今回、神戸出張の帰りに元町のジャズ喫茶jamjam(ジャムジャム)さんに行って来ました。博多行き最終新幹線までの短い時間でしたが、とても衝撃的、かつ、刺激的な体験でした。。。
この日は年に1度のお祭り「BLOW UP!(ブローアップ!)Vol.8」。そして、そのサブ・タイトルは「和ジャズレアグルーヴ祭り」。。。
始まるまで少し時間があったので(追記参照)、言葉どおりにイメージしてみたりしたのですが、昭和ジャズのレア盤を鳴らしてみんなでグルーヴ?それもジャズ喫茶で???
全く想像がつかなかったものの、わからない時は余計なことを考えずまっさらな気持ちで飛び込むに限ります。世の中全て、ジャム・セッションみたいなもの。。。即興がうまくいく時はとてつもないことが起きるし、うまくいかなくてもそれもジャズ。笑
お店に入ってみたら、暗い間接照明の奥行きのある広い空間に鳴り響く大音響。。。ですが、「日本でもっとも大音量(注1)」という言葉から想像が膨らみ過ぎていたので(苦笑)、それほど驚くこともなく、黙って右側のリスニング席へ。
オーディオ・システムやお店の様子等をしばらくキョロキョロ見ていたものの、途中から引き寄せられるように聴き入ってしまい。。。いやいや、これは時代でしょうか?それとも録音のせいもあるでしょうか?どれもこれも、最近の録音では聴いたことがないような熱い演奏。
しかも、DJさんが色々レコードを変えていかれるのですが、これが慣れ親しんだジャズ・バー/喫茶とは違った快楽。実に面白かった!そもそも演奏自体が面白いものを選曲されている上に、その流れの作り方、途中で色合いを変えたり、ダメ押ししてみたり。
興味を惹かれた演奏の時はジャケットを見せていただいたりしたのですが、こんなレコード、よく知っているなぁ、と若いDJさん達の好奇心旺盛ぶりに感心したり。
菅野邦彦さん、昔はこんな演奏をしていたんだ等とたかだか2週間程前の菅野さんのライブを懐かしく思い返したり。
と、ふと前を見ると。。。スピーカーの前に缶ビールを片手に立っていたお兄さんが踊っている???
気づいたらDJ前のスペースでもお兄さんやお姉さんも踊っている。。。
そうだったんだ!目からウロコでした。ジャズって、こういう楽しみ方もあるんですね。。。
この頃にはざっと20人以上のお客さんがいたと思いますが、若い人をこれだけ集めるジャズ喫茶。。。マスターの感性がお若いのか、度量が広いのか、神戸という土地柄かわかりませんが、何にせよ、本当に素晴らしい!
帰りの新幹線の中でふと思い出したのですが、そう言えば先日、長崎のKITTY HOUSEのマスターが力説しておられました。ご本人は、50年代頃のジャズのレコードしか聴かれない方ですが。笑
ジャズとかクラシックとかロックとか言うけど、音楽にジャンル分けって、本当に必要なの?
尚、見事なDJぶりを魅せていただいた岡本洋平さん(注2)が談笑しておられたので少しお話を伺ったのですが、今回は初参戦で諸先輩方の胸を借りる立場だったとのこと。また、日頃はベーシストとしてJohn Doe等のバンドで演奏されておられるとのことでしたが、普段からこんなマニアックなレコードを聴いている方のライブ、是非聴きに行ってみたくなりました。
また、今年8回目になるというこのBLOW UP!(注3)を主催されておられる山本達郎さんにもご挨拶させていただきましたが、ここで残念ながら、タイム・アップ!
岡本さんが絶賛されておられた山本さんのDJが聴けなかったことがこの日、唯一の心残り。。。
ということで、先日の中部九州ジャズ・ロード一周ツアーの中で、このお店を教えていただいた熊本・八代のFirstさんで知り合った神戸からの出張者の方と再会することは出来ませんでしたが、そのお陰でこんな素敵な時間を過ごすことが出来ました。改めて感謝です。
ちなみに、これは地下のお店の入り口の横に置いてある黒板。次回は「決してマニアックな店ではありません!!」と書かれているとおりの(?)通常の顔のjamjamさんを知りたい、マスターのお話もじっくり伺いたいと思っています。
それにしても、熊本・八代から始まった今回の縁・サーフィンは、年に1度しかないエキサイティングなお祭りに遭遇するというまたしても思いも寄らない形で結実し、極めて濃厚な時間を味わうことが出来ました。とてもじゃないですが、面白過ぎて止められません。
【駐車場:無(JR元町のすぐそばですので、電車で行くのがスジ?)、喫煙:不可】
(注1)マイク・モラスキーさんの「ジャズ喫茶論」の中でjamjamさんがこうご紹介されていました。
(注2)岡本さんのFBにつなげてもらったのですが、友達欄を見ていてとても面白いことが。。。何人かの方の共通の友達が複数人。不思議に思い、確認したところ、私の大好きなピアニスト の渡辺ショータさんにギタリストの湯田大道さん、そして、名古屋・錦のジャズ・バー マイルスのいくらママ!ジャズの世界はやっぱり狭い!笑
(注3)山本さんが書かれた「BLOW UP!」の以前の紹介文をネットから引用。。。
アメリカの黒さもなくヨーロッパの白さでもない日本人独自のオリジナリティ。俗に言う"和ジャズ"。その独特の雰囲気から海外からの注目度も高く、ここ日本でも幻の名盤などがCDで次々に再発され話題を集めている。
"和ジャズ"といってもモダンジャズから、スピリチュアルジャズ、フリージャズ、ジャズロック、ファンク、フュージョン... さらに”和モノ”といわれる歌謡曲やTV・アニメのサントラなども含め、その幅は広い。
そして、それらに焦点を当てた、全国でも希少なパーティー、それが「BLOW UP!」。
<追記>実はこの日、BLOW UP!の準備中に到着してしまい、待ち時間がちょっと発生。そこで他のジャズ喫茶に行けないかとネットで検索したら何と、jamjamさんから徒歩圏内に何軒もヒット!
その内、まだ開いていた茶房VOICEさんとMOKUBA’S TAVERN(モクバズ・タ-バン)さんに行ってきました。
とは言っても、お店に入ってしまうとjamjamさんに戻れなくなりそうな匂いがしていたので、今回は場所の偵察だけに留めましたが。。。それにしても、学生の頃、よくデートで行ったのに、こんなに文化レベルが高い街だとは気づいていませんでした。恐るべし元町、です。
<後日談>実はこの日、早く入ったお陰で毎年恒例という先着プレゼントのMix CDをいただいたのですが、聴いてみたら当日とはまた違うノリの良いご機嫌なナンバー揃い。。。その内容を教えていただきましたので、ご参考まで!
BLOW UP! '17
1.日野皓正/THIS PLANET IS OURS 2.今田勝/SEA WEEDS 3.鈴木勲/NEMURO 4.渡辺香津美/PARK AVENUE 5.荒川達彦/DREAM OF PARADISE 6.MANHATTAN FOCUS/AMAZON 7.AL FOSTER/MIXED ROOTS 8.中村照夫/CAT 9.ソウルメディア/I WILL GIVE YOU SAMBA 10.サミー&カウントバッファロー/ファファファ 11.川崎遼/TRINKETS&THINGS 12.増田好秋/SHIRLEY 13.八木のぶお/赤い道が走る国
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