福岡 北九州 小倉・Jazz Street 52 ①17/10


北九州・小倉にあるジャズ・ストリート52さん

私にとっては昔のジャズ・スポットをイメージさせてくれるお店、そしてマスター。

これまで2回通って、一度もまともにマスターと会話する機会に恵まれなかった、写真を撮る許可さえお願い出来なかったお店。。。なので、このお店の写真はこれだけです。笑

確かにこのお店のマスターは九州ジャズ界にこの人あり、と言われている大御所の一人ではありますが、特にそのことで気後れした訳ではありません。昔より随分丸くなられたとの裏情報もいただいておりましたし。


それでは何故、他のお客さんが一人もいない時間があれだけあったのに、マスターのお話を全く伺うことが出来なかったのか?

実際のところはうまくお伝えしにくいのですが、常連さんでカウンター席に座っているならともかく(注)、あの音量の中、初対面の人がマスターと長い会話をすること自体、困難だから、と言えば、伝わるでしょうか?


このお店はJBL4311という中型スピーカーをマッキントッシュのプリアンプ等で鳴らされているのですが、元々鳴りっぷりに定評のあるこのスピーカーを大き目のボリューム、かつ、独特なセッティング~スピーカーをカウンター後ろのレコード棚の一箇所に狭い間隔で配置、その下のレコードプレーヤーが置かれている棚の空間もうまく利用~で使用されておられる結果、とてもこのサイズのスピーカーから出ているとは思えないような音が鳴っています。


そして困ったことに、このお店には福岡・井尻のALFIEさんの所で書いた”ちゃんとスピーカーと向き合った”席があります。それは、後ろのソファー席のカウンター奥から3番目の真後ろ(カウンターのその位置はかなりの爆音です)。

それでは、その席に座ると何が起きるのか?まさにこれが、オーディオ評論家の和田博巳さんが提唱されておられる「ニアフィールドリスニング(小さな部屋で比較的小型のスピーカーを使って、近い距離で音楽を楽しむ)」の世界だと思うのですが、迫力満点の聴き惚れるようないい音でジャズが浴びるように聴けるので、黙ってその世界に浸るのみ、となってしまいます。(逆に、マスターからはその席にいる私の声は聞き取りにくいので、既にその時点で会話は困難。。。)


今回は「同郷でいつも良くしてもらっている」という天神・JABのマスターから「うちからの紹介と言ったらいいよ!」とおっしゃってもらっていたので、せめてそれぐらいは伝えようとヤキモキもしましたが、途中からは「このままの方がいいのでは?」と思うようになりました。


ということで、九州で唯一、昔ながらのジャズ・スポットの雰囲気が残っているお店です。


<後日談>

1.こう書いた後は、単純にマスターのジャズに浸るのを楽しみにこのお店に通っています。。。というのも、このマスターのジャズはそのセットリストの幅広さといい、一枚一枚の内容といい、満足度が実に高いので。

これもあくまで個人的な感覚の問題なので、表現しにくい話ですが、追記しておきます。


2.八代・ファーストさんで知り合ったジャズ・マニアの方のお話では、2回目でお話することが出来たそうです。と考えると、単に私の印象が悪いだけかもしれません。笑


(注)昔ながらのジャズ・スポットにおける作法/美徳は、基本的に他に客が誰もいなくても、カウンター席は常連さんの座る所です。この店はその感覚が未だに残っているお店ですので、最初はソファー席の方に座った方が無難だと思います。


<更に後日談>宮崎のライフ・タイムさんやファー・クライさんの常連さんが福岡に出張でいらっしゃったので、天神南のJABさんで再会してきました。

そこで、昨年末、この常連さんが初めてこのお店に行かれた時のお話を伺ったのですが、実に興味深かった。。。最初は多くの常連さん達がいらっしゃったそうで私と同じような展開だったものの、常連さんが帰られた後の展開は全く違い、その後も2時間近くマスターとお話しされたのだそうです。しかもお互い熱中し過ぎて支払いを忘れて帰り、翌日にまた伺われるというオチ付きのとても素敵なお話。

やっぱり縁は人それぞれ。面白いものです。


<更に更に後日談>このお店でしか聴けないジャズを楽しみに、その後も通い続けました。ずっとソファー席に座って聴きました。21年、さすがに覚えていただきました。笑



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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑