延原武春 指揮 フィルハーモニア福岡 第39回定期演奏会@アクロス福岡 (ベートーヴェン交響曲6&8)

コロナ禍対応で1年振りとなる延原武春指揮 フィルハーモニア福岡の定期演奏会。

今回はベートーヴェン生誕250年記念・交響曲連続演奏会の3回目で、曲目は交響曲第6番「田園」と第8番。

本当は昨年2020年7月26日に行われるはずでしたが、今回も依然としてコロナ禍対応緊急事態宣言中の開催となったため、この開催に当たってのご苦労は並大抵のことではなかったと思います。

そしてそのご苦労の一端は演奏会の至るところにも如実に表れ、舞台上のオケはいつもにも増して小編成。

座席はもちろん1席飛ばしで、途中休憩なし、アンコールなしの短い演奏会。

恒例の延原さんのマイク・パフォーマンスも、もしかしてカット?と心配しましたが、これは大丈夫。でも、そのカットした途中休憩の時間を使う効率の良さ。

団員はその時間、一度舞台から降りたこともあり、「私だけ休みなしですが~」とボヤく延原さんには客席から温かい笑い声。笑


前半の交響曲第8番は、延原さん曰く「ベートーヴェンが100人規模のオケを想定して書いた曲」ということもあってか、堂々としたテンポ設定。そんな中、第2楽章の柔らかくかわいい表現には好感。また全般的に1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンを対抗配置にしていること等による楽器間の掛け合い、受け渡しも楽しく、次に期待をつなぐ演奏でした。


そして、続く交響曲第6番「田園」も通常では聴けない小編成での演奏だったこともあり、曲の構造がよく見える楽しみ付き。この曲の前、延原さんがオケに「情景が見えるような演奏が出来るとええよな!」と呼びかけられたのですが、まさにそれが体現出来た演奏。第2楽章での小鳥が鳴き交わす様も美しく、嵐を表現した第4楽章以降は特に素晴らしかった。大熱演のオケを煽りに煽る延原さん。吹き荒れる嵐。そして、その対比として訪れる明るく穏やかで、とても幸せな朝。

この嵐みたいに荒れ狂っているコロナ禍ですが、近い将来、あんな気持ち良く晴れ渡る日が来たらいいなぁ等と思いながら、気持ち良くホールを後にすることが出来ました。


オケの皆さんがこの演奏会に辿り着かれるまで本当に大変だったと思いますが、ご盛会、おめでとうございました。どうもお疲れ様でした。またありがとうございました。


次回の第40回定期演奏会は2021年7月4日(日)、アクロス福岡ですが、曲目未定、とのこと。。。延原さんのマイク・パフォーマンスの中で「ベートーヴェン・イヤー2020の中で(感染拡大防止の観点から合唱付きの)第九はほとんど演奏されなかった」とのコメントもありましたが、コロナ禍がどうなるのか、世の中の状況を見ながらのご判断となるのでしょうか?

いずれにせよ、延原武春という名指揮者がこのオケと織りなす世界をまた楽しみにいたしております。


フィルハーモニア福岡さんの以前の記事は「クラシック演奏会/ジャズ・ライブ」の目次にて

第38回(ベートーヴェン交響曲1&3) 第37回(ベートーヴェン交響曲2&5) 第36回(ブラームス交響曲2) 第35回(未完成&ザ・グレート) 第34回 (ベートーベン4&7) 第33回(メンデルスゾーン 宗教改革他) 第32回(シューマン交響曲2他) 第31回(メンデルスゾーン スコットランド他) 第30回(ブラームス 交響曲第4番他)


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