福岡・大宰府のJazz Inn DOLPHY's(ドルフィーズ)さんは地元密着型の人気店(注1)ですが、私のようなジャズ☆スポット巡りをしている人=車で行く人にとっても立ち寄りやすく(注2)、そして、ふと立ち寄りたくなるお店。
この年末/年始に限って言うと、ついどちらもふらっと立ち寄ってご挨拶して来たのですが、今回はこれまでお邪魔してきて溜まったネタを一挙大公開します。
(注1)人気の理由:大宰府という住宅街の中にある地の利/ジャズ・バーというよりお洒落なダイニング・バーと言っても良さそうな雰囲気と充実したメニュー/人当たりのいいマスターとママが醸し出す温かく居心地のいい空間/店内に流れる心地好いジャズ等
(注2)寄りやすい立地環境:最寄りの大宰府ICから約6km、10分と近いこと/大宰府ICは福岡都市高速から九州自動車道へ乗り継ぎのICで降りやすいこと/福岡市内のお店としては珍しく駐車場があること等
このお店の特徴の一つは、ジャズを聴くお客さん、耳の肥えたリスナーが多いこと。もしかすると、音楽を聴くお客さんをジャズも聴けるようにし、そんな皆さんを耳の肥えたリスナーにしたこと、が正しいのかもしれませんが。
例えば、数か月に一度行われるこのお店のライブに、初めて大野えりさんがご出演された時のこと。集まったお客さんは20数人だったそうですが、その熱演ぶりがちゃんと伝わり、次の会からは何と倍増、満員。。。これがこのお店のお客さんのスゴい所。レベルの高い演奏に触れる機会が増えた結果、出演者に対する期待値もどんどんアップし、ライブに対するマスターへの要求も多くなってきたのだとか。
でも、そんな期待にちゃんと応えてしまうのも、このマスター。
つい先日も私の大好きな藤山E.T.英一郎さん(ds)&小森陽子さん(org)のE.T.セッションに九州在住のSaxの重鎮 川下直広さんをブッキングするという、これまでありそうでなかったライブをご企画・ご実施。九州を代表する重量級の激突で、これぞまさにジャズ!といった一期一会のライブになったとのこと。観戦出来ずに、本当に残念。
最近では来てほしい方からのオファーが同時期に重なる等、贅沢な悩みも抱えておられる模様ですが、「心に残るライブだけをやりたい」とおっしゃるこのお店のライブには今後も期待!です。
お客さんで驚かされたことと言えば、マスターが「ライブでキアズマをやる方がいらっしゃるから」とその強烈な名曲の入った山下洋輔トリオの1975年のドイツ・ライブのCDを大音量でかけられたのですが、お客さんが誰一人としてびくともされない。あり得ない。笑
まさに同じ音源がYoutuveにアップされていましたのでリンクを貼りましたが(もしリンクが切れていたら、「山下洋輔、キアズマ」でご検索ください)、フリー・ジャズのスタイルで、爆発的なエネルギーを放出しまくるこの演奏。
初めてこの曲をこんな大音量で浴びましたが、やっぱりいい。。。最近、私の口癖のようになってきましたが、大音量・いい音がジャズにはやっぱり必要。
同じ曲でも、これまでに感じたことのなかった感動が呼び起こされたりしますし、それはこの静けさがウリ?の名盤「静かなるケニー」でも同じことが言えます。
閑話休題。この落ち着きとは程遠いカオスが鳴り響く中、ちゃんとこのお店での時間を楽しんでおられるお客さん達。
しかもマスター、CDが終わってから一言「ごめん!キアズマだけ、もう一回聴かせて!」
本当に、スゴいお店。
※ちなみに、日頃はこんな大音量でジャズを聴かせているお店ではありません。何せ、そのウリの一つはあくまでお洒落なダイニング・バーみたいなお店、ですから。
マスターと言えば、昔、東京の第一線で舞台監督をなさっておられたこともあり、プロフェッショナルということにこだわりを持っておられる方。
「どんなに努力してもそれだけで化けることはない。そこに自分をさらけ出す等、何かキッカケも必要」等、時としてキビしいことをおっしゃったりもしますが、この年末に教えていただいた大野えりさんのお言葉は実に印象的でした。
「プロは覚悟」
ライブ終演後の大野さんは全身抜け殻のようという逸話と共に伺っただけに、余計そう感じたのかもしれません。何せ、私自身が体験したそのライブでは確かにそうなるかも?と思える凄い燃焼度でしたので。
さてここで、今年思い立って取り組み始めたプロジェクト・リ!コルトレーン。
そんなマスターにコルトレーンについて伺ってみたのですが、これがまた実に興味深かった。。。曰く、マスターがコルトレーンを聴き始めた当時はジャズ喫茶全盛期だったこと、どこに行っても、かかっているのはコルトレーンばかりだったこと、そのマニアックなファンはマスターより少し上の団塊の世代に多いこと、彼らが最高傑作と言う「至上の愛」を否定することなんて、絶対に出来ない雰囲気だったこと、等々。
更に曰く、そんなマニアの相手をするのが面倒で、派閥が嫌いだったから、エリック・ドルフィーばかり聴いていた。。。そう、そう言えばこのお店は、ドルフィーズ、でした。笑
そんなマスターのコルトレーンのアルバムでのお気に入りは、ジャイアント・ステップ。あの中のメロディをエラ・フィッツジェラルドがイン・ベルリンのハウ・ハイ・ザ・ムーンで真似している等のお話を伺っている内に、残念ながらタイム・アップ。
また、立ち寄りますので、引き続きよろしくお願いいたします。そして、早くFBでライブ情報が見れるようになると嬉しいです。併せてお願いいたします。
【駐車場:有、喫煙:可】
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ライブ:梅津和時&伊東ミキオDUO 大野えり【w/類家新平、石田衛、小牧良平 】
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