我が家から近いこともあり、ちょこちょこ訪問させていただいている熊本・南阿蘇のWoodside Basie(ウッドサイド ベイシー)さん。
新年明けてからはなかなかその機会が作れなかったのですが、先日ようやく訪問して来ました。
このお店のシステムの音楽再生能力、特に空間を感じられる音源に対するそのレベルの高さはこれまで何度も書いてきたとおり。
ホールで演奏するオーケストラが見えるようなクラシックや天から降ってくるような合唱等の再生は最高級の味わいで、オーディオの存在を忘れ去ってしまうほど。
そして今回、どうしてもここで聴きたいアルバムがありました。。。それは、清水靖晃さん(注)が録音されたバッハの名曲・無伴奏チェロ組曲。
(注)清水さんは日野元彦さんの名アルバム「流氷」にも参加される等、ジャズ・ミュージシャンとしてご活躍された後、様々な分野にご転進。近年ではNHK「みをつくし料理帖」の音楽等でも知られておられるサックス奏者、作曲家、音楽プロデューサー。
このアルバムは1990年代に発表され話題となった作品ですが、採掘場や洞窟等、とてもよく響く場所で録音された無伴奏チェロ組曲。
チェロの演奏とは全く違った一見ジャズっぽいアプローチで既成概念を覆すものである一方、どう聴いてもバッハの曲になっている辺りがとても素晴らしい名演。
そして予想どおり、良かった!
このお店の高い天井に心地好く鳴り響くサックスの多彩な音色、描き出される場面転換の鮮やさの気持ちのいいこと。
ちなみに、このお店のジャズの再生については強い音圧を浴びるような方向ではなく、空間を重視し音像が見えるような方向だけに、好みが分かれるかもしれません。
ただ、このお店の誇るブルーレイ・オーディオ 24bit/192KHzで再生される空気感=空間に漂う余韻、静寂の音の密度感は、クラシックはもちろんのことながら、ジャズでも素晴らしいものがあります。
何度か聴かせていただいた名アルバムSomething Elseですが、その「枯葉」での響きの柔らかさ・滑らかさ、自然で立体感のある再生、マイルスの奏でるトランペットの繊細な音色はここでしか聴けないもの。
このお店に来たら、是非一度、お試しくださいませ。
さて、私が鋭意邁進中のプロジェクト・リ!トレーンですが、マスターにコルトレーンをお願いしたところ、かけてくださったのは、バラード。
その後も、他にお客さんがいないのをいいことにクレッセント、スターダスト、スタンダードと立て続けに聴かせていただき、お腹いっぱい、大満足。
いつもながらわがままを聞いていただき、どうもありがとうございました。
このお店のある南阿蘇は、最近観光スポットとして注目を浴びている場所。お店に入る幹線道路には多くの車が行き来し、お店の数も目に見えて増えてきました。
なのに、このお店のお客さんが増えないのは何故?やり方次第で、いくらでも増やせるだろうに?
そう尋ねてみたところ、その答えが何ともマスターらしくて笑ってしまいました。
音楽が好きではないお客さんにはあまり来てほしくない。
やっぱりこのお店は最高です。今年も引き続き、よろしくお願いいたします。
【駐車場:有、喫煙:不可】
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