福岡朝倉・喫茶 古処 ①17/04

今回は福岡市内から車で南へ約1時間、福岡県朝倉市にある古処さんに行って来ました。

2度目の訪問となる古処さん、前回はマスターが大勢の常連さん・お客さんへの応対に忙しそうだったのであっさり退散したのですが、今回はお客さんが他に1人しかいないという、私にとっては運の良い状況。マスターとじっくりお話させていただきました。

さて古処さんですが、特徴的なのはまずほぼ円形に見える広い空間と高い天井、その奥に鎮座する伝説的スピーカーJBL パラゴン。そして、それを鳴らしているのはマニア垂涎の往年の銘機、レコードプレーヤーGARRARD401とMacIntoshの大型アンプ C32とMC2500ですので、老舗ジャズ喫茶と名乗っても風格十分のラインナップ。にもかかわらず、このお店の名前は単なる「喫茶」。。。名前にジャズが入っていないと何が起きるのか?当然の如く、普通のお客さんに合わせて、通常のボリュームがかなり押さえ目になります。苦笑

とは言え、その音はさすがにこれらの銘機が鳴らしているだけに単なるBGMに終わらず、その開放的な音がとても居心地の良い空間を生み出しているのも事実ですが。。。

オーディオマニアとしては、その本当の実力が聴きたいと思うのもまた事実。ただ、そんな気持ちを知ってか知らずか、残っていたお客さんが帰られた直後、「せっかくですから」とおっしゃりながらさっとボリュームを上げられるマスター。。。やはりここはジャズ喫茶!笑

マスターがその本性を少し覗かせ、パラゴンもその本領を発揮!そしてこのシステムが生み出すものは。。。これぞジャズ・バーの音みたいな、前へ前へと主張する音や高い音圧ではなく、オーディオ的快楽でもあるバチっとした定位の良さや金管やドラム等の音離れの良さでもなく、軽やかで抜けの良い音が空間に漂い、広がる空気感満載の独特な音場。今時のハイエンド・オーディオが目指す方向とは全く違うので、最新の録音を聴くと物足りない気はしますが、その当時のレコード再生美学の一つの方向性を突き詰めた形なのでしょう。私はこの音が嫌いではありません。

ちなみにパラゴンと言えば大分のあーでんさん以来2回目ですが、あーでんさんも高い天井の広い空間で鳴らしておられることもあり、その傾向はやはり同じでした。。。パラゴンの音の傾向という意味では、マスター始め何人かの方にご紹介いただいた鹿児島・パラゴンさんの音を早く聴きに行きたくなりました。

話を古処さんに戻しますが、マスターはこのパラゴンをもう40年鳴らしているとおっしゃっておられましたが、ここに行き着くまでにアルテックやJBLを試され、パラゴンに辿り着いてからは今度はアンプ。。。今のMacIntoshのC32とMC2500に辿り着くまでにまた何度も換えられたそうで、「すごい投資ですね!」と言った私の言葉に、ずっと横で静かに聞いておられた奥様が「お金が飛んで行った!」とばかり笑顔で黙って両手を挙げられたのには一同爆笑でした。

それ以外にもパラゴンの下にあるパワーアンプは、このレコードプレーヤーとプリアンプの近くに置くより音がいいからというオーディオへのこだわりの話や、九州ジャズ喫茶/バーのマスターの集会を5年程前にこのお店で開いた話等々、色々な話をお伺い出来て楽しかったです。

そして頂いた恒例のサインですが、非常なる達筆で驚きました。

このお店の近場にはゴルフ場が多いので、またその帰りに寄らせていただこうと思っています。

尚、このお店の近くに、黒田官兵衛ゆかりの秋月城址という所があるのですが、そこが何と桜の名所!ということで、久しぶりに花見も楽しんできました。天気にも恵まれていた上、満開の一週間遅れということで人混みもほとんどなく、本当にツイていた一日でした。

【駐車場:有、喫煙:可】


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑