福岡の観光地 柳川(ヤナガワ)にあるGroovy(グルーヴィ)さん。。。前回の「アルゲリッチはジャズだ!」というマスターの強烈な名言にはすっかり参りましたが、このお店には強い中毒性があるらしく、またついふらふらっと行ってしまいました。
アルゲリッチを聴いてしまったから聴くものがまたなくった、と嘆かれるマスターは興に乗ったら一晩中いい音楽を探してしまうYoutuber。
そしてこのお店はそのマスターが話に上がった音楽をYoutubeですぐに取り出し、一緒に聴けてしまうとても楽しいお店。。。ということで、今回は私がマスターと過ごした時間をダイジェスト版でお届けしてみます。
1.ジャズは間、タメが大切
これ、聴いたこと、ある?ないんだったら、聴いてみる?とおっしゃってマスターが流し始めたのはこのThe Great Guitarsの1曲目。
その中で、3分40秒辺りから7分15秒ぐらいまでの三人のソロの聴き比べが今回のポイント。
全員もちろん上手いんだけど、最初の二人に比べて、最後のバニー・ケッセルの間、タメはちょっと違うよね?テクニックに走り過ぎると間が失われがちで、そうなると軽く聴き流せてしまう。でも、名人は間で聴かせるんだよね。
確かにわかりやすくて、納得。。。この演奏自体も相当楽しかったので、ちょっとこのまま聴かせてもらってもいいですか?とお願いしてしまいました。笑
2.ジャズ・ボーカルの聴き方
ジャズ・ボーカルをボーカルとしてじゃなく、一度トランペットとかと同じように器楽的に聴いてごらん、とおっしゃって、まず聴かされたのは、エラ・フィッツジェラルドのMack The Knife。
あら?!この演奏は知ってはいましたが、聴き方を変えるとまた面白い!
次に聴かせていただいたのが、ビリー・ホリディのFine And Mellow。
これはバックが超豪華メンバーですが、ジャズ・ボーカルを聴いているという感じが全くせず、ボーカルも楽器としてセッションしているとしか思えない素晴らしい演奏!更にはちょこんと腰掛けて歌うビリー・ホリディがとてもチャーミング。こんな映像が観れるYoutube、恐るべしです。
そして極めつけは、このクラーク・テリー(注)とアレサ・フランクリンのMUMBLES 2001。
この二人の訳のわからない掛け合いの楽しいこと!思わずイェ~!と掛け声を掛けてしまいました。笑
この他にも、ビリー・ホリディとレスター・ヤングのAll of Meやアニタ・オディのFly To The Moonを聴かせていただきましたが、今回教えていただいたジャズ・ボーカルの聴き方は目からウロコで、本当にタメになりました。
尚、途中でマスターが真面目な顔でおっしゃった「アルゲリッチに勝つにはボーカルしかないかもしれない」というご発言にはズッコケそうになりましたが、それ程、ボーカルは奥が深い楽器、不思議でスゴい楽器なのだそうです。
最後にしみじみとおっしゃった「ボーカルを聴かないのはもったいない」というご発言は胸に留めておきます。
3.ちょっと一休み
この名盤は知っているよね?昔、ルーレットに久留米医大の軽音の連中が来ては必ずリクエストして、黙って聴いていたなぁとおっしゃりながら流されたのが、ライオネル・ハンプトン・オール・スターズのStardust。
この日、最初に聴いたバニー・ケッセルのギター、ライオネル・ハンプトンのヴィブラホン等々、次々に出てくる気持ちいいソロ、腹にズッシリ響くソロ、楽しい女声のスキャット。。。思い切り聴き入って、そして一休み、終了。笑
4.ジャズはベースが引っ張るもの
この話題からご紹介いただいたのは、レイ・ブラウン・トリオのLady Be Good。
ドラムより少し前に出るベース。。。確かに!
続いて、オスカー・ピーターソン・トリオのC Jam Blues。
音楽をベースが引っ張る安心感とスイング感。それにしても、レイ・ブラウン、カッコいいなぁ、と聴き惚れてしまいました。
5.パット・メセニー
これを聴くまであまり好きじゃなかったんだけど、と言って流されたのは、ビートルズの曲ですが、And I Love Her。
いやいや、確かに、これも無茶苦茶いい。。。
そして、最後はパット・メセニーとチャーリー・ヘイデンのニュー・シネマ・パラダイスの気持ちいい演奏を聴いて、長時間にわたるこの日の音楽談義も、終了。
それにしても、前回も書きましたが、とてもYoutubeとは思えないいい音が鳴るこのお店。
本当に楽しかったです!と伝えると、一緒に聴いている人がいいからじゃない?とマスター。。。そのお茶目な笑顔に、思わず、そうかも?と思ってしまいました。笑
それにしても、長居させていただいたにも関わらず、あっという間の時間でした。。。またお邪魔しますので、引き続きよろしくお願いいたします。
【駐車場:有、喫煙:可】
(注)このクラーク・テリー(以下、CT)がマイルス・デイヴィス達からも愛されていた話から、その晩年のドキュメンタリー映画Keep On Keepin' On (地道にやり続けなさい)を教えていただいたので、また即発注。
何度か観ましたが(英語の字幕しかないので。。。苦笑)、CTと奥様、弟子の盲目のピアニストとの温かい交流、若かりし頃の演奏やクインシー・ジョーンズ、ハービー・ハンコックを始めとする巨人達のインタビュー等々を通して、CTの滲み出る魅力を描いた素晴らしい映画。それにしても、そこかしこで流れるCTのスキャットの素敵なこと。おススメです。(但し、私が買ったDVDはリージョン1でした。ご購入の際にはご注意を!)
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