ、聴かされてきたピアノ・ソロ・アルバム「時景」。

その良さは今更私が語るまでもありません。ようやくゲット。

その2枚目は、ピアノ・トリオ「瞬芸」。

一筋縄ではいかない石田さんのピアノを軸に展開するとても聴き応えのあるアルバム。思わずニヤニヤしてしまう楽しさ満載で、好きな人には堪えられません。


番外編になりますが、外山明さん。。。家に帰ってからそのアルバムを探していたら、何とあの古澤良治郎さん(ds)とのDUOアルバムが!

今から10数年前の録音になりますが、Duo Live at SHIBUYA LUSHというこのアルバムで聴けるこの緊張感はやはり外山ワールド。楽しい。


類家新平さんのリーダー・アルバム「RS5PB」。

今、類家さんが目指しておられる音楽が聴けるアルバム。予想していなかったエレクトリック・サウンドに最初は驚きましたが、一度ライブで聴いてみなければ、と思わされた一枚。


そして最後は江藤良人さん。以前購入したものですが、the Erosの「Warm Feelings」。

元々素晴らしいアンサンブルが聴けるアルバムでこれまでも楽しんで聴いてきた二枚組ですが、今回江藤さんの卓越した演奏を体験したことで、このアルバムの聴きどころが更に増えました。


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2コメント

  • 1000 / 1000

  • R35sTutti

    2020.10.18 15:53

    @pontaka高山様、有難いコメントをいただき、また弊記事をご覧いただき、どうもありがとうございます。 私も福岡時代、秋葉さんにとてもお世話になっておりましたので、JAB繋がりとお聞きするとそれだけで近しく感じてしまいました。面白いものですね。何度かカウンターでご一緒させていただいたこともあるのでしょうか? 11月にはベイシーに行かれるのですか?!あの音は本当に格別ですね!ちょうど昨日映画を観て、また行きたいなぁと思っていたところですので、羨ましい限りです。 エルビンさんは噂では聞いておりますが、行ったことがないので、何とか聴く機会を作るべきですね。。。 竹田ご出張では、二はぜさんや一粒万倍で楽しい時間を過ごされますことを祈念いたしております。 今後も引き続きよろしくお願いいたします。
  • pontaka

    2020.10.17 08:04

    初めまして、福岡から尼崎に単身赴任しています高山と申します。私は仕事であちこち出張しますので、大変参考にさせて頂いています、来週も竹田市に行きますので、二はぜと一粒万培に行こうと思います、貴殿のブログではじめて知りましたありがとうございます。私は、16歳からジャズを聴き始めて40年飽きずに楽しんでいます。学生時代(大学)は、週3でジャブに行っていました。秋葉さんとは長いつきあいです。貴殿のブログは、最も楽しめる、ブログです、これからも沢山の情報お教え願います。ありがとうございます。 11月は、盛岡に行きますので、足を延ばしてベイシーに行ってきます、私的には、1番の音です。因みに2番はエルビンです。それでは、失礼します。

汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑