秋のジャズ・ライブ3連戦 19/11【板橋文夫、後藤浩二、奥平真吾】

恒例となりました(?)秋のジャズ・ライブ3連戦。

現在、記憶に新しい順から書き進めていることもあり(苦笑)、まずは最後に行った板橋文夫 古希Special Band@熊本・おくらさん

今年古希を迎えられた板橋文夫さんですが、そのパワフルさはご健在で、時折入る雄叫びのカッコいいこと!

演奏者は前回北九州・風土さんでお聴きした時同様、板橋 文夫さん(pf)、瀬尾 高志さん(b)、外山 明さん(ds)、高岡 大佑さん(tuba)、纐纈 雅代さん(as)という5人でしたが、今回は狭いおくらさんだっただけに演奏の熱さに加え、物理的にも暑くて死にそうになったこのライブ。笑

腕っぷしの強いプレイヤー達が激しい自己主張をぶつけ合い、シャウトする所ではその本気度で店を震わせ、カオスを生み出し、聴かせ所はたっぷりトロけるような甘い音を聴かせ、板橋さんの古希をお祝いするコキコキ・セブンティでは観客も巻き込み♪コキコキ~と合いの手を入れさせる愛嬌もあるといった感じで、何が飛び出すのかわからないこのメンバー。

中でもスゴいのは、突如として生み出されるあの静けさ。。。あの激しい音楽の中で、というべきか、あれがあるからこそ、というべきか、いずれにせよジャズではなかなか聴くことが出来ないそれはまさに鳥肌もの。その感動は現代音楽の演奏で味わえるものに近いかも?です。

とにもかくにも、こんなスゴいメンバーが揃って聴けるライブは贅沢以外の何物でもなく。。。心から満喫させていただきました。

続いて、その2日前に行った後藤浩二さんのピアノ・ソロ@福岡・大橋の柑(カン)さん

後藤さんは宮崎のcafe take5(テイク・ファイブ)のご子息ということもあり、是非一度!と初めて聴かせていただいたのが、今年の5月におくらさんで行われたthe EROS[後藤浩二(p)、江藤良人(ds)、加藤雅史(b]のライブ。

レギュラーで演奏しておられるメンバーということもあるのでしょうが、そのバランスの良さ、間の良さ、安定感は秀逸。激しく美しく楽しい3人の演奏、音の世界に魅せられましたし、やっぱりいいピアノ・トリオを聴くとホッとします。

またその中で、後藤さんのピアノの音色がとても豊かなこともわかりましたので、今度はグランド・ピアノで聴いてみたいと願っておりました。

そんなある日、柑さんのFBをチェックしていたら、何と後藤さんのピアノ・ソロでライブされるとのこと。

こんな滅多にない機会に、平日ではあったのですが、喜び勇んで福岡まで行ってきました。

ジャズ・ライブではとても珍しいことですが、ほぼ定刻に始まったこのライブ。女性客が約半数ということにも驚きましたが、本当に行って良かった!

後藤さんのピアノ、想像以上に素晴らしかった。。。その粒立ちのいい音、しみじみと美しい響きや硬質な芯のある響き等、その曲・メロディーに合わせて使い分けられる豊かな音のヴァリエーション。

メロディーの美しさに酔わされ、リズムの楽しさにノセられ、一音の美しさに悶絶させられる等、もうその手のひらで転がされっぱなし。

またその繊細で美しい演奏とは何ともギャップのある素朴なMCも楽しく、この日はご愛用の龍角散のノン・シュガーのど飴「カシス&ブルーベリー」のご紹介等で笑いを取っておられました。

ちなみにこのライブが行われた柑さんは、今回のように他ではなかなか聴けないライブを開催されるのでチェックが欠かせないお店。

でももしかするとこのお店のライブは、採算度外視でママとご主人が趣味で開催しておられるのでは?もしそうだとすると、一緒に聴かせていただける我々は有難いとしか言い様もないのですが、そんな夢を実現されたこのご夫婦が羨ましい限りでもあります。笑

そして最後は、その前日に聴いた奥平真吾トリオ with 増尾好秋@熊本阿蘇・山頭火SOUKOさん

北九州・風土のマスターからずっと機会があったら聴いみて!と言われていた奥平さんでしたが、ようやく聴くことが出来ました。

いいドラマーはどんなに大きな音を出してもうるさくない、その間の良さは切れ味の良さがあってこそ生きる。。。という言葉を思い出しましたが、そんなドラマーが支えるこのカルテット。

また今回は、渡辺貞夫カルテットに所属された後、NY在住で演奏しておられるレジェンド・ギタリスト 増尾好秋さんの来日公演。

増尾さんの渡辺貞夫カルテット時代の名曲を織り交ぜながら進められましたが、力量の高い4人が揃うと、ジャズとはかくも快く響くものかと感心したライブでもありました。

尚、久しぶりにお会いした山頭火のマスターでしたが、お忙しくてあまりお話することも出来ず、それだけが少し残念。

といった感じで、2019年もライブに恵まれた年でした。

でも、何本も行きたかったライブを逃したこともあり、ここは敢えて欲張ったお願いをしておきます。来年はもっともっと恵まれますように!笑


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九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑