第28回KJU(九州ジャズユニオン)@阿蘇・山頭火

先日、昨年に引き続き、2度目となるKJU(九州ジャズユニオン)(注)に参加してきました。

第28回となる今回は阿蘇ジャズクラブさんの主催で、場所は阿蘇・山頭火さん。。。当初は昨年の予定でしたが、1年延期したお陰でこの新しいお店のお披露目も出来、結果的には良かったのではないでしょうか?

事務局の方も含めて総勢約80名?ジャズが好きだというだけで、よくもこんなに九州中から人が集まるものだと感心してしまいましたが、よくよく見回してみると、知っている顔があちらこちらに。。。早くご挨拶に行かなきゃ!とちょっと焦ってしまいました。

九州ジャズユニオン会長の長崎・波佐見のDoug(ダグ)さん、会場の山頭火さん、太宰府のNishimura(ニシムラ)さん、大牟田の道楽堂さん、大分・中津のぐる~びぃさん、鹿児島の順刻堂さん、山口のポルシェさん、そして、一昨年前にご閉店された鹿児島の門さんという錚々たるマスター・ママ、そして顔馴染みとなったそれぞれのお店の常連の皆さん、昨年よく聴きに行ったベースの中瀬亨さんやピアノの園田智子さん、よくお世話になっているFM熊本の平山さん等々。

残念ながら、この1月にお店を閉店されたばかりの福岡・朝倉の古処のマスターご夫婦がお越しになれず、お会い出来なかったのは残念でしたが、旧知の方々にご挨拶することが出来ただけでお腹いっぱい。

更には、昔、長崎でGoody-Goodyというお店を経営されておられたアルト・サックスの菅原彰司さん山口・PLAY BACK中津・ちょいWARUうさぎのマスターを始め、初めてご挨拶させていただいた方も数多く。。。まぁ、一言で言えば、本当に濃い会でした。笑

17時に九州ジャズユニオン事務局長の白川さんの司会で始まった総会を経て、道楽堂のマスターの乾杯の音頭で宴会へ突入。

それにしても、客観的には平均年齢60歳強の男女の集いですが、ジャズ好きの皆さんは無茶苦茶パワフル。

料理の美味しいお店としても名を馳せている山頭火さんということもあり、旺盛な食欲を満たしながらも、飛び交うアルコール、あちらこちらで起きる大きな笑い声。

その内、会話のセッションだけでなく、演奏も始まりましたが、これがまた、レベルの高い演奏で大盛り上がり。

ここからメンバーは若いミュージシャン達も入り、入れ替わり・立ち替わり、閉会の23時頃までずっと演奏し続けたのですから、まさにマラソン・セッション。

中でも、恒例となっている山頭火のマスターのサックスと中津・ぐる~びぃのマスターのベースのセッションにはやんやの大歓声。テクニックを飛び越え、漂う本格的なジャズの雰囲気。

やっぱり、ジャズは聴き込まなきゃ!を体現された素晴らしくも楽しい演奏でしたが、正直なところ、昨年よりご上達され、面白味が減ったのは残念?笑

またそれから時間が経ってふと見たら、最近お店でセッションをよくやっているとおっしゃっていた順刻堂のマスターがいつの間にやらピアノを弾かれてる?!

もしかすると来年は、新たなマスター・カルテットが聴けるかも。。。これでまた、一つ楽しみが増えました。

こんな大盛会でしたが、今回の個人的な関心事の一つは、古処さんのパラゴン等を引き継がれた大分・竹田の一粒万倍(イチリュウマンバイ)のマスターとママ。

彼らがこの多くの九州ジャズ関係者の皆さんにどのように認知されていくのか、ちょっとドキドキしていたのですが、何のことはない。想像をはるかに超えて、皆さん、優しい。

総会恒例の初参加者紹介で、マスターとママは汗をかきながらも一生懸命ご挨拶されたのですが、その衒いのない真っ直ぐぶりが好意的に受け止められたこともあるのでしょうか?

宴会が始まったら、ひっきりなしにあちらこちらから声が掛かり、あまりの人気ぶりに早々にどうでも良くなってしまいました。笑

そしてもう一つは、神戸からわざわざお越しいただいたらうさん。。。35歳の若さにして、既に全国のジャズ・スポットを600軒以上回られ、関西ジャズ愛好家ご用達のフリー・ジャズ情報誌「WAY OUT WEST」でも連載をお持ちの猛者で、以前こちらでご紹介した我が同志。

こちらは単に、九州ジャズユニオンというこの素敵な集いを体感してもらいたかっただけなので、何の心配もしていませんでしたが、案の定、皆さんから声を掛けられる人気ぶりで、何よりでした。

そして私にとって今回最大のトピックスは、のマスターのお話を長い時間伺うことが出来たこと。。。実は、私が九州ジャズロードを完遂するキッカケになったのは、この門さんの閉店。

初めてお店を訪問した日、マスターからそのお話を伺った時の衝撃、そして「いつまでもジャズ喫茶やバーがある訳ではないんだ」という気づきは未だに忘れられません。

その後、ともかく一周することを目的に巡り始めたのですが、そのお陰で「縁☆サーフィン」と名づけた信じられないような縁のつながり、感動を何度も体験することが出来、このマスターにはとても感謝しておりました。

ただ、これまで三度お話させていただく機会があったのですが、こんなにまともに会話をさせていただいたのは今回が初めて。。。マスターはかなり酔っておられたので、全く覚えておられないかもしれませんが。笑

今回、色々お話を伺った中でも圧巻だったのは、「ジャズは男と女のイヤらしさ」という名言。。。このダンディなマスターが力強く言い切られた勢いとその表現の奥深さには、参ったの一言。この生命力の強さが日本のジャズ文化を支えてきたのだと、改めて思い知らされた次第です。

また、「つなげていくこと」について、気にしておられたのも印象的でした。。。うまく受け応えも出来ず、真意がわからないまま次の話に移ってしまったので間違っているかもしれませんが、ジャズという音楽そのもの、そして、ジャズ喫茶という文化がこの先どう続いていくのか、つなげていくのかを憂いておられるのだと理解しました。

でもこの記事を書きながら改めて思ったのですが、マスター達の時代の流れとは確かに違うとは言え、近年、順刻堂さん一粒万倍さんといった新しい流れが起こってきており、この日も溌溂とした演奏を聴かせてくれた若いジャズ・ミュージシャン達が頑張って活動しているのも事実。

私としては、最大限、彼らを応援していくだけですし、その先のことはその時代のメンバーが何とかしていくのでしょう。

それに、根本的にジャズという音楽の力を信じているのですが。。。もしあの時、そう答えていたら、やっぱりキミはわかっていない!と叱られたのでしょうか?苦笑

最後は、九州ジャズもん列伝でも取り上げさせていただきました久留米ジャズ・クラブ代表の江越さんを囲む会(?)で閉会の時を迎えましたが、相変わらずその漲るパワーが健在で、嬉しかったです。

昨年のこの会では、念願だった九州ジャズロード著者の田代俊一郎さんとお会いするキッカケを作っていただいたこの江越さんや、色んなライブ情報をいただいたFM熊本の平山さん等、ありがたい縁をたくさんいただきました。

また来年。。。場所は未定ですが、2020年3月1日(日)第29回九州ジャズユニオン。

どんな感謝の念を持って、またその場にいるのか、本当に楽しみです。

(注)ご参考までに、これまでのKJU(九州ジャズユニオン)の歴史をご紹介しておきます。【KJU事務局発行資料より抜粋、( )内は参加者数】

第1回嬉野温泉鯉登苑(13名)、第2回大牟田JazzClub主催:道楽堂(27名)、第3回中津JazzFunClub主催:ぐる〜びぃ(33名)、第4回宮崎ライフタイム主催:ライフタイム(35名)、第5回鹿児島パノニカ主催:パノニカ(35名)、第6回阿蘇JazzClub主催:小国・木魂館(38名)、第7回長崎グッディ主催:グッディ(40名)、第8回小郡JazzClub主催:暖家(37名)、第9回川内ハイカラ主催:ハイカラ(32名)、第10回伊万里JazzClub主催:嬉野和多屋(63名)、第11回久留米JazzClub主催:フォービート(65名)、第12回田川JazzClub主催:ダイヤモンドムーン(82名)、第13回山口ポルシェ主催:ポルシェ(77名)、第14回阿蘇JazzClub主催:山頭火(65名)、第15回佐世保JazzFunClub主催:レオプラザホテル(70名)、第16回伊万里JazzClub主催:グラスホッパー(55名)、第17回熊本JazzClub主催:アフロブルー(76名)、第18回串木野パラゴン主催:パラゴン(53名)、第19回大分JazzClub主催:ブリックブロック(90名)、第20回伊万里JazzClub主催:嬉野和多屋(96名)、第21回福岡リバーサイド主催:ゲイツ7(98名)、第22回朝倉・古処主催:古処(68名)、第23回佐賀シネマテーク主催:浪漫座(89名)、第24回山口ポルシェ主催:ホテル寿(61名)、第25回長崎JazzClub主催:出島テラス(77名)、第26回宮崎ライフタイム主催:ホテルメリージュ(50名)、第27回田川JazzClub主催:ダイヤモンドムーン(63名)


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汝が欲するがままをなせ

九州ジャズ・スポット巡りを中心に興味の赴くままジャズ・クラシック等について不定期に掲載。 タイトルはM・エンデ「はてしない物語」の含蓄に富んだ言葉で、サイト主の座右の銘。 ♪新しい秩序、様式が生まれる時代の幕開けです。この混沌を積極的に楽しんでいきましょう。危ぶむなかれ、行けばわかるさ、です。笑